新規プロジェクトに向けて整備を進める本田承太郎はネガティブな部下の前田を
自分のサポートに引き入れ、新たな取り組みを始めるのであった。
第17話:成長を引き寄せる上司の言葉
本田承太郎の部下前田は今回本田によって
その能力を認められ本田のサポートに任命されていた。
今回計画上の見直しを行うことになり、
プレゼンでの内容も完全なものではなくなりそうだが
本田が危惧していたのは飲食店営業のノウハウが無さ過ぎることであった。
その為に引き入れてきた藤森部長も
本田の耳に入らない何か裏で動いているようだが
現在のところプロジェクトに関して動いてくれる様子は無かった。
そして、本田はノウハウを学ぶために今回は
部下の前だと共に再び研修へと出向く事を決めたのでした。
今回は知識を学びに、
飲食店を中心に事業展開している
経営コンサルティングのセミナーに参加する事にしました。
経営コンサルティングとは
一体どんなものなのでしょうか。
セミナーの中では飲食店の基礎理論を学びます。
部下の前田は、なぜセミナーに参加するのか
不思議な顔をしていました。
「前田、自分たちが何を学ばなければならないか目的を持って参加しよう」
「私には何を学べば良いかいろいろありすぎて解りません」
「そうだな、我々に足りないのは何か考えて見たらどうだ?」
「ノウハウがありません」
「それはもちろんだし、細かく言うと?」
「成功する確証のあるデータがないです。」
「それから?」
「業者や人材、マーケティングなどのツテもないです」
「自分たちはどうすれば良い?」
「勉強して・・誰かに聞いて行けば良いですか?」
「つまりは、自分たちがもっと成長する必要があるという事だな」
「そうですね、部署全体で知識がもっと必要ですよね」
「それでは今回のセミナーを受けてみたらどう変わる?」
「皆に教えます」
「どうやって?」
「資料をもとに、説明して・・」
「理解出来る?」
「私には無理なのでお願いします」
「それが答えなんじゃ無いのか?
結局は教える者が成長しないと伝わらない。
勉強ができる人と出来ない人に個人差はあるが
教えてもらえる教師の差で成長度が変わることも多分にあるだろう。
という事は、自分たちが成長しないと今後教えていく部下や現場の店長、
アルバイトまで全てのレベルが自分たちのせいで低いものになるかもしれない。
自分達の教え方で決まるという意識がないといけないな」
「解りました」
「という事は、今回のセミナーではノウハウを学ぶことはもちろん、
伝える方法も学ばなければ意味がないという事になる」
「前田、なぜ俺が前田をサポートに指名したのか解るか?」
「解りません」
「サポートだからといって誰に頼んでも良い訳ではない。
前田だから平嶋係長に無理を言って出してもらったんだ。
お前ならこの仕事を全うできると思ったから。」
そう言って前田にセミナーに取り組む意義を前田に植え付けたのですが
その言葉が嬉しかったのか珍しく
「頑張ります」という答えを返していた。
そして本田も自分自身成長するために飲食店基礎講座に取り組むのであった。
今回始めに講師の先生が話したテーマが奇しくも
「成長を引き寄せる上司の言葉」という話だった。
飲食店という仕事はサービス業で気持ちの力や意識一つで
業績も変化する性質があるという。
その中で管理者として備えておかなければならない事が
部下を成長させる能力という事だった。
今回本田承太郎が参加前に前田に諭した事が
セミナーの内容でも議題にあり、とてもラッキーだと本田は思っていた。
講師は榊という先生でその道にこの人ありと言われる有名な先生でした。
先輩や上司に言われる言葉で嫌なのは
誰でもすぐに思いつくのではないでしょうか?
成長を引き寄せる上司の言葉には
仕事を成功させる効力も備わっています。
榊先生の基礎講座では本田が部下の前田に話したように
頑張ろうと思える言葉を投げかける効果を説明する様な内容で
更に深い視点でも話を聞くことが出来ました。
つづく
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