こんにちは。矢野芳幸です。 前回のメルマガでLTVについてお話しました。 いまでは、LTVと言えば年間LTVを指す場合が 多くなりました。 一年間で判断した方が経営に役立つからだと 思います。 このLTVですが、 お客様の満足度に比例する とお話しました。 お客様の満足度が高くなれば、LTVは上がり、 お客様の満足度が低くなれば、LTVは下がる というものです。 これだけを考えれば、 LTVが上がれば売上は上がり、 LTVが下がれば売上は下がる、 と考えられますね。 このようになれば楽なのですが、 実は、このようにうまくは行かないのです。 つまり、 LTVは上昇しているのに、売上が低下する という現象がおこるのです。 一見、矛盾していますよね。 LTVというのは、顧客一人が一年間に どのくらいの金額を使ったかというものです。 例えば、 LTVが2万5000円というのは、この一年間で あなたの会社の商品やサービスを購入した 顧客の平均金額なのです。 ですから一年間に、 ひとりで10万円を使った顧客もいるでしょう し、ひとりで3000円しか使わなかった顧客も いるのです。 この平均が2万5000円なのです。 では、この一年間であなたの会社の商品や サービスを買った顧客の人数が1000人いると すれば、 2万5000円/人×1000人=2500万円 という金額がこの一年間の売上金額、 つまり年商になります。 ところが、1000人ではなくて900人しかいな かったとすれば、どうでしょうか? 2万5000円/人×900人=2250万円となります。 つまり、 年商とは、LTVと直近一年間で購入のあった 顧客の人数を掛けたものです。 直近一年間で購入のあった顧客数のことを 顧客数年計とか稼働顧客といいます。 年計とは一年間の計ですし、 稼働といえばこの一年間で稼働した顧客と いうことで、イメージしやすいと思います。 なので、 年商=LTV×顧客数年計 という公式で表されることになります。 では、 LTVは上昇しているのに、売上が低下すると いう現象が、どのような場合に起こるのかを お話します。 例えば、昨年度は LTVが2万3000円で顧客数年計が1000人 だったとします。 この場合の年商は、 2万3000円/人×1000人=2300万円 となります。 ところが今年は、顧客の満足度があがり、 LTVが2万5000円になったとします。 しかし、 顧客数年計が800人に減ったとすれば、 年商は、 2万5000円/人×800人=2000万円 となり、昨年度の2300万円より300万円 減ってしまいます。 つまり、 LTVは、2万3000円から2万5000円へと8.7% 上昇しますが、 顧客数年計は、1000人から800人へと20% 減少します。 一方が8.7%上昇しても、もう一方が20%下降 すれば、その掛け算の結果は減少となります ね。 これが LTVは上昇しているのに、売上が低下する というケースなのです。 では、なぜ、このような問題が起こるので しょうか? それは、よく買ってくれる優良客ばかりを 大事にして、そうではない顧客を大事にしな いことが大きな原因です。 優良客は大事にされるため、ますます多くを 買ってくれますので、LTVは上昇します。 ところが、 優良客ではない大事にされていない顧客は、 居心地がよくないですから、だんだんと去っ ていきます。 また、優良客の中でも、毎回の売り込みに 嫌気がさして、去っていく顧客も出てくるで しょう。 このようなことから、顧客数年計がだんだん と減っていくのです。 よく買ってくれる顧客、つまり優良客だけを 大事にするというのは、RFM分析の発想なの です。 ですから、RFM分析の多用は、その弊害が でてきますので注意が必要なのです。 この辺を考えながらRFM分析を活用して くださいね。 では、またお会いしましょう。 【ご質問をお寄せください】 顧客戦略に関してご質問などございましたら、 こちらにお寄せください。 info@intermedia.co.jp ☆------------------------------------- 成功企業の顧客戦略をお伝えします! ■発行元 株式会社インターメディアコンサルティング 顧客戦略アドバイザー 代表取締役 矢野芳幸 ■Webサイト https://www.intermedia.co.jp/ ■お問い合わせ info@intermedia.co.jp ■登録アドレスの変更はこちら https://www.intermedia.co.jp/kks_melma/ ■メール配信解除はこちら https://www.intermedia.co.jp/kks_melma/ --------------------------------------☆