前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
研修から戻った承太郎と部下の前田は
人事部の倉持の所へ講義を受けに
やってきました。
第151話:損益計算書に入力する勘定科目
倉持はモデル予算の1月売上を使って
PL表で予算を実際に組んでみる様に
全員に指示しました。
①経費の入力
お店のモデル資料通りに
掛った費用を経費の欄に
入力します。
②人件費
人件費の設定数値は25%以内
③原価率の設定
原価率は30%以内に設定
あらかじめ月ごとに掛る事が
解っている費用は資料で渡され、
人件費と原価率は計算して
算出する事になります。
続いて倉持は
損益計算書に入力する勘定科目と
入力例について解説していきます。
【PL勘定科目】
【予算】
【売上高】
いくら売るかの金額
PLが月間なら1カ月の売上
【前年対比】
【前月対比】
前月や前年の実績金額を入力
実績等を割合で比較する為に
入力します。
【期首たな卸高】
原価率計算用に使用します。
前月の月末時点での商品原価額で
残っている在庫がこれに当たります。
【商品仕入高】
今月仕入れに使うお金です。
予算で決めた売上を売る為に
材料費をいくら使うかを入力します。
【期末たな卸高】
今月の月末自店で在庫がいくらの
金額分残るのかと言う金額です。
※予算の時点では期末たな卸高や
商品仕入高は計算せずに
%で決めた予定金額を入力します。
【当期売上原価】
%で決めた予定金額
【売上総利益】
売上から原価を引いたものを入力
【給与】
予定の社員人件費を入力
【アルバイト給与】
アルバイト給与分を入力
【雑給】
残業費など
【通勤費】
一般交通費
【福利厚生費】
福利厚生に関わる費用で
会社の規定による
【人件費合計】
人件費を合計する
【旅費交通費】
人件費に含めない出張費や
研修等の必要経費
【広告宣伝費】
広告出稿費用などの購入費用
【販売促進費】
売上を伸ばす為の行動に掛るお金
【修繕費/衛生検査費】
備品や機材など修繕や予備に
確保する金額
【消耗品費】
メモ帳やペンなど使えば消耗する
お店の営業に必要なもの
【通信費】
電話やインターネットなどの
基本料や通話料の経費
【水道光熱費】
水道光熱費で水道・電気・ガス等
全て分別して計上する場合と
2か月に1度の徴収などの
地域によって違う場合があるので
年間でまとめて1カ月毎に
振り分けて計上する場合もある。
【支払報酬】
報酬が発生する場合のお金
モニターなどこれに含む場合も有
【支払手数料】
利用に手数料が発生するもの
クレジットや両替など
【租税公課】
切手や印紙代
【諸会費】
地域の町内会費など
【新聞図書費】
新聞代など
【採用教育費】
採用に掛ける費用や新人教育で
通常より余計にかかる費用
【雑費】
ゴミ処理代などが一般的
【変動費合計】
変動するお金の合計を計算
【地代家賃】
家賃や契約駐車場など
【リース料】
リース料
【ロイヤリティ】
チェーン店などの場合本部に
支払う金額
【減価償却費】
物件購入や修繕の分割費用など
【固定費計】
毎月固定でかかる金額の合計
【販売費及び一般管理費合計】
販売管理費の合計
【営業利益(損失)】
売上から全ての経費を引いて
利益が出るか損失が出るかを計算
【客数】
総客数
【客単価】
売上を客数で割る
【アルバイト労働時間】
アルバイトの労働時間合計
【社員労働時間】
社員の労働時間合計
【人時売上】
1時間に1人がいくらの売り上げを
上げているかの指数
【平均時給】
アルバイトの平均時給
倉持の指示により講義参加者は
グループでPL表での1月予算を
作成しました。
倉持
「それでは完成したPL表を
検証していきましょう」
そう言うと倉持は代表で一つの
グループのPL表を例にして
説明を始めました。
つづく
前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
研修から戻った承太郎と部下の前田は
人事部の倉持の所へ講義を受けに
やってきました。
第150話:自動計算される季節指数計算表
