先日、何気なくコンビニのカップ麺売り場を眺めていたら、思わず二度見してしまいました。
そこにあったのが「和歌山ラーメン」。
……え、ここ北海道だけど?(笑)
札幌味噌、旭川醤油、函館塩。
ラーメン王国・北海道のコンビニ棚は、基本的に地元勢が強い。
そこに和歌山。これはなかなか攻めてます。
和歌山ラーメンって、知っている人には有名だけど、
全国的には「名前は聞いたことあるような、ないような」
そんな絶妙なポジションのご当地ラーメンです。
しかも味は豚骨醤油。
派手さはないけれど、コクとバランスで勝負する玄人好み。
正直、万人向けではありません。
それをあえて、北海道のコンビニで売ろうとする。
これはもう、
「大量に売るぞ!」というより
「分かる人、拾ってください」というメッセージに近い。
考えてみれば、北海道の人間は濃い味に慣れています。
味噌文化の土地で、豚骨×醤油が刺さらないわけがない。
冬ならなおさらです。
そう考えると、無謀に見えて実は理にかなっている。
でもやっぱり言いたくなる。
「よくこれ、北海道で通したな(笑)」
カップ麺の棚って、その時代の空気や企画側の本音が出ます。
この和歌山ラーメンは、流行り狙いでも観光向けでもない。
静かに置かれて、静かに消えていくかもしれない一本。
そして最後に、ふとこう思うんです。
和歌山かぁ……。
なんだか、あの人を思い出すなぁー。
80年代のアルバムの中で、間違いなく名作だと思っている一枚がある。
それが Chicago「17」 だ。
デビッド・フォスターとのタッグで完成したこの作品には、
誰が聴いても名曲と分かるバラードが並んでいる。
セールスも評価も申し分なく、まさに“捨て曲なし”の完成度だと思う。
理屈で語るなら、
「Hard Habit to Break」や「You’re the Inspiration」を挙げるのが正解なのだろう。
でも、不思議なもので、
時間が経っても自分の中に残り続けているのは別の曲だった。
一曲は、アルバムの先行シングルにもなった
「Stay the Night」。
派手なブラスが鳴り、夜の匂いがするロックナンバーだ。
あのコミカルなMVは、当時のMTVをかなり意識した造りですが・・・
もう一曲は
「Along Comes a Woman」。
甘さはあるのに、完全なラブバラードには振り切らない、
どこか都会的で距離感のあるミドルテンポ。
当時は理由なんて考えなかった。
「なんとなく、これが好きだな」
それだけだった。
MVは、映画インディ・ジョーンズをモチーフにした結構な大作になってます。
Chicago「17」に収められたバラード群は、確かに完璧だ。
感情をまっすぐに代弁し、聴く者を迷わせない。
でも同時に、それは“完成された正解”でもあった気がする。
一方で、この2曲は少し違う。
感情を押し付けてこない。
答えを提示しない。
ただ、人の弱さや割り切れなさ、
都会の夜に漂う曖昧な空気を、そのまま音にして置いていく。
だからなのかもしれない。
歳を重ねるほど、ふとした瞬間に思い出すのはこの2曲だった。
若い頃には気づかなかった余白。
言葉にできない感情。
きれいに整理できないまま続いていく日常。
そういうものを、
Chicago「17」はこの2曲でそっと受け止めてくれていた気がする。
アルバムの主役がバラードであることは分かっている。
でも、自分にとっての主役は、いつも少し脇にいた。
ヒットチャートでもなく、
評価軸でもなく、
ただ「一番長く一緒に生きてきた曲」。
それが
「Stay the Night」 と 「Along Comes a Woman」 だった。
たぶんそれが、
自分にとっての Chicago「17」 というアルバムの本当の姿なんだと思う。




