鳥の言葉を聴くー京都へー12
 

私が京都へ行ったのはちょうど今頃の季節で、8月の下旬でした。私が24歳の時です。
 

「ミャンマー日記」のなかでも触れましたが、ヴィパッサナー瞑想は、紀元前5世紀にブッダ自身が実践されていたと言われ、今日でも上座部仏教の国々に受け継がれている瞑想法です。
 

瞑想法そのものについては後で述べるとして、京都に瞑想センターを構える日本ヴィパッサナー協会は、ミャンマー出身のS・N・ゴエンカ氏が興した組織の日本支部にあたります。
 

現在では、協会の瞑想センターは京都だけでなく千葉にもありますが、2005年には京都にしかありませんでした。瞑想コースは実質11泊12日で、すべてセンターの敷地内で行われ、その間の外出は禁止されます。
 

興味を持たれた方は協会のHPを確認していただければと思いますが、日本ヴィパッサナー協会は営利目的で活動しているわけではなく、その思想になんら危険な傾向はないことは一応強調しておきます。
 

ちなみに、私はこの2005年をはじめ、2006年、2007年、2008年、と計4回コースに参加しているので、トータルで40日間瞑想したことになります。
 

コースが始まる当日の朝、東京から夜行バスで京都にたどり着いた私は、JR嵯峨野線で園部駅へ向かいました。
 

この園部周辺もそうとうな田舎ですが、目的地はそこからさらにバスで1時間以上かかる船井郡の桧山です。
 

桧山になると、こういう場合でもないかぎりまず絶対に訪れることのない僻村といったおもむきで、桧山のバス停にはすでにコースの参加者らしい、いわくありげな人々がたむろしていました。
 

今現在の様子は私にもわかりませんが、過去4回参加してみた総体的な内訳としては、コースの参加者はだいたい2:3で女性の方が多い。参加者は男女あわせて70人から80人くらいです。
 

女性はやはりヨーガの経験者とかバックパッカー、スピリチュアル関係の中年の女性などです。
 

男性はこれと違って、どちらかと言うと社会からドロップアウトしてきたタイプが多くて、精神世界に興味があって参加したという人は意外に少なく、半分くらいでしょう。
 

むしろ、生活の行き詰まりや病気といった、具体的な悩みを抱えてここに来たという人が男性には目立ちます。面白いのは、どうしても禁煙したくて、という理由でやってきたという人が毎回いることです。
 

年齢層もまちまちで、すでに定年退職している年輩の人もいるし、少なからず学生もいます。全体の年齢を平均すれば30代半ばくらいでしょうか。
 

もちろん、こうした詳細はあとになってわかったことで、だだっ広い田舎の停留所で彼らが所在なげにうろうろしている様子は、夜行バスでの移動の疲れでぼんやりしていた私にはただ異様な光景にしか見えず、とにかく気が滅入ったのを覚えています。
 

(続く)
 

スリランカ。ダンブッラの石窟寺院。