「私を愛したスパイ」は今年が奇しくも制作
から40周年だったが、ロジャー・ムーアの
追悼も兼ねて何か新しい映像を含めた記念盤
のBlu-rayが出るような気がしないでもない。
続いて制作された「ムーンレイカー」は当時
のSFブームを受けて宇宙に飛び出したのだが、
興行成績は悪くはなかったものの、シリーズ
のファンには少々不満の残る内容となった。
それを反省して「ユア・アイズ・オンリー」では
原点回帰を目指し、ユーモアや秘密兵器は
抑えて、ハードでシリアスな内容に徹した。
主題歌のシーナ・イーストンは唯一タイトル・
バックに出演した異例のアーティストだった。
「オクトパシー」では冒頭の小型ジェットの
チェイスが話題になったが、この時点で既に
ロジャー・ムーアは50代半ば、ジェームズ・
ボンド役としては少々厳しくなっていた。
そして製作側にもう一作だけと懇願されて
出演した最終作だが、敵役にクリストファー
・ウォーケンを投入したものの、ロジャー・
ボンドの衰えは隠せず、ここでシリーズも
一旦区切りを迎える事になる。
元々「死ぬのは奴らだ」でボンド・デビュー
した時は既に46歳だったのだが、それまで
二度のオファーがあったものの、他の撮影で
断らざるを得なかったという経緯があった。
原作者のイアン・フレミングはコネリーより
ムーアの方がイメージに合っていたと語って
いたそうだが、続く「黄金銃を持つ男」の
作品の出来は微妙だった。
そこで勝負を掛けた「私を愛したスパイ」で
見事成功を収めるのだが、ロジャー・ボンド
としてはこの作品が最高だったと思うし、
本人も一番お気に入りの作品だったという。