規則性 その19(筑波大学附属駒場中 2008) | 中学受験入試標準問題集 今日の1問

中学受験入試標準問題集 今日の1問

標準的な中学入試問題の解法について取り扱います

規則性、とは書きましたが、ちょっと違う感じです。

 

問題

何枚かのコインが入っている箱があります。この箱に魔法をかけるたびに,箱の中のコインの枚数が次のように増えます。

魔法Aをかけると,コインの枚数が2倍になります。

魔法Bをかけると,コインの枚数が3枚増えます。

たとえば,箱の中に5枚のコインが入っているときに,魔法をA,A,Bの順に3回かけると,箱の中のコインは23枚になります。

5枚→A→10枚→A→20枚→B→23枚

はじめに,箱の中にコインが1枚だけ入っています。この箱に魔法を何回かかけるとき,次の問いに答えなさい。

⑴ 魔法を5回かけると,箱の中のコインの枚数は何枚になりますか。考えられるもののうち,最も多い枚数と少ない枚数を答えなさい。

⑵ 魔法をかけることによって,箱の中のコインの枚数を何枚にできますか。できる枚数のうち,2以上で10以下の数をすべて書きなさい。

⑶ 魔法をどのようにかけてもできないコインの枚数のうち,2以上で2008以下の数は,全部で何個ありますか。

 

 

解説

魔法Aはもとの枚数が4枚以上のときに、魔法Bより増やすことができます。

そうすると、最も少なくするには、4枚目以上のときはBとする必要があり、このとき、AABBBとかけて13枚となるのが最小とわかります。最も多くするには3枚目以下はBとする必要があり、BAAAAとかけて64枚となるのが最大とわかります。

⑴ 最小 13枚 最大 64枚

まず、Aをかけることで2を作ることができます。その次はAで4、Bで5になります。

一方で、Bをかけると次は4になるので、3を作ることはできないことがわかります。

4の次にAをかけると8、Bをかけると7になります。

5の次にAをかけると10、Bをかけると8になります。

すなわち、6はつくれないことがわかります。

7の次にAをかけると14、Bをかけると10、8の次にAをかけると16、Bをかけると11より、9も作れないことがわかります。

よって、求める答えは2、4、5、7、8、10です。

⑵ 2枚 4枚 5枚 7枚 8枚 10枚

魔法Bに注目します。

魔法Bは差を3枚ずつにするので、魔法Bでは元の数次第で、3の倍数、3の倍数+1、3の倍数+2を作ることになります。⑵より、3を作ることができないため、3の倍数はつくれないことがわかります。一方で4をもとに3の倍数+1、5をもとに3の倍数+2を作ることはできます。

よって、ここでは2以上2008以下の3の倍数を求めることになりますので、2008÷3=669個とわかります。

⑶ 669個