第230話:目で盗んで覚えろ | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田と前田は会長のツテで新たに
業務提携した飲食店経営の会社に
研修へ来ていました。


第230話:目で盗んで覚えろ

本田承太郎は研修店舗と自社の
合同会議で店舗内での

「仕事を覚えるまでの工程」
について意見していました。


飲食店で特に和食などは
昔から厳しいイメージがあって

仕事もろくに教えてくれず、
「目で盗んで覚えろ」
なんて言うのが普通でした。

しかし

昔ながらの方法では時間が
掛り過ぎる現実があります。

仕事を覚えるのに3年
持ち場を極めるのに2年
役職が上がるのに10年から
30年と言う様に

比較的長い期間下積み期間が
あるのが今でも同じです。


社会情勢的には少子化や不景気
飲食店の飽和で人手不足に
ゆとり世代の教育困難さや
厳しくした時の離職率の高さに
定職離れなど

飲食店には不利な状況が
年々続いています。


更に

アルバイトに至っても
深刻な人手不足と言え、

「良い人材はアルバイト内には
いないと思え」

と言う様な風潮もあるそうです。


本当に良い人材なら契約して
社員に引き入れるという意味で
言っているのでしょうが

そうなるとアルバイトは
「残り物」とでも言いたいので
しょうか。

本田の意見ではそう言う状況の中
店舗数を増やし人員を増やし
事業を拡大していく為には

教育訓練は不可欠で今までの様な
仕事をしながら本人の努力次第で
仕事スキルを学んでいく手法では

個人差が大きく時間も掛ると
言う事なのです。


そして今回はOJT
(オン・ザ・ジョブトレーニング)の
形式での研修となり

教育係が付いて仕事を効率的に
教えて行く事が課題となりました。


教える側にとっては普段の業務が
自分にはあるのでそちらを
重要視してしまいます。


お客様に影響するので当然ですが
それを踏まえ自らの役割を
分割して部下に役割分担し

任せる事で仕事量を減らして
その分監視や教育の時間を増やす
という方向に切り替えていきます。


これは本田達の会社の方が
得意とする所でした。


しかしこれには
色々と問題が生じて来るのでした。


つづく