本日は、メディアリテラシーに関する問題を扱います。
多様なメディアが氾濫する昨今、そうした多様なメディアから情報を正しく読み取る、ということはこれからの時代を生き抜くにあたり、必要な技能といえます。また、学校の役割が、生徒に一方的に情報を流し込むことから、多様な情報を与えて考えさせるものに変化してきていることを感じさせる問題です。受験社会も暗記だけにはとどまらない時代を迎えているのかもしれません。
問題
次の[資料1]・[資料2]は、ある条例の制定に関する住民投票の投開票結果についての架空の新聞記事の見出しです。[資料1]・[資料2]のふたつを見た人は、[資料1]だけ見た人と比べ、どのようなことを読み取れますか。文章で説明しなさい。
[資料1]
○○条例制定「反対」75%
[資料2]
投票率24% 広がり欠く
解説
住民投票とは、簡単に言うと、法律や条例の制定などに関して、憲法、もしくは住民からの直接請求により行われるもので、投票により、その議題に関する対象地域の有権者の意思を確認するものになります。
まず、[資料1]からは、○○条例の制定に関して、反対が大多数である、との印象を受けます。
次に、[資料2]からは、その住民投票に参加した有権者が少なかったとの印象を受けます。
このふたつを総合したとき、その条例制定に反対したのは、有権者のうち0.24×0.75×100=18%に過ぎません。
そうすると、○○条例につき、制定反対の人は、住民投票では多数を占めたものの、有権者の中では多数派とは言い難いことが分かります。
解答例(学校発表)
投票率を考慮すると、反対する人が多数とはいえないということ。
※同意内容可
ただし、問題への関心が薄かった、投票した人の中では反対が多数派を占めた、などの解答は、一方の資料から読み取ることができるので不可です。