前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田達は人事部の倉持部長の
講義を終え倉持の部下の柏木から
人員採用についての話を
聞いていました。
第170話:無料で出来る人材募集対策
倉持の部下柏木は採用計画について
話を進めて行きます。
採用計画と言うと、
ただアルバイト雑誌に投稿すれば
良いと言う物ではありません。
柏木
「前田さん、アルバイトを
採用する方法は雑誌広告以外に
何があるでしょうか?」
前田
「え~と
紹介とかポスターとかでしょうか」
「そうですね。
更に色々考えて出せるだけ
案を出してみて下さい」
「チラシ配りとかティッシュを
駅前で配るとか、
あとインターネット…
スイマセンそれくらいしか
思い浮かびません」
「現実的に考えて今、
前田さんが思いついた募集方法が
お店で思いつくアルバイト募集の
対策となりますよね」
「そうですね」
「冷静に考えると今出した案は
どれも費用が掛りますよね?
ティッシュ配りもインターネットも
人件費や広告費として費用が
掛りますし、
ポスターは自作すれば費用は
抑えられますが業者依頼の場合も
ありますよね」
「無料で出来る人材募集対策って
あるんですか?」
「完全無料というのは口コミや
店内の雰囲気を見て働きたいと
思わせるくらいしかありませんが
費用が抑えられる対策から
普段より継続的に行っておくと
良いかもしれません」
「どんな物があるのでしょう」
「例えば、前田さんも挙げた様に
スタッフから紹介して貰ったり
第三者からの紹介を制度にして
メリットを付加するものが
最近は普及してきていますね」
「メリット?」
「紹介してくれた方に
御礼金を支払って募集する
成功報酬タイプですね」
「そんなのがあるんですね」
「それに、自分で応募した人に
3か月続けば報奨金が出る店や
採用された瞬間にボーナスが出る
お店もあるんですよ」
「へ~スゴイですね!」
柏木が言うように最近の飲食店は
お店は飽和状態なのに人手不足で
企業は困っています。
あの手この手でどうにかして
より良い人員を確保する事を
目指しています。
何故ならば最初の時点で人材の
質が良ければ
コストパフォーマンスに
関わってくるというシビアな
見方をしているからです。
少しでも良い人材が欲しいと
言う事は当たり前ですが
何も考えずにお店にポスターや
バイト雑誌に掲載するだけでは
他の面接に落ちた後に
仕方なく回ってくると言う事に
なって
欲しい人材が揃う事は
かなり確率が低くなります。
企業が取り組む募集事情は
もっと複雑になってきます。
飲食業界は人の入れ替わりも
早い業界なので人員の確保も
各社奪い合いです。
近年は普通に募集して
待つだけでなく攻めた取り組みを
行う企業も出てきているのです。
前田
「どういう取り組みを
行っているんですか?」
柏木
「では、ちょっと脱線しますが
少し紹介しましょう。」
そう言うと柏木は最近の
外食産業(飲食業界)が行う
人員確保の取り組み事例を
話し始めました。
つづく