倉持はここまで収益の構造について
講義を行い季節や環境で変化する
売上を予測して予算を立てると
説明していました。
倉持
「それでは全員で実際にこの
季節指数を使ってPL表を作成して
予算を計算してみましょう。」
そう言うと倉持は配布したPL表に
自動計算される季節指数計算表を
加えて講義参加者に渡しました。
損益計算書に入力する
勘定科目と入力例を
説明していきました。
つづく
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
研修から戻った承太郎と部下の前田は
人事部の倉持の所へ講義を受けに
やってきました。
第150話:自動計算される季節指数計算表
倉持はここまで収益の構造について
講義を行い季節や環境で変化する
売上を予測して予算を立てると
説明していました。
倉持
「それでは全員で実際にこの
季節指数を使ってPL表を作成して
予算を計算してみましょう。」
そう言うと倉持は配布したPL表に
自動計算される季節指数計算表を
加えて講義参加者に渡しました。
倉持
「ではまずシートの季節指数欄を
選択してください。」
「次に空欄へ過去の月ごとの
売上をそれぞれ入力します
3年分無い場合は予想や
リサーチした競合店のデータでも
かまいません」
「全て入力するとこの様に
数値が反映されます」
「この欄で季節指数が
自動で算出されます」
「この欄では各月の売上傾向が
矢印の表示で解ります」
「この欄でベール売り上げが
自動算出され表示されます」
「この欄に自分で目標予算を
決めて入力します」
「一番右の欄にあなたが
計画する目標予算を売る為の
各月で売らなければならない
売上金額が季節指数を
反映させて抽出されます」
「このモデル予算通りに売れば
あなたが立てた目標売上が
年間で達成されると言う訳です」
前田
「ナルホド、年間予算を決めて
12か月で季節指数を反映させて
割って、
それから毎月の予算を
決めて行くんですね」
倉持
「では次にこのモデル予算の
1月売上を使ってPL表で
予算を組んでみましょう」
損益計算書に入力する
勘定科目と入力例を
説明していきました。
つづく
前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
研修から戻った承太郎と部下の前田は
人事部の倉持の所へ講義を受けに
やってきました。
第149話:繁忙期変動計算の季節指数
売上予算の組み方はそれぞれの会社で
個別に違うと思いますが、
まず年間計画として売上予算を計画し
その予算を分割して月間売り上げに
落とし込んで作成していきます。
年間で2000万売る計画
↓
月間で167万
↓
日商5万6千円
という計算が出来るように
分割して細分化する計画なのですが
1年という長い期間だと売上が
常に一定という事はありません。
当然10万円売上が上がる日もあれば
3万円しか売上が無い日もあります。
週末、祝祭日、イベント日、ボーナス日、
年末年始など時期や季節によって
様々な要因で変動がある事が
予想できると思います。
例えば、海に近いコンビニで
毎年夏に海水浴客がにぎわい、
弁当やおにぎり、海水浴グッズが売れて
売上が冬の2倍になるのは
地域や環境によって変化する要因が
強い為です。
この様な変動も含めて表したものを
季節指数と言います。
これはなぜ必要なのかと言うと
季節指数を指数化して予算を立てる事で
目標予算と実際の売上とのブレを
減らす事が目的です。
季節指数は経営では
良く使われると思いますが
算出方法は一番簡単なやり方を利用し
以下のように計算しています。
例えば、
月別平均売上=
各月の売上げを3年分集計
その合計を3で(3年なので)割ります。
1カ月当たり平均売上=
各月の平均売上を合計
12で(1年なので)割ります。
各月平均売上を1カ月平均売上で
割ります。(合計は1200%になります)
年間の予算を12で割り、
季節指数をかけたものが
予測予算となります。
前田
「さっぱり理解できません」
知っている人なら理解できますが、
知らない人は何が何だか
よく解りませんよね?
