第110話:最悪の事態を想定する事 | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田たちは新事業の為に倉持部長から
講義を受けにやって来ていました。

第110話:最悪の事態を想定する事

本田承太郎と部下の前田は、
倉持部長から窃盗による金銭管理の
リスクマネジメントについて
話を聞いていました。

従業員によるお金の窃盗は一番
危険性が高いと倉持は言います。

そして次に危険性があるのは
お店に出入り出来る従業員以外の
関係者に当たる人間です。

例えば極端な話で考えると、

仕入先の業者の人間が商品を
納品する時にお店に誰もいないという
時間帯があって、

その時にたまたまお金がレジから
落下してたり鍵が付いていたら
盗って帰るかも知れませんよね。

前田
「そんなことあるわけ無い
じゃないですか」


倉持
「これは実際にうちの事業部の
物販の店舗であった話なんだけど、

ある朝、エリアマネージャーが
お店の見回りに行くと

たまたま店長がまだ出勤前で
マスターキーを持っていた
エリアマネージャーがお店に入り
びっくりした事が起きてたのよ」


「何ですか?」

「なんと、
昨日の売上金とレジの釣銭準備金が
商品の陳列台の上に無造作に
置かれたままだったのよ。」


「そんなことあるんですか?」

「後で店長に確認したら仕事で、
あまりにも疲れ過ぎていて

疲労で頭が朦朧としていて
金庫にお金を入れたものだと
勘違いしてそのまま
帰ってしまったらしいのよ」


「それはヤバいですね」

「その時は店長も勤務超過で
過労ぎみだった事から

管理責任は厳重注意で済んだけど
下手をしたら重大な損失に
なる所だったのよ」

「やらしい話、売上は
いくらくらいだったんですか?」


「100万くらいはあった
らしいわね~。

でも他で言わないでね」


「ひえ~」

倉持が説明するように不測の事で
思わぬリスクが発生するかも
しれないと言う事例です。


次に倉持は、
お店に食べに来た客として
来店した人も場合によっては
お金をごまかしたり、
盗んだりするケースも
発生しているそうです。

「食い逃げなら知ってますけど」

前田の言うとおり、
食い逃げも商品としてお金が
掛っているので重大な問題ですが

ある事例では、

お店の防犯カメラには
店員が接客で忙しくしている隙に
レジからお金を抜いて

何食わぬ顔で食事した後、
普通にお客として帰っていく姿が
撮影されていたという
驚きの事例があったそうです。

他にも、

目に付き易い場所に
募金ケースなど設置して金庫に
収納しないお店もあります。

その時に募金ケースを
こじ開けたりしてお金を
抜き取られたという事件もあった
という話です。

募金を盗むなんて非人道的な
行いをしないと思いたいですが
そんな事はありません。

近年の窃盗事件は巧妙化し
物資でも資材でも備品でも
お金になるものは何でも盗まれて
いきます。

「最近では
信じられない様なものも
普通に盗まれる事例が頻発して
起きているのよ」


「どんな物が盗まれるんですか?」

「飲食店では生ビールの樽ごと
盗んでいく窃盗団がいるそうで
倉庫などがあるお店は狙われる
らしいわね」


「窃盗団ですか…」

「もっと珍しいものでは
駐車場の溝のフタなんかも
まとめて全部ぬすまれたという
ニュースもあったわね」


本田
「金属だからお金になると
言う事なんですね」


本田承太郎が言うように最近では
お金に換算できる物は何でも
盗まれるので

防犯意識が薄いと窃盗団に
狙われるかも知れませんので
店主はお店の内側だけで無く

外からも意識をしなければ
ならないと言う事なのです。

お店の管理者と言うのは
「最悪の事態を想定する」事
リスクマネジメントという事を
再確認しなければなりません。


もし、従業員に危害が及ぶ様な
事態が発生したら…


もし、強盗が襲ってきたら…

もし、店内から盗難が
発生したら…




咄嗟の判断と言うものは
「想定している人間」だけが
冷静に対応できるのです。


不測の事態に対応できない
管理職があわててしまって
二次被害が起きる場合も
あるので

管理職ならば
リスクマネジメントは必須の
スキル
という事になるでしょう。


つづく

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