第192話:取り皿点数を増やす | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
今回は部下の前田と共にあるお店で
料理のリサーチを行っていました。


第192話:取り皿点数を増やす

本田承太郎と前田は名古屋にある
創作料理のお店の看板メニュー
クリームコロッケのリサーチを
行っていました。

前田は料理長を呼び出して
レシピの説明を詳しく聞く本田が
なぜそんな事を聞くのか
質問しました。

本田
「うちの会社でお店を出した場合
店長や料理長を採用して料理や
メニューを開発して貰う事に
なるよな?」


前田
「そうですね」

「でもその時に知識の無い
人間の意見を聞こうとはあまり
思わないだろう?」

「そうかも知れませんけど
私たちが直ぐに長年修行してきた
料理人の様になれるとは
思えませんけど」

「確かに技術は長年の修行と
知識・経験が必要になるが
携わる以上必要な知識を
持っていないと迂闊に指示も
出来ないだろう?」


「まあそうですね」

「それに味覚や感性を料理人と
はりあう訳じゃあない」


「どう言う事ですか?」

「自分のポジションに合った
知識を身に付ければ良いと
俺は思っているんだよ」


「ポジション?」

「以前知り合った飲食店の
店長から聞いたのだが、

チェーン店などで
店長を管轄するエリアの
マネージャーが料理音痴で
衝突する事が良くあるらしい」



本田の言う事例は
この様な物でした。


フランチャイズチェーン店の
あるお店で調理歴が長い店長が
上司のエリアマネージャーと
対立しています。

理由は、

エリアマネージャーから
お店の生産性を高めろと
指示が出ていて

お客様の
取り皿点数を増やす施策を
行う様に指導がありました。

取り皿点数とは
お客様が1回の食事で注文する
商品の個数
を指しています。

例えば、

ハンバーガーショップなら
セットで580円

商品は
ポテト・チーズバーガー
ドリンク

となっていました。

取り皿点数を増やすと言う事は
追加で何か注文させて客単価を
上げると言う事
になります。


この時お店はどうすれば
商品を追加で買って
貰えるのでしょうか?


ハンバーガーショップなら

「セットにナゲット追加で
50円引き」


「追加ハンバーガー100円」

など割引施策を行ったりすると
普段はセットだけの人も
追加でオーダーが取れる
可能性が上がります。


お客様の平均単価が上がると
お店の売り上げは必然的に
上がる
ので取り組み易い
施策となります。


先ほどのチェーン店の上司も
店長にそのような指示を
出していました。

しかし、

お店は商品数が100種類で
現実的に割引をする事が
出来ませんでした。


そこで上司の指示した対策は、
「1品の商品価格と量を下げて
注文数を増やす」

と言う作戦です。

「今まで300円の商品が
平均5品注文で1人当たりの
お会計が1500円なら、

もう一品欲しいという量に
商品のボリュームを下げて
価格を一皿280円に設定し
6皿注文して貰えば
売上は1人1680円になって

簡単に
売上UP出来るだろう」


上司はこの様に話しています。



しかしこれには
ある問題があったのです。


つづく