第166話:飲食店のロス一覧 | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
研修から戻った承太郎と部下の前田は
人事部の倉持の所へ講義を受けに
やってきました。


第166話:飲食店のロス一覧

倉持は全員に飲食店における
ロスの種類について質問しました。

グループ毎に提出された考えられる
飲食店のロスとはこのように
なりました。


・調理ロス(失敗)
・配膳ミス(落下・席のま違い等)
・管理ロス(腐敗・消費期限切れ等)
・試食・試作
・まかない(スタッフの食事支給)
・サービス品
・仕込みロス(提供数との誤差)
・不正(食材盗難・つまみぐい)
・盛りつけ量(分量が基準より多い)


基本的に食材に関わるロスなので
色々なケースが考えられますが
営業上必要なロスも中には
ある事が解ります。


原価率を計算する時に
ロスがどれくらいあるのかを
計算に入れて商品の価格を
考えなくては
利益が少なくなる事も
考えられます。

スタッフがミスをする事は
あり得る事なので想定しなくては
ならないでしょう。

しかし、食材の盗難や
つまみ食いなどの不正、
管理ミスによる食材の廃棄等は
教育や管理で未然に防げる項目と
なります。


食材のロスは飲食店では
意外と多くの費用が掛っていますが
実はそれほど注目されていません。

なぜなら

目に見えない金額で
ちゃんと数値を把握している店長
だけしか解らない数字だからです。

理論原価や実績原価を比較して
問題点を抽出し問題改善施策まで
行って初めて管理していると
言えますので

大雑把に考えて費用を垂れ流しに
消費している店長やオーナーが
実際には多いのが現状です。

問題は手間が掛る事や
専門的な知識、パソコンなどの
特別なスキルを勉強しなくては
ならない事がネックとなります。

ですが仕組みを作ってしまえば
簡単に管理できますし
そう言ったソフトやシステムも
販売されています。

簡単な物で無料で管理できる
帳票も作成できるので
個人経営で小規模のお店等は
費用を掛けずに
管理能力を向上させる事も
可能となります。


現実的に考えて例えてみます。


理論原価と実績原価を把握して
原価率の設定値から売上の
1%の誤差があるとしましょう。

たった1%の誤差と思うかも
知れません。


でも、お店の売上が月間で
800万の売上があるお店なら
どうでしょうか?

1%で7~8万円のロスです。

これはかなり大きな額です。


原価で8万のロスだと
売上で20万以上取れる場合が
あるのでそれだけ損している
と言う事になりますし

8万円分広告を出す事だって
出来たはずですよね。


実際にロスを計算して自分の
お店が損をしているかどうかを
把握する事は売上の
販売促進施策を考える前に
必要な事なのかもしれませんよね。


倉持はそう言うと全員に
ある帳票を紹介します。



つづく