前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田と前田は会長のツテで新たに
業務提携した飲食店経営の会社に
研修へ来ていました。
第231話:深刻な人手不足
本田達の研修先のお店では
元々、割烹の修行でお店に入店する
若い層の料理人がいますが
昔から先輩の板前が付いて
指導する事はありませんでした。
その為そういう仕事をする様になると
先輩の板前は自分の格が落ちた様に
感じるのだそうです。
本来なら何年も修行して技術を
習得して自分で学ばなければ
ならない立場なのに
手取り足とり教えて貰って
自分達が修行した期間より早く
良い仕事にありつけるというのは
当然面白くありません。
何より技術が甘い経験不足の内に
そのポジションに付ける事は
自分がやってきたプライドが
許さないというものです。
調理技術の世界では当然
そうなってくるでしょうが
会社は短期間に多くの人材を
効率的に育てる事が目的なので
こういった意識の違いが
現場と経営陣との間に
隔たりを生んでいるのでした。
しかし
社会情勢では人手不足が
深刻な状況の中
景気が回復していくと更に
深刻な人手不足が加速すると
言われています。
もともと人員不足の声が多い
外食産業も人の取りあいとなる
サービス合戦が起きていると
ニュースでも報じられています。
例えば大手居酒屋チェーンが
アルバイト一人を確保するのに
禁止していた車通勤を許可し
駐車場を借り入れる経費を
予算に組み込むと言っていました。
そこまで譲歩してまで
人員一人を抱えたいという
表れなのでしょう。
需要があるという事は
利益が生まれるという事なので
そこまでして人を雇っても
おつりがくるはずなのです。
でも資金が無いお店や業体力が
乏しいとそうもいきません。
いまさら労働力を酷使して
お店がブラック化するのも
いただけないでしょう。
そんな中最近は違う路線の
お店も増えてきました。
つづく