そう言うと倉持は図で
説明を始めました。
倉持
「それではおさらいとして
表で説明していきます。」
a.売上を3年分各月に記入します。
b.3年合計と3年平均も計算し記入します。
¥31,358,167と言う金額を
12カ月なので12で割ります。
¥2,613,181と言う金額が出ます。
1月の季節指数は、
1月の3年平均の金額
¥21,931,500を月平均ベースで
割ります。
この欄の様に
%表示して表したものが
季節指数になります。
例えば4年目の予算を組む場合、
年間予算を3年目より増やしたいので
¥30,000,000で組むとします。
これを12カ月分に割って
¥2,500,000になりますが、
1月の月間予算を立てる場合、
先ほどの季節指数の1月の欄で出た
112.2%を掛けると
結果は
¥2,805,000になります。
この金額が季節指数を反映させた
月間予算になるのです。
表を見れば解り易いと思いますが、
1月や12月が売れている月で
2月や6月は%の数値が低いと思います。
これを参考にして予算を立てて、
売上の低い時にキャンペーンを行ったり
人件費や経費を抑える事で経費削減や
利益を生み出していく施策を
計画する事が出来るのです。
つまり、
季節指数の%表示が大きい月は
自分のお店の過去の傾向として
忙しい事が解り、
季節指数の%表示が小さい月は
過去にお店が売上を落とした月の
平均値が出ていると言う事です。
以上のように
季節指数が重要と言うよりも
データを分析し予測して
対策を立てると言う事が最も
大事なのだと思います。
また、
お店によっては季節指数が
反映しない店や
環境が大きく変わる店もあります。
そんな時には季節指数はそのままでは
使えませんが
漠然と営業していくのではなく
「売上がこれくらい変化する」
という予測のもと、
アクションを起こして下さい。
例えばTVで取材されたり、
出している商品に流行が来て
爆発的に販売数が伸びたりと、
急な需要が出る場合もあるのです。
「牛ユッケの廃止に伴い一時的に
ユッケ規制前の掛け込み注文が
激増した」
なんて例もあります。
この「一時的な変動要因」は
プラスαとして季節指数に加えます。
季節指数は店長などがお店を
運営するに当たり予算の精度を
高める為にデータを集めて行くという
方法なので
忙しいとか解らないと言って
検証しないのならデータを集めても
意味はありませんし
経費の垂れ流しで運営を続けて
お店の寿命を縮めるだけです。
新装開店でもデータの集め方は
考えれば色々あります。
近隣の3年以上経営を続けている店や
地域や立地、お店の環境や規模が
自分のお店と似ている店を探して
売上予測を立てて
その数値を季節指数に当てはめて
%を計算します。
それを自分のお店の予算作成に利用し
営業を続けながら自分の店の
実際のデータを蓄積して
オープン当初に集めた他のから店の
参考データと入れ替えて行くのです。
ライバル店や似た形態のお店が
より近いデータが取れると思うので
営業モデルで真似したいお店から
リサーチするのが効果的です。
倉持
「それでは全員で実際にこの
季節指数を使ってPL表を作成して
予算を計算してみましょう。」
そう言うと倉持は配布したPL表に
季節指数計算表を加えて
講義参加者に渡しました。
つづく
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
研修から戻った承太郎と部下の前田は
人事部の倉持の所へ講義を受けに
やってきました。
第149話:繁忙期変動計算の季節指数
売上予算の組み方はそれぞれの会社で
個別に違うと思いますが、
まず年間計画として売上予算を計画し
その予算を分割して月間売り上げに
落とし込んで作成していきます。
年間で2000万売る計画
↓
月間で167万
↓
日商5万6千円
という計算が出来るように
分割して細分化する計画なのですが
1年という長い期間だと売上が
常に一定という事はありません。
当然10万円売上が上がる日もあれば
3万円しか売上が無い日もあります。
週末、祝祭日、イベント日、ボーナス日、
年末年始など時期や季節によって
様々な要因で変動がある事が
予想できると思います。
例えば、海に近いコンビニで
毎年夏に海水浴客がにぎわい、
弁当やおにぎり、海水浴グッズが売れて
売上が冬の2倍になるのは
地域や環境によって変化する要因が
強い為です。
この様な変動も含めて表したものを
季節指数と言います。
これはなぜ必要なのかと言うと
季節指数を指数化して予算を立てる事で
目標予算と実際の売上とのブレを
減らす事が目的です。
季節指数は経営では
良く使われると思いますが
算出方法は一番簡単なやり方を利用し
以下のように計算しています。
例えば、
月別平均売上=
各月の売上げを3年分集計
その合計を3で(3年なので)割ります。
1カ月当たり平均売上=
各月の平均売上を合計
12で(1年なので)割ります。
各月平均売上を1カ月平均売上で
割ります。(合計は1200%になります)
年間の予算を12で割り、
季節指数をかけたものが
予測予算となります。
前田
「さっぱり理解できません」
知っている人なら理解できますが、
知らない人は何が何だか
よく解りませんよね?
