第29話:店長の資格。リーダーシップとは | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

前回までのあらすじ:藤堂物産で働く本田承太郎はこの会社で10年働くサラリーマン。
本田承太郎は部下の前田と一緒に飲食店基礎講座を受講し
講師の榊先生が手がけたあるコンビニ店とカラオケ店での
コンサルティング経験のお話を聞いていました。

第29話:店長の資格。リーダーシップとは

飲食店基礎講座の講師榊先生は
カラオケとコンビニのお店が約1年で業績改善を果たした
経験を話していました。

その後、両店の店長にインタビューすると

「飲食店がこんなにも難しいものだとは思わなかった。」
「こんな素晴らしい仕事に出会えてほんとに良かった」

という意見を聞くことが出来ました。

特にコンビニ店長の武田は
サラリーマン時代の営業成績も良く後輩も指導する立場で
充実したスキルや指導力を発揮していただけに
人生観が変ったといいます。

飲食店ならお店の営業は、
最高の商品力を目指したり出来ますが
コンビニではそうもいきません。

それに、明らかにスキルや意識の低いスタッフをマイナスから
プラスの思考へと導くことの難しさを痛感したと言います。

飲食店は芸能人等が豊富な資金で安易に始めて
よく潰れるという話を聞きますが
なにも芸能人だけがお店を潰している訳ではないのです。

ラーメン



比率で言うと遥かに多くのプロ達が
経営に失敗して閉店を余儀なくされているのです。

1997年あたりが外食産業としての
市場規模は最大だったと言われていて
様々な文化の食や、フランチャイズ・営業形態が出てきて
コストダウン、低価格競争など

激化した生き残り競争で敗れていった
お店が毎年何万店あることか解りません。

ある都市では年間5万店が新規オープンして
3年後生き残る店が2万店に満たないそうです。

という事はその都市だけでも
毎年何万件も飲食店のお店が
潰れているという事になります。

思った以上に外食産業全体の厳しさが理解できます。


そこで生まれる人の意識は綺麗事ばかりではありませんでした。


「いくら良い物を提供しようと生き残れなければ意味がない。」


榊先生は、こう言い切ります。

何十年も修行して一流の料理人になった人が
何人もお店を潰している所を見ているし

どんなに優れたホスピタリティ、顧客満足を実現しても
結局お店を潰してしまっている所を
目の当たりしているからこその言葉でした。

個人経営のお店ならば潰れる事は人生が崩壊するのと同じです。


・家族がいれば不幸になるかもしれません。
・借金に協力してくれた人がいれば迷惑をかけてしまいます。
・一度落ちたブランドは回復に数倍の時間がかかります。
・負のバイラルほど拡散の早いものはありません。


そうしない為にコンビニ店長の武田やカラオケ店の川口が
今後どうやって成長していくかにかかっているのです。


そのお店に行くだけで幸せな気持ちになり、
その空間にいるだけで幸福な時間を体感できて、
料理やサービース受けると数倍美味しく
退店後に誰もがもう一度行きたいと感動できる素敵なお店が
日本にはかなりの数あります。


反面、激しい競争・人間関係・利益・悪や不正といった
汚い世界が渦巻く業界でもあります。

これはどの仕事でもある事かもしれませんが
飲食業界は特ににクズが多いというのは
噂だけでは無い事なのかもしれません。


榊先生が言うには
飲食業・外食産業と言うのは
個人で最も取り組み易かった職業の一つで
誰でもすぐに開業出来る時代があったせいだと言います。

今ではネットショップなどがそういう感じになりますよね。


飲食は国が国民の安全や幸福を整備するために
国家資格や規制が厳しくなっていますが
実際の現場の現状はそれだけでは足りません。

コンプライアンスやモラルの低下・人間性の変化などが
今まで通りの生活や営業からは想像できないような
問題や事件も多く世に知られるようになってきています。


榊先生は
「お店の長は店長であり、社長でも上司でもない。」
と言います。

そして、店長に求められるリーダーシップこそが
お店の運命、スタッフの運命、お客様へ大きく影響していくと
本田承太郎に教えてくれたのでした。


ではリーダーシップを必要とする
店長の条件とはどういうものなのでしょうか?


普通に考えると、店長の仕事は

・お金の管理
・バイトの教育
・在庫の把握
・接客
・火元責任
・衛生管理

などが挙げられるでしょうか。


では、店長の資格とはどういうもの言うのでしょう。

アルバイトに信頼される
お客様目線で考えられる
いい商品を提供できる
人望がある
怖い・厳しい
お金の計算ができる
教育ができる


上記以外にもまだあるかもしれませんが
この例は全てオプションであり資格ではありません。


企業ならば店長に任命されるのは
「会社が指名した人間」と言うのが条件であり資格です。

つまり何のスキルがなくても
店長に指名されればそのポジションに付けるのが
店長という資格なんです。


こんなにも不明確なものはありませんよね。


しかし、どの企業も成功し、利益をあげる事が目的なので
なんのスキルもない人間を店長に据えることはあまり無いでしょうね。

もちろん明確な規定の下評価される企業もありますが
それこそ、任命する時の責任ほど重い物はありませんから
そこに付加価値や関係性も含まれて複雑になったりもします。

逆に中小経営や個人では開店したら
オーナーや店長になれるのでちゃんと学んでいないと
始末が悪いのは確かです。


飲食店基礎講座も終了し、
部下の前田と共に自社へ戻った本田承太郎がまず向かったのは
店長の条件、リーダーシップについてよく知る、

ある人物の所でした。

つづく


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