アフレコ前の打ち合わせでルパン役の山田康雄に宮崎
監督が「今回は少し渋めの感じでやって欲しい。」と
要求した所、「ルパンの声は俺が決めてんだ、今さら
ゴチャゴチャ言われたくねぇよ。」と言い返される。
今の宮崎監督では考えられない事だが、怒りを抑えて
とりあえず映像のラッシュを観せたのだった。すると
そのクオリティの高さに驚いた山田は「先程はとても
失礼な事を言いました。何なりと申しつけて下さい。
何百回でもやり直します。」と態度を改めたという。
公開当時は興行的には苦戦したが、その後徐々に評価
が高まり、今でもTV放映される度に高い視聴率を獲得
している。自分もまた何度目かの鑑賞をしているが、
これが30年以上も前の作品とは思えない完成度である。
「こんなルパンは本当のルパンじゃない。」と憤る声
もあるようだが、確かに優し過ぎる感じはある。だが
演出家によってルパンは様々な表情を見せているし、
これはあくまで宮崎監督流のルパン像なのである。