第227話:仕入れと目利き | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田と前田は会長のツテで新たに
業務提携した飲食店経営の会社に
研修へ来ていました。


第227話:仕入れと目利き

飲食店の実店舗研修で本田承太郎は
複数経営の割烹料理店の本店に
研修に来ていましたが

前田は郊外支店の経営的にも
業績が悪いお店に来ていました。

この店の店長は保利という45歳の
ベテラン板前でした。

前田も本田同様に教育係に指導を
受けて仕事の流れを確認していきます。

前田の場合はその教育係が
まだ新人で見習いレベルの狭山
受け持つ事になったのでした。

狭山はこの店に入って1年の
新人です。

普通の会社では1年経つと
春には後輩が出来て晴れて先輩と
呼ばれるようになるかも
しれませんが

料理人の世界で1年というと
ハッキリ言って素人と変わらない
見習いもいいところです。

前田が女性という事もあり
舐められている事は当然ですが
このお店の経営状況で余裕が
あるとすれば、

まだ戦力として計算されていない
狭山が一番適任だったとも言えます。



前田はまず狭山と共に仕入れを
行う事になりました。

朝早く市場に出かけて仕入れを
行っていくのですが魚は
板長が「目利き」をするので
下っ端の仕事は野菜や他の
料理で使う食材になります。


「目利き」というのは
食材の鮮度や美味しさを外観で
判別する知識と経験の必要な
スキルです。

その為割烹料理店で大事な魚は
例え料理長であっても自分で
目利きして選別する事が
ほとんどです。


「仕入れ」では野菜や様々な
食材を購入していきますが
当然それにも目利きは必要に
なってきます。

狭山は普段先輩の目利きの
やり方を勉強しながら仕入れを
行っていて

調理長が魚を仕入れに行く時間に
間に合うように自分の仕事を
終わらせて一緒に学びに行く事も
行っていました。

今回狭山は前田と一緒に
仕入れの為に市場に来ていて
その目利きの仕方を少し
教えてくれたのでした。


つづく