本田承太郎は藤堂物産で働くサラリーマン。
部下の前田の友人がブラック企業で
悩んでいてプロジェクト進行の
参考となると考えた本田は前田と共に
この問題を調べていました。
第73話:採用募集で給与の不当表示
本田承太郎がブラック企業について
調べていた中でみなし残業による
残業費超過分の未払いが
横行しているのを発見しました。
そもそも、
みなし残業が含まれて募集広告に
載っていること自体疑問があります。
面接に行って初めて基本給が分かる
なんて事もあるようです。
表示されていたのは
基本給ではなく基本給プラス
残業費込みの給与だからです。
本来は雇用者と就労者の間で
折り合いを付けて雇用関係が
成立するのでしょうが
会社も不景気で成果が必要な為、
少しでもいい人材を
安く手に入れる事が出来れば
良いと考えてしまいます。
新卒社員であれば
少々厳しくても頑張るのが
当たり前ですし
頑張る前から権利を主張しても
見向きもされないのが現状です。
まず、求人広告の表示には
基本給・手当・歩合などの
組み合わせや保証が記されて
いるものなのですが
実際に入社してみると
自分のイメージと違った
と言う事は良く聞きます。
その会社によって
設定される金額や条件が
まちまちだからなのです。
例えば、
この企業に
「能力で引き抜かれた人」の
スキルによる手当を含めた
転職時初任給を例に
表示させたり
役員関係者の息子などの
新卒○○年目で
役員に採用された人もいる
若い世代を活かす会社を
アピールしている企業も
あるくらいです。
このように
表示される情報は
応募してくる人材の
期待値を上げる為の
「あくまでも広告」なので
本当の情報からは
盛られているケースも
あるのが現状なのです。
だから、
募集告知で見た情報で
「中途入社20万円保証」
と書かれていても
面接時に聞かなかったので
18万円しか貰えなかった。
という場合が
あるかもしれません。
企業からすれば
募集告知に記載している
条件や金額内容は
あくまでも
採用出来る対象者に
保証されたものであって
必要な資格が無かったり
勤務時間の変更を
希望したりして
認められた場合などに
採用はするけど
告知した募集条件には
合わない人としての
リストに入るのです。
つまり、
入社後に文句を言っても
自分が募集条件に
合っていないという事なので
不当表示には当たらない
可能性があるのです。
この様な事態を
招かない為にも事前に
聞いておく事や面接時に
相談の上納得しておく事が
重要となります。
募集表示が20万円~30万円で
10年以上経験のある職人が
自分は熟練の職人なので
30万は貰えるだろうと思って
入社してみると20万円だった。
という事態も普通に発生します。
注意しなければならないのは
条件に期待する事よりも
面接などでしっかりと確認し
話し合うことなのです。
もちろん採用されてから
条件に合わなければ
辞めてもいいので
複数応募して
本当に自分に合った条件の
会社に気持ちよく入る事が
一番だと思います。
このように
さかのぼって行くと
入社前から判断が難しい
という事が解りました。
本田承太郎は部下の
前田の友人がブラック企業に
入社してしまった経緯と
採用条件や募集告知の
事実関係を調べるように
前田に伝えました。
この件で本田は
さらにブラック企業の
背景を調べていくことに
なるのでした。
つづく
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