鳥の言葉を聴くー瞑想センターー13
 

停留所でしばらく待っているとセンターから迎えのワゴン車が来て、参加者が順番に乗り込んでいく。コースは10日間という長丁場なので、大荷物を抱えている参加者もいます。
 

桧山のバス停を出て10分くらい走った、山裾のわずかに傾斜のある広い土地に瞑想センターはあります。
 

センターの敷地内には主に3つの建物があり、入り口の脇の小さなロッジにはコースを指導するアシスタントティーチャーが滞在しており、中央は事務所兼食堂、そして一番奥が瞑想ホールのある本館です。
 

本館は、ここへ来る前に私がイメージしていた剣道場のようなタイプとは違い、アメリカのスキー場で見られるようなモダンな木造の建物でした。また、この本館をふくめ敷地内全体がよく手入れされており、いたって清潔でした。
 

参加者は男女別に分けられ、コース中は男性はこの本館の右翼、女性は左翼の各部屋に宿泊することになります。全員が集まり瞑想するホールはこの本館の二階中央にあります。
 

ほかに、本館の両翼に附属する形で、男女別のシャワー室と洗面所とトイレが一緒になった水場もあり、コース中に衣類を洗濯する人はここでします。
 

本館の裏手はかなり広い庭になっており、これも男女を区別するため中央に細い人工の川が走っていますが、花木も植えられ快適な雰囲気を醸しだしていました。
 

しかし、瞑想センターのこの穏やかな雰囲気はセンター自体の性質にもよりますが、参加者にちょっとした驚きを与えるのはその周囲の環境です。
 

センターは町から離れた山裾にあり、敷地内からは人家などは見えず、私たちが走ってきた道路も途中から山道になって、めったに車も通らない。
 

なにより、東京から来た私が目のさめるような思いをしたのは、そこに流れている空気の爽やかさでした。夏場の山から流れてくるわずかに湿った、渋い緑の匂いを含んだ微風は、ほとんど病人だった当時の私の神経を優しく刺激しました。
 

センターに着くとまず、中央の事務所兼食堂で受付を済ませます。この受付で、参加者はスタッフ側に衣類と洗面用具以外の持ち物を預けなくてはいけません。
 

これは本やCDプレーヤーだけでなく、財布や携帯のような貴重品、筆記用具や手帳なども含めてすべてです。
 

筆記用具や手帳もいけない、というのは、瞑想中には余計な想念を起こさせる物品を手元に置くことは厳禁されており、文字もそれに当たるからです。
 

したがって、センターの敷地内にTVや新聞はありませんし、絵画や書が飾ってある場所もない。参加者ができるだけ「プレーン」な状態を保っておけるように注意が払われています。
 

(続く)
 

スリランカ。ふたたびポロンナルワ遺跡。