防災への姿勢が組織のレベルを物語る | 渡邊優子のハッピーワークスタイル

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ワークスタイル・アドバイザー

マナー講師の渡邊優子です http://intermanner.com/


阪神淡路大震災から20年。よく言われることですが、やはりこんな時に防災を見直したいものです。




あの日、早朝の大地震の影響で、大阪では全交通機関がストップしました。

当時、私は大阪市内にある発電所に勤務していたのですが、公共交通機関を使わずに通勤出来る場所に住んでおり、他のスタッフは自宅待機になるだろうと判断したため、連絡係として自主的に出勤しました。

余震が続く中、お昼ごろになって驚くべきことが起きます。
近隣県の小学校の先生から電話があり、今から教員3名で発電所の見学に行っていいか?との問い合わせでした。

衝撃です。

あの日は、関西圏の誰もが経験したことのない強い揺れがあり、神戸では震度計が壊れ、明るくなるとともにテレビに映し出される光景に誰もが目を覆い、ショックのあまり言葉も出ず、知人の安否や現地の事業所の状況もわからないまま、僅か30km先から送られてくるテレビの映像を呆然と眺めていました。

なのに、学校が休みになり、ちょうどよい機会だから1か月後に予定されている児童の社会見学の下見をしたいと、軽いノリでおっしゃるのです。

お客さまのご要望にはできる限りお応えしようと、上司の許可を取ったうえでお受けし、笑顔でご案内しましたが・・・。

基本的にお客さまの悪口は言ったことがないのですが、20年たった今だから申し上げます。先生方、それ非常識極まりない行為です。

そもそも公共交通機関が全てストップしているのに、企業の広報施設が開館しているわけがありません。
それに、緊急事態だから休みになっているのに、学校で待機しなくていいのでしょうか?
高速道路など経路の安全状況は?
大きな余震が来ないと言い切れる?
不急の用で震源地へ近づいていい?
そして電力会社が全力で神戸の停電の復旧をしていて忙しいと、想像できなかったのか?

情報収集、状況判断、リスク管理、危機管理、何もできていではありませんか。

はたしてあの学校に災害時の行動マニュアルはあったのでしょうか?
3人もいらっしゃって誰もやめたほうがよいとおっしゃらなかったのでしょうか?
勤務中に外出するからには、上司の許可を取ると思うのですが、学年主任や教頭は許可を出したのでしょうか?

失礼ながら、あの先生方の教え子が社会に出て30歳になっていると考えると、おぞましいとさえ感じられます。




どんなに小さな組織であっても、大規模災害時にどう動くか、どうぞ普段から周知しておいてください。

電話が通じない時の安否確認方法、身の安全が確保できたら次にやるべきこと、公共交通機関さえ動けば出勤すべきなのか、
持っている設備や在庫でできる社会貢献・・・などなど。

その組織に属する方の非常識な行為が、会社の看板をけがしてしまいませんように。





最後になりましたが阪神淡路大震災でお亡くなりになった6,434名の方々のご冥福をお祈りいたします。