FLWの日本の住宅 | ロドさんの繪ブログ「一期一繪」

ロドさんの繪ブログ「一期一繪」

団塊の世代のラストランナー。想い出深い海外駐在当時も振り返りながら「日本再発見」ということで国内あちこちのスケッチを織り交ぜて気ままに、「人生はFESTINA LENTE(ゆっくり急ごう)」

 

 

(今日は、感動の大きさに比例して少し長いですが、よろしくお付き合いください)

 

ついに、やっとこの場所に来ることが出来た。

 

自分が、最初にフランク・ロイド・ライト(FLW)の作品に出会ったのは、1993年、ということは25年前だ。

 

場所は、当時駐在していたアリゾナ州スコッツデール。

家から5キロほどのところにある、彼が創設した自給自足の共同生活の建築塾「タリアセン・ウエスト」だ。もともとタリアセン(イースト)は彼の故郷ウイスコンシンにあったが、冬の寒さを避けるために、1932年南の砂漠の中に、冬の家となったタリアセン・ウエストを作ったのだ。その建物は、過酷な砂漠の中に弟子(フェロー)たちと手作りで建築、増築されたと聞いている。今でも弟子たちも卒業制作の家(小屋)を、コヨーテ、ガラガラヘビとサソリのいるアトリエ裏の広大なサボテン砂漠に自ら設計施工で建設することになっている。建物内部にはドアがほとんどのないのは、彼が日比谷の帝国ホテル本館や、西池袋の「自由学園明日館」の建設等で、1917年の初来日から1922年帰国するまでに観た日本の家屋に影響を受けたものと言われている。

 

西池袋にある自由学園明日館(重要文化財)の竣工は1921年、帝国ホテルは1923年だ。

 

そして、この「ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)」は1924年竣工で、日本に現存する彼が設計した唯一の住宅建築だ、

 

大阪での高校同窓会の翌日は、思いの外天気も良かったので、横浜に帰る前の時間を利用して、FLWに会うためにJR芦屋駅まで出かけてみた。

 

駅前の案内図で確かめる。目的地は北西方向でそんなに遠くではないし、道順もわかりやすい。

 

 

芦屋駅から商店街を神戸方向へ歩く途中に懐かしいポストを発見。FLWも見たのかな?

 

 

清い六甲の名水が流れる芦屋川を上流に向かってなだらかな道を上る。

 

大正橋の上から遠くにFLWが良く見える。

 

 

 

阪急電鉄神戸線の芦屋川駅をくぐると白いFLWはさらに大きく見えてくる。

 

 

最後の橋(開森橋)から見ると、目的地はもうすぐそこだ。

 

 

橋を渡ったこの辺りから一気に急な坂道になる。

 

 

年寄りに やけに重いよ ライト坂

 

 

駐車場の崖の上に玄関が見えてきた。

 

 

もうすぐだ。

 

 

ついに到着、駅からここまでのんびり歩いて約20分だ。

 

入館する前に、大切な一仕事がある。

 

落ち葉吹き掃除の作業に邪魔にならないように移動しながら一枚。それにしても蚊が多かったな。

 

 

これが、FLWの住宅か!

直線が作り出す見事な凹凸、すごい存在感だ。

 

 

 

 

玄関前のピロティーからは、大阪湾から神戸の街が一望できる。

 

 

車寄せにはFLWらしい大谷石の泉が。

 

 

そしていよいよ入館。

シニア料金は、100円安い400円。

ありがたい。

 

 

何と複雑な4階建てだ。

 

 

 

細部にもこだわりのデザイン

 

 

3階の洗面室にも。

 

 

敷地全体の模型、まるでお城のようだ。

昔はプールもあったようだ。

 

 

住宅部分の模型はペーパークラフト。

 

 

ぎょぎょ!

不思議な形の天井にびっくり!

 

 

世界でただ一つ?のFLWの設計した和室は3階にある。

 

 

何と、3階にある小間使の部屋も巨匠の設計。

小間使が羨ましい?

 

 

これは4階にある食堂

 

 

ライトの特徴あるライトスタンド

 

 

外は細長いバルコニー

 

 

素晴らしい眺望。

 

 

4階と3階のバルコニーをつなぐ階段。

 

 

天井は低く、廊下は狭い。

 

 

3階から2階への見事な階段室。

オオヤー、ここにも大谷石!

 

 

下の空き地にあった物置は間違いなくヨドコウ物置だ!

 

 

帰りは坂道を下るので歩くのも楽だ。ちょうどお昼時、お腹も空いたので、駅の近くで看板にそそられたカレーの店へ。

 

 

定番らしき、インディアンカレーを注文。

 

 

見かけ以上に辛いので、店員さんのお勧めで、途中から黄身のトッピング追加で、お勘定は800円也。おいしゅうございました。

 

芦屋駅といえば大学時代に友人の実家に泊まったことがあるし、バドミントンの定期戦で泊まったのは確か駅前の「竹園旅館」だったな、ということで、念のため探してみた。

 

 

あった!「竹園」発見!

 

昔から巨人の阪神戦での定宿で有名な竹園旅館は、駅前再開発で立派なホテル(ホテル竹園芦屋)になっているではないか!

 

今でも、巨人や甲子園球児たちが使っているらしい。

 

 

記念にコーヒーでも、と思って1階のコーヒーショップ覗いてみたが、長蛇の列、だったので諦めて、隣のショッピングセンター地下の市場みたいな生協の横のカフェでコーヒーとなったが、味は悪くはなかった。

 

駅へ向かうエスカレーターでどことなくFLWを意識したデザインを発見。

 

 

 

次は、明治村に移築保存されているの帝国ホテル本館だな、と思いながら、新大阪から新幹線に乗った。

 

<おまけ>

 

終日天気も良かったので新富士駅を通過した後、見事な富士山を撮影できた。

 

 

だいたい近くの電柱とかが映り込むのだが、完璧な日本の田園風景だ。まるで新幹線を降りて撮ったような?

 

以上お粗末でした!

 

感動に比例した長い時間にお付き合いいただきありがとうございました。