ジイジの夏期講座 | ロドさんの繪ブログ「一期一繪」

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団塊の世代のラストランナー。想い出深い海外駐在当時も振り返りながら「日本再発見」ということで国内あちこちのスケッチを織り交ぜて気ままに、「人生はFESTINA LENTE(ゆっくり急ごう)」

 

電車で30分ほどの「大倉山記念館」で久しぶりに学生に戻った感じで講義を受けた。

 

 

真夏のような快晴の梅雨空?の下、東急等横線大倉山駅から急な坂道と階段を登ったところにと美しい木立の奥に会場が見える。

 

 

 

 

開始時間は2時だが、早めに着いたので整理札(5番)を貰って木陰で休憩方々一枚。

 

重厚なこの「大倉山記念館」は横浜市の指定有形文化財だ。

 

 

 

開場時間になったので会場へ向かう。

 

講演のテーマは、

 

「グンゼ・クラボウ・カネボウの経営感」

(明治期企業家の経営思想に見る報徳思想とキリスト教的価値観の融合)

 

 

半世紀前に大学生だったと思われる前後期高齢者で会場は満席。

講師は、法政大学の長谷川直哉教授、25年間の保険会社勤務の後、CSR、企業倫理、企業史の専門家になられた由。

 

レジメ48枚、通常の3コマを一コマに上手くまとめられた90分の講義は興味深かった。

 

「日本型CSR(企業の社会的責任)の源流は、利他の精神に基づく企業と地域社会の共生」

 

国是、府県是、郡是、町村是の統合による富国強兵

地域のための会社、品質向上は教育から

(グンゼ:波多野鶴吉)

 

日本的な経営家族主義の優位性と欧米での権利義務ベースの労使関係の巧みな融合

(カネボウ:武藤山治)

 

教育、福利による健全な従業員が会社発展の力

(クラボウ:大原孫三郎)

 

残念ながら、カネボウは不幸な道を辿ったが、グンゼ、クラボウでは創業者の精神は脈々と生きているようだ。

 

株価優先の短期的な目標ではなく、20年先、30年先の会社のあり方を見据えた経営思想が重要となる。

 

いまの時代だからこそ問われる「企業のあり方とは何か?」を先達の企業家から学ぶところは大きい。

 

講義の後は、親子ほど違う講師への関係大企業の役員OBや同郷の方等からの質問(というよりはかつての経験談?)とそれに対しての回答(コメント)。

 

講演終了後、その時代に建てられた建物をシミジミと鑑賞。

 

なんとも重厚なホールの天井。

 

 

ホールに繋がる石の階段。

 

 

 

 

 

 

西入口の木陰には、綺麗な紫色の紫陽花が初夏を感じさせる。

 

100年ほど前に東京都から送られポトマック河畔に植樹された桜が、1991年に里帰りして、植樹に貢献したシドモアさんが眠る横浜山手の外人墓地墓に植えられた「シドモア桜」は、その後継木による苗木が作られ横浜市内各所に植えられているが、本館前の林の中に今年の春植えられたようだ。

 

 

近くに見つけた木は、「馬酔木」

 

 

これがあの馬酔木か!

 

(新宿三丁目)

 

初めて見たが、意外に低い木だな。

馬が食べたら酔っ払う木。

 

 

初夏の土曜日は真面目?な学生気分に戻った清々しい一日だった。