雑感⑥(東大を目指せる環境) | 中学受験入試標準問題集 今日の1問

中学受験入試標準問題集 今日の1問

標準的な中学入試問題の解法について取り扱います

今年も東大合格者ランキングが発表されました。


志望校選びで重視される項目だけに、我々も注目しています。


私の母校もトップ10には入っていますので、ランキング上位の中高一貫校の生徒がなぜ、東大に受かるのか、業界からの視点、内部の生徒からの視点の双方で説明したいと思います。


まず、前提として、東大入試は、各科目において、クセの弱い王道の入試です。ですので、学力がそのまま反映される試験ということができます。

つまり、東大合格者ランキングはそのまま在籍生の学力ランキングともいえます。


一般的に言われるのは、私立中高一貫校は先取りしているから大学受験期に受験勉強の時間が取れると言われます。まあ、これは真実です。指導要領からおよそ1から2年先に進んでるのが私立中高一貫校の授業です。

しかし、これが先取りなのかといえば、内部で学んでいる生徒たちは進度の相対的な速さは知りつつも、あまり先取りとは感じていません。

むしろ、勉強に慣れた子どもたちにとって、理解するのに適したスピードなのです。ですので、かえってストレスなく勉強を進められる結果、のびのびと勉強に打ち込んでいます。


次に、目安です。

毎年100人東大に行く学校であれば、上位100位にいれば、挑戦できるという自信を持って勉強ができます。

若者の成長の起爆剤は自信です。自信がつく、勉強してより伸びる、さらに自信がつくという正のスパイラルが定着すれば、怖いものなしです。


最後に意識です。

東大に行くという気持ちを、東大合格者が多数いる学校では、周囲が真摯な選択として受け止めてくれます。ドン・キホーテにならないで済むため、東大に行きたい生徒は、素直に東大を目指して頑張れますので、隠しつつ悩みつつ気持ちを固めていく、という時間と気持ちのロスがありません。


逆に、こうした環境なしに東大に合格した地方公立校出身者の優秀さ、人間性の豊かさには大変驚かされます。この人たちこそ、真のエリートなんだろうなと会うたびに感じさせられます。


さて、簡単に書きましたが、こうした環境が私立中高一貫校の東大入試の強さの根源です。

学校のなかで東大対策の特別授業をやっているわけでも、何か特別な塾に通う層が多いわけでもなく、帆船が風を受けて走るように東大を目指していけるのです。


地方だからこうした学校は難しいと考えられる方もいらっしゃいますが、5位の西大和、18位のラ・サール、35位の愛光、38位の海陽中等は寮があります。簡単ではありませんが、オンラインの指導という方法もありますので、ぜひ考えてみてください。

私自身、北関東某県で中学受験指導をしたことがあり、実際に都区内の私立中合格を見てきました。適切な指導があれば、住所関係なく受験は戦えます。