ビートルズは、60年以上前のバンドなのに、いまだに「新作」が出続けています。
リマスター、アニバーサリー盤、ライブ音源、BBC音源、未発表デモ…。
なぜこんなに途切れず商品化できるのか?



理由はとてもシンプルで、

ビートルズは、録音が残っている限りすべてが“新しい作品”として扱われ、
そこから70年の権利が再スタートするからです。

スタジオ録音だけでなく、

ライブ録音

ラジオ放送用の音源

テレビ局の録音

セッションの別テイク

作曲途中のデモ音源


これらが全部“別作品”として成立します。

つまり、昔の録音を発掘して公開するだけで、
新たな価値が生まれ、権利も延命される仕組みになっています。

さらにビートルズは録音の量が尋常じゃなく、
音質が悪くてもファンがきちんと価値を見出すため、
発売するたびに必ず需要があるという、世界でも唯一の存在。



その結果、
“ビートルズの音源=永遠に商品化できる資産”
という状態になっているわけです。

ビートルズが何十年経っても色あせないのは、
音楽の魅力はもちろん、
録音物としての“強さ”が群を抜いているからなんですね。
そして全てがビジネスとなるビートルズ!
世界中で数しれない海賊版があるのもビートルズです。





久しぶりにこのアルバムに針を落としました。
リリースからすでに40年以上——それでも、まるで昨日録音されたように瑞々しく響く名盤です。
全10曲、いわゆる“捨て曲なし”とはまさにこのこと。どの曲からもビリーの音楽への愛と遊び心が伝わってきます。
 
 
前作『The Nylon Curtain』が社会問題や人間の内面を鋭く描いたシリアスな傑作だったのに対して、
この『An Innocent Man』ではガラッとトーンが変わり、青春の甘酸っぱさや恋のときめきがあふれています。
ドゥーワップ、R&B、ソウル、モータウンなど、彼が少年時代に夢中で聴いた音楽たちへのオマージュ。
そのどれもが、当時の空気を現代的なポップセンスで再構築した“懐かしくも新しい”サウンドに仕上がっています。
 
アルバムの1stシングル「Tell Her About It(あの娘にアタック)」は、
まさにエルヴィス・プレスリーやモータウン的なブラス・アレンジを思わせる、軽快で華やかなR&Bナンバー。
 
 
そして2ndシングル「Uptown Girl」は、フォー・シーズンズのような明るいドゥーワップの香り漂う名曲。
さらに3rdシングルとしてリリースされたタイトル曲「An Innocent Man」は、
50年代バラードのオマージュで、甘く切ない旋律が心を包み込みます。
この3曲だけでも、ビリーの音楽的ルーツが見事に凝縮されているのがわかります。
 
「The Longest Time」や「Leave a Tender Moment Alone」など、
温かく包み込むようなメロディが心に残ります。
この頃のビリーは、まるで音楽少年に戻ったように自由で、楽しそうに歌っている。
それがそのまま、80年代という時代の明るさとリンクしているようにも感じます。
 
アルバムをさらに掘り下げていくと、その音楽的背景の豊かさに驚かされます。
オープニングの「Easy Money」は勢いに満ちたロックンロールで、まるで幕が上がる瞬間の高揚感。
そしてタイトル曲「An Innocent Man」では、ドゥーワップの甘いハーモニーと伸びやかなボーカルが印象的で、
ビリーの中に眠っていた“ロカビリー少年の魂”が一気に目を覚ましたようです。
軽やかなリズムと伸びやかなボーカルが、聴く者を一瞬であの時代へと連れ戻します。
 
さらに特筆すべきは「This Night」。
ベートーヴェンの“悲愴ソナタ”をモチーフにしたメロディを、驚くほど自然にポップソングへと昇華。
クラシックの重厚さをまったく感じさせず、恋に落ちた夜の甘いムードをそのまま音にしたようなロマンチックな名曲。
こうした“音楽の教養と遊び心の融合”こそ、彼の真骨頂と言えるでしょう。
 
 
アルバム終盤の「Keeping the Faith」に至るまで、
どの曲も1950〜60年代の音楽への愛に満ちていて、まるでひとつの映画を観ているよう。
それでいて、単なる懐古ではなく“今を生きるポップス”として完成しているのがこのアルバムの凄みです。
 
