簡単に、今年の中学入試について書いてみます。
今年はコロナの影響もあり、全体として安全志向が強まったように感じました。
Sは生徒数が昨年度より少し増えましたが、難関校は横ばいで、これはおそらく設置クラス数の増減に至らなかったことと、今年の安全志向によるものと思われます。
WはY系の中では躍進しました。これはいちはやくコロナ対応をすすめたことと、後期の名物講座をオンライン受講できたことが影響したように思います。
NとYは全盛期に比べると、難関校の実績が落ち込んでいます。教材を見る限りの印象ですが、難関校にチャレンジできる生徒を育てられる環境よりは、中堅から上位層に手厚く指導する体制を目指しつつあるように感じました。
G 2つはさすがです。この2つにE、W傘下のSはSよりも難関校に強さを発揮しつつあるように感じます。
Sの難問も含めた徹底反復演習に対して、これらのグループは規模の小ささを活かした思考力の形成に努めることで、難関校に立ち向かっていますが、やり方としては、Sよりも可能性を感じます。
今後、中学受験は、難関校は思考力をより深く問い、上位校以下は知識や演習量が問われる、同じ受験といえども、中身は違うものに分化していくように思われます。
筑駒、御三家の難関校戦線は量のS、Wに対して、G、G、E、W傘下Sが質で対抗していく展開が続きそうです。大きさや運営方式から思考力重視には舵が切れないS、Wは、そのうちG以下のグループに押し切られるかも知れません。
上位から中堅、大学附属校はS、W、N、Yのシェア争いが過熱しそうですが、おそらくアタマは現代の中学受験の激しさに応じたシステムを築きつつあるS、Wがとり、残りはN、Yが拾う展開になっていくと思います。
ただ、所属する塾がどこであれ、志望校に向けた努力は結局自分ですることになります。乗る車に違いはあれど、その車の特性と相談しつつ、自分のゴールを目指していくべきことに変わりはありません。
最近、Sの小1が軒並み満席で、みたいな話がありますが、みなさんSの校舎近隣徒歩圏内にお住まいというわけでもないのに、なかなか異な話です。保護者一般が小1の我が子に抱くであろう高い望みと、現在の塾事情を考えればこれはおかしな話で、ブランドみたいなものに縋り付く市場の考えの無さが透けて見えます。
周りの噂や風評に惑わされず、自分の考えと客観的な視点で塾を選ぶことが必要です。