第105話:セクハラ部長の悪質な手法 | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:
本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
本田は友人で同期の片岡に社内の
派閥について話を聞いていました。

第105話:セクハラ部長の悪質な手法

本田承太郎の友人片岡は元部下の
西山が自分を差し置き昇進した件で
小山部長と言う男がある事件を
起こした話を始めました。

小山は元銀行員で以前に金融業界で
働いていた経歴の持ち主で
藤堂物産へは引き抜かれる形で
中途採用されていた人物でした。

仕事の評価は数値に強くそこそこ
評価されてその地位に就いていて、
さらに自分がのし上がる為に
部下たちを昇格させる事で評価を
上げようとしていたのでした。

厳密には結局誰かのポジションが
空かないと自分は昇格できないので
蹴落とす算段はしていたのかも
しれませんが、

その前に自分が足元を
すくわれる形になってしまった
と言う訳です。


その事件とは、
「セクハラ」でした。

自分は出来る上司だと過信し、
今まではまかり通ってきた事が
セクハラとして訴えられる形で
問題が発覚したのでした。

セクハラの内容はこうです。


小山部長が自分の言う事を聞く
部下を集めて昇進させる事は
部下たちの間でも話題になって
いました。

「小山部長の部下になれば
簡単に早く昇進できる」


そんな理由で言う事を聞いて、
取り入ろうとする部下も
利害が一致する為か実際に増えて
きていたのでした。

そんな中新たに配属された
「百田」という女性社員が今回の
被害者でした。

部下たちの間では小山部長は
自分たちを評価して昇格させて
くれる「良い上司」という
表向きの評判も確立されてきて
いたので、

百田も良い上司と噂のある
小山の元へ希望を出して
配属されたクチだったのです。

小山は百田をよく食事に
誘っていました。

小山は当然上司と部下の関係で
食事に付き合います。

そこで気を許した百田に
言い寄って口説こうとするのが
常套手段でした。

飲み会で良くあるのが、
酔った勢いで女性の胸を
触ったとか不意を突いてキスを
したりとか話にでますが

食事や飲み会で楽しく時間を
過ごすと人間だれでも隙が
出来てしまうものです。

言い寄る男も隙が出来る女も
気が緩んでいるのです。

仕事以外の時間では当然かも
知れませんが仕事上の付き合いが
仕事以外でもある場合には、

「仕事に影響するかも」

と言う理由であまり邪見には
出来ないという内情があります。

そのせいで男性上司の誘いを
断れないという女性も出てきて
そこからセクハラへ発展する
ケースもあります。

今回の件でも小山が百田を誘い、
食事をして楽しんだのですが
そこで気を許した百田に食事後
カラオケに行こうと誘い、

気を許した百田に小山は突然
キスをしました。

百田はすぐに嫌がってその日は
帰宅しましたがそれ以降
仕事で小山に今まで行ってきた
重要な仕事を干され始めたのです。

ある日また食事に誘われ、
今度は怖かったので百田が断ると
更に仕事が干されるようになって
悩む様になりました。

それからしばらくして、
「今度は西山と3人で仕事の話でも
しながら食事をしよう」

と誘われました。

3人だし仕事の事を何とかしたいと
思っていた百田は食事に行く事に
しました。

そこでの話は仕事の話や色々な
経験の話をして百田の悩みも
小山部長が解決してくれると
約束してくれて、
百田は安心したのでした。

しかしその事が彼女を窮地に
追いやっていきます。

また、カラオケに行こうと誘われ
百田は嫌な記憶が蘇ったのですが
3人だし大丈夫だろうと思って
ついていきます。

しかし、

ある程度盛り上がった所で
百田がふと気が付くと、
同席していた西山がいつの間にか
いなくなっていました。

そして、また小山部長は百田に
迫ってきたのです。

「西山さんはどこに
行ったんでしょう?」


小山部長にそう言って
はぐらかそうとして聞くと、

「あいつは帰った」

と言われました。


この時百田は
「騙された!」と後悔しましたが
今はそれどころでは
ありませんでした。


ひとまず断って帰る事に
なったのですが部長の車で
移動していたので送られる事に
なっていて、

帰る時に今度はホテルに
誘われたのです。

部長には仕事の事もあるし丁重に
断りますが聞いてくれません。

「仕事で悪い様にしないから」

などと痛い所を付いてきます。


これは完全にセクハラされてる…


そう思った百田もついに
我慢できなくなり車を飛び出して
逃げるように帰りました。

そしてこの後、
百田が人事に訴えた事で
問題が発覚して小山部長が会社を
退職する事になったのでした。


こういうケースの話はよく聞く
話だと思います。

仕事上の付き合いで上手く
断り切れなかったり、
若い社員同士では普通に起こる
恋愛話だったりするので

線引きが難しい所でもあるのです。

そもそも仕事を利用して恋愛で
動く事に問題があるのですが
小山はこれで多くの成功事例を
持っている経験から

訴えられると不利になる事を
甘く見ていた結果
会社を辞める
羽目になったと言う訳です。

女性の方も元は打算的に考えて
小山に近づいて来たのに
そこまでするなんてと言う
批判もありました


セクハラが問題になっている昨今
立場が不利なのは明白でした。


セクハラを受けて医師の診断で
うつの傾向と診断書を持って
会社に訴えるとおおかた
問題は改善しますが

組織と言う体質から今後百田の
社内での立場も扱いも難しくなる
と言うのが今の日本社会です。

それを見た他の女性社員たちが
また干され始めている百田を見て

「ああはなりたく無い」
思ってしまい、

次のセクハラターゲットに
された時に怖くて文句が言えない
という場合もある
のです。

こんな事例は山ほどあると
思いますがまだまだ甘く見ている
油断した人たちがお互いに
痛い目を見る時代は続いて行くと
思われます。

片岡は言いました。

「実は小山部長が退職する時に
話を聞きに行ったんだよ」


その後の話で本田承太郎は
更に驚く事となったのでした。

つづく

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