当時のビルボードチャートには、マイケル・ジャクソン、プリンス、ポリス、ヴァン・ヘイレンなど、
モンスター級のアルバムが並んでいました。
そんな中でも『An Innocent Man』は派手さではなく、純粋な音楽の喜びで勝負していた。
それが時を超えて愛される理由なのかもしれません。
 
中学生から高校生へと成長していたあの頃、
レコード屋で限られたお小遣いを握りしめながら、どのアルバムを買うか何時間も迷った——
その棚の中に、この『An Innocent Man』がありました。
あの頃のざわめき、レコードを袋から取り出す緊張感、そして針が落ちる瞬間の高揚感。
 
今、改めてその音を鳴らすと、あの時代の街の風とともに、
青春の匂いまでもがスピーカーから溢れ出してくるようです。
 

 
やっぱりこれは、今鳴らしたい名盤の一枚です。

🎵 “偽りの笑顔”ではなく、“音楽の誇り”としての笑顔

 
YouTubeでプラターズの「The Great Pretender」を観た。  
モノクロ映像で、かなり昔のライブらしい。音は驚くほどクリアで、映像に後から音を当てたのかもしれない。  
白人ばかりの観客の前で、プラターズのメンバーが終始笑顔で歌っている。  
そして演奏が終わると、割れんばかりの拍手が響いた。
 

 
その光景を観ながら、映画『グリーン・ブック』が頭をよぎった。  
あの時代、黒人アーティストたちはいくら成功しても、人種の壁に苦しめられていた。  
ホテルでは物置のような部屋をあてがわれ、レストランでの食事を拒否されることもあったという。  
もしかして、プラターズの彼らも同じような理不尽に直面していたのだろうか?
 
 
白人の観客から大きな拍手を浴びながらも、  
その舞台の裏には見えない差別が存在していたのではないか——。  
そう思うと、「The Great Pretender(偽りの恋)」というタイトルが  
まるで別の意味を帯びて聴こえてくる。
 
あの映像で見せるプラターズのメンバーの笑顔は、  
きっと「偽り」ではなく、**音楽が唯一自由になれる瞬間の笑顔**だったのだと思います。
 
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🌹 “偽りの笑顔”ではなく、“音楽の誇り”としての笑顔(詩的解釈)
 
プラターズのステージ映像を見ていると、  
白人の観客を前に微笑みながら歌う彼らの姿に、  
どうしても胸が締めつけられる瞬間があります。
 
あの笑顔は本当に心からのものだったのか?  
それとも、社会に合わせた“仮面の笑顔”だったのか?
 
 
でも、私は信じたい。  
彼らの笑顔は、偽りではなく、**音楽の誇り**だったと。
 
どんな時代でも、  
人種や偏見の壁を越えて、  
自分たちの歌が人々の心を動かしているという“確信”が、  
彼らを笑顔にしていたのだと思います。  
 
そして、**音楽の力が白人と黒人の垣根を消し去った瞬間、  
あの笑顔と拍手が生まれたのだと信じたい。**
 
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🕊️ フレディが時を超えて歌った意味
 
そして、その約30年後にフレディ・マーキュリーが  
「The Great Pretender」をカバーしたこと。  
あれは、単なる名曲の再演ではなく、  
まるで“時代への返答”のようにも感じます。
 
フレディ自身も、民族的背景、性的マイノリティ、孤独といった  
いくつもの「見えない壁」を背負って生きたアーティストでした。  
だからこそ彼がこの曲を選んだのは、  
プラターズへのリスペクトと同時に、  
**「人は誰もが何かを隠して生きている」**という  
普遍的なメッセージを未来に伝えるためだったのではないでしょうか。
 
彼のあの艶やかなパフォーマンスには、  
“Pretender(偽り者)”という言葉を、  
**「強く生きるための仮面」**として肯定するような温かさがありました。  
 
そして、時を経て——  
フレディがこの曲をカバーしたのは、  
そんな時代への静かなメッセージだったのかもしれません。
 
 
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🌍 音楽が時代を超える瞬間
 
1950年代のアメリカと、1980年代のロンドン。  
背景も、文化も、社会も全く違うけれど、  
「The Great Pretender」はそのすべてを超えて生き続けた。  
 
それは、音楽が時代を超えて人間の本質に触れる力を持っている証拠です。  
 
だからこそ、あの映像の笑顔は——  
きっと今も、“本物”のまま輝いている。