東京では今年の最高気温(33.8度)を記録した木曜日、京橋図書館「本の森ちゅうおう」への図書の返却と延長のために八丁堀界隈に出掛けた。
丁度お昼時の真夏の太陽の下を「鈴らん通り」を歩いていると、前回来た(二週間前)は閉まっていたレトロな屋台食堂が、今日は丁度お昼時なので暖簾が掛かっているので寄ってみた。
オヤジさんは一人で暇そうにしていたので暖簾をくぐって重い引き戸を開けると、今日はこれから貸切予約があるのでNG。
残念!!
そして、図書館「本の森ちゅうおう」の3階の受付で返却と延長手続き。
延長して再読中の本はこれ。
図書館の後は、折角なのでかねてから興味のあった両国の「すみだ北斎美術館」まで脚を伸ばしてみた。
目的は二つ。
1)妹島和世設計の奇抜な建物
2)墨田で生まれた葛飾北斎の企画展
都営浅草線浅草橋駅経由でJR総武線両国駅で下車して、日陰の少ない線路沿いの一直線の道を歩く。
10分ほど歩くと思いがけない障害物競歩で陸橋を渡ることに。
振り返れば江戸東京博物館。
更に5分ほど歩いてJRの高架下を抜けると、周囲の一般的な建物とは明らかに異質な建物が突然現れた。
建築のノーベル賞と言われているプリツカー賞(※)を受賞した世界的に有名な女性建築家妹島和世氏の設計の建物で、小平市にある「なかまちテラス」によく似ているがこちらの方が一回り大きい。
※プリツカー賞:
ハイアットホテルアンドリゾーツグループのオーナーのプリツカー一族の運営する財団が創設した権威ある建築賞で、1979年以降毎年存命の一名(組)が選ばれている。日本からは丹下健三、槇文彦、安藤忠雄、妹島和世+西沢立衛、伊東豊雄、坂茂、磯崎新の8人で、日本人が最多。アメリカも8人だが一人は二重国籍。
因みに、プリツカー一族には、前会社で担当したテキサスのホテルの竣工パーティーでご一緒したことがある。非常にジョークの好きなビジネスマンで、ビジネスの成功の源は遊び心で仕事を楽しむこと、という姿に感銘を受けた。
入館する前に、建物の東側から北側に向かう。
ここが入り口のようだが、北側へ回ってみる。
公園に面した北面がデザイン的に決まっているような気がする。
西面も見てみた。
※電線が建物を壊している(泣)
公園の北西角は「すみだ北斎美術館前」交差点、東西に走る道は「北斎通り」、やはり世界の北斎だ。
公園にある葛飾北斎生誕地の看板。
公園内は北斎一色。
タイルモザイクは北斎の代表作の「凱風快晴」
赤富士をイメージしたワイヤージャングルジム。
建物のシルエットが一番美しくて涼しいこの場所で、一枚。
東側入り口から建物内へ。
奥にあるのはミュージアムショップ。
4階からはメッシュ越しにスカイツリーが見える。
展示室内は一部撮影不可もあるが概ね撮影可が嬉しい。
平日なので日本人よりはインバウンドが圧倒的に多い。
それも、北斎が特に人気のあるフランスからの来館者が多いので、フランス語の作品リストが大量に置いてあったが、私は日本語(英語併記)版で我慢。
やはり、北斎といえばこの「神奈川沖浪裏」
この錦絵の五色摺りの工程を再現した版木5枚の展示
左から:輪郭線、空ぼ色、舟の色、空のぼかし、波の色
超リアルな北斎のアトリエ再現セットもあった。
半分炬燵に入って一心不乱に絵を描く北斎を見守る娘の阿栄だが、室内は紙屑だらけだったらしいが父娘はそれを意に介さなかったと言われている。
北斎の右手が時々動くのにはビックリ!
これも北斎風のご愛嬌
因みに、前回観た北斎展は2019年の六本木ヒルズだった。
まだ西日が暑い外に出て、神奈川沖浪裏の波泡で連想したビールの泡を求めて、隅田川方向に歩いている途中で立派な庭園発見。
江戸元禄年間の常陸笠間藩下屋敷の庭園で明治時代に旧備前岡山藩主池田家邸、安田財閥を経由して現在は墨田区立の庭園。
入場無料とのことなので、折角なので入ってみた。
周囲の高層ビルの合間からスカイツリーが見えた。
流石にビールのタップまでは連想しなかったが(笑)、隅田川からの水門の跡から湧き出る水の音に暑さを忘れる。
国技館横を通ってJR総武線「両国駅」、そして秋葉原駅から地下鉄銀座線神田駅入り口で見つけた「YONA YONA BEER WORKS神田店」で究極のエネルギー補給で生き返る。
YONA YONA Pale Ale(5.5%)