そう言うと倉持は図で
説明を始めました。
倉持
「それではおさらいとして
表で説明していきます。」
a.売上を3年分各月に記入します。
b.3年合計と3年平均も計算し記入します。
¥31,358,167と言う金額を
12カ月なので12で割ります。
¥2,613,181と言う金額が出ます。
1月の季節指数は、
1月の3年平均の金額
¥21,931,500を月平均ベースで
割ります。
この欄の様に
%表示して表したものが
季節指数になります。
例えば4年目の予算を組む場合、
年間予算を3年目より増やしたいので
¥30,000,000で組むとします。
これを12カ月分に割って
¥2,500,000になりますが、
1月の月間予算を立てる場合、
先ほどの季節指数の1月の欄で出た
112.2%を掛けると
結果は
¥2,805,000になります。
この金額が季節指数を反映させた
月間予算になるのです。
表を見れば解り易いと思いますが、
1月や12月が売れている月で
2月や6月は%の数値が低いと思います。
これを参考にして予算を立てて、
売上の低い時にキャンペーンを行ったり
人件費や経費を抑える事で経費削減や
利益を生み出していく施策を
計画する事が出来るのです。
つまり、
季節指数の%表示が大きい月は
自分のお店の過去の傾向として
忙しい事が解り、
季節指数の%表示が小さい月は
過去にお店が売上を落とした月の
平均値が出ていると言う事です。
以上のように
季節指数が重要と言うよりも
データを分析し予測して
対策を立てると言う事が最も
大事なのだと思います。
また、
お店によっては季節指数が
反映しない店や
環境が大きく変わる店もあります。
そんな時には季節指数はそのままでは
使えませんが
漠然と営業していくのではなく
「売上がこれくらい変化する」
という予測のもと、
アクションを起こして下さい。
例えばTVで取材されたり、
出している商品に流行が来て
爆発的に販売数が伸びたりと、
急な需要が出る場合もあるのです。
「牛ユッケの廃止に伴い一時的に
ユッケ規制前の掛け込み注文が
激増した」
なんて例もあります。
この「一時的な変動要因」は
プラスαとして季節指数に加えます。
季節指数は店長などがお店を
運営するに当たり予算の精度を
高める為にデータを集めて行くという
方法なので
忙しいとか解らないと言って
検証しないのならデータを集めても
意味はありませんし
経費の垂れ流しで運営を続けて
お店の寿命を縮めるだけです。
新装開店でもデータの集め方は
考えれば色々あります。
近隣の3年以上経営を続けている店や
地域や立地、お店の環境や規模が
自分のお店と似ている店を探して
売上予測を立てて
その数値を季節指数に当てはめて
%を計算します。
それを自分のお店の予算作成に利用し
営業を続けながら自分の店の
実際のデータを蓄積して
オープン当初に集めた他のから店の
参考データと入れ替えて行くのです。
ライバル店や似た形態のお店が
より近いデータが取れると思うので
営業モデルで真似したいお店から
リサーチするのが効果的です。
倉持
「それでは全員で実際にこの
季節指数を使ってPL表を作成して
予算を計算してみましょう。」
そう言うと倉持は配布したPL表に
季節指数計算表を加えて
講義参加者に渡しました。
つづく