前回のブログでは五井先生の高弟の斎藤秀雄さん(以下斎藤先生)の著書、「霊験巡行記」を取り上げ、合気道の植芝守平先生と五井先生の初めての出会いのエピソード、また斎藤先生が米国シアトルで当時霊媒として世界的に著名であったラインハート師と邂逅(かいこう)された時のエピソードを紹介しました。
そのブログの最後に「この後ラインハート師による物質化現象などのエピソードが語られますが、それは紙数の関係でまたの機会に譲ります。」と書きましたが、今日はつづきを書きたいと思います。
物質化現象とは何もない空間から仏像や宝石などを現出させる超能力のことで、アポーツ現象とも言われます。
かつて私が師事した船井幸雄先生は不思議な現象研究が大好きで、ご自身が見聞きされたアポーツ現象をたびたび紹介されていました。その代表は政木和三さんとサイババです。
政木和三さんは岡山の林原研究所で活躍された科学者です。その政木先生のことを舩井先生はご自身の以下のブログで紹介されています。
ここには政木先生のことが以下のように書かれています。(以下転載)
私は政木さんの著書『精神文明と奇跡』を読み、そこにあるフーチとかフーチ・パターンについては、ある程度わかったのですが、この本には、それ以外にとんでもないことが書かれていました。
それは政木さんや彼の親しい人たちのために、空間から仏像やマリヤ像、そして大黒天像などが出現したということと、その写真がカラー印刷で何枚か載っていました。また、あるところで、からっぽの容器の中にお酒が湧き出し、いくら飲んでも減らなかったとも書かれているのです。
空間から物理的な物体が突然に出現するなどというのは私の常識ではとうてい考えられないことです。そこで、政木さんは大嘘つきかペテン師かと思ったのですが、会った時の印象では誠実な人のようです。そこで、もう一度、この本を開きました。そこで気づきました。この本のはじめに林原健さん(㈱林原三代目社長)が次のように書かれているのです。
「この書に書かれておられる超常現象の大半は、私自身も現実に体験致しました。現在の科学ではほとんど説明できませんが、根本は科学の延長線上にあることは間違いないと考えられます。ゆえに、へたに今現在の我々の未熟な学問で解明するよりは、将来完全に説明できる時点まで、事実のみを記載されるに留められた政木先生のこの書に対し、心より敬意を表したいと思います」と。
この一文があったために、私は、この本に書かれた一切のことを信じることにしました。林原社長は、いいかげんなことをいわない人であることを知っていたからです。
(後略 転載おわり)
また舩井先生は盛んにサイババのことを取り上げられた時期がありました。サイババの活動拠点であったインドのプッタパルティで不思議体験をされた方を船井総研主催の勉強会に招かれ、サイババから貰ったというアポーツによる宝石などの数々を紹介しながら、その時の体験を語ってもらう、というようなことが何度かありました。
当時の私は舩井先生と同じで「信じられないけど、本当ならスゴイ」と、その神秘性に強いあこがれを抱いたものでした。そのご縁でビブーティ(サイババが取り出した聖灰)を有り難く頂戴したことがあります。
今日は後段で「霊験巡行記」にある斎藤先生が体験されたアポーツ現象を紹介しますが、その前に今の私がアポーツ現象をどう考えているかを述べたいと思います。
昨年、家内から突然「五井先生は神様なの?」という質問を受けました。
私は「勿論、そうだよ」と答えました。それに「お前も、俺も同じ神様だよ」と付け加えるのを忘れませんでしたが、どうやら家内の質問の意図は別のところにあったようで、さらに聞いてきます。
「それはそうだろうけど、サイババさんは空中からモノを出したりする奇跡ができるでしょう。五井先生が神さまならそういったことが出来たの?」というのです。
私は「出来ただろうけど、五井先生は人が自分に「依存」することを望まれなかった。奇跡を見せるとそれが出来る人に「依存」させてしまい、その人の魂の成長の機会を奪ってしまう。だから五井先生はそういった霊能に対して厳しい評価をなさっていたんだ。」と言っていました。自分の口から出た言葉ですが、自身「なるほど」とちょっと感心しました。
その時、久しぶりにサイババのことを聞かれ、改めて思いましたが、当時は不思議だったサイババの奇跡、物質化現象は今では不思議でも、神秘的でも何でもありません。その理由は、私たちの存在そのもの、また日々の営みが神秘的な「物質化現象」であることを理解しているからです。
五井先生は「不思議な霊能力」がイコール「霊位、霊格の高さ」を示すものでない、とおっしゃっていました。
霊能に関しては、五井先生ご自身も一時、かなりの奇蹟を見せられていたのですが、ある時を境に、奇蹟を起こしても、それが目当ての人しか集まらないので、奇蹟を起こすのをやめられたと聞きました。
それに反発して五井先生から離れていった人もいて、その代表が高橋信次さんや大川隆法さんのお父さんだったそうです。
神秘的な力は強く人を惹きつけますが、それそのものは霊性開発の道、自己完成の道とは言えず、近道でもありません。
五井先生は「霊覚者とその使命」というお話の中で次のように語っていらっしゃいます。(以下転載)
霊覚者とは、自己の本体が神であることを認識体験して、自己の霊性をすっかり開発した人のことですから、霊能と人格がアンバランスになるようなことはないのです。人格の高さイコール霊能の高さということになるのです。しかしながら、これら霊覚者は、いたずらに個人の歓心を買うための当て物的指導や、やたらな予見はしませんので、派手な能力を見せることは滅多にありません。
霊覚者の使命は、人々の本心開発、社会人類の本質の開顕にあるので、そのための霊能力を発揮してゆくのであります。その最高なる方法は、真実の祈りを、人類に実行させる指導であるのです。人類の一人一人に真実の祈りを知らせること、全能力をこの事に集中すべきだと思うのです。(転載おわり)
聖書にはイエスの奇跡が多く語られていますが、そこにある「汝の信仰 汝を癒せり」という言葉のように「奇跡」とは「与えられるもの」でなく、「自らが開発するもの」であるということを五井先生は仰せなのでないかと思います。
釈迦が入滅の時、阿難に「自灯明、法灯明」を説いたことは御存知でしょう。「依法不依人」も同じく涅槃経にある言葉です。
釈迦入滅の際の遺言は「人に依らず」「自らを灯明とせよ」でした。この言葉は「人を依らしめる」奇跡、派手な能力の類は、真実の仏道修行の妨げになりかねないのだ、という警鐘とも受け取れます。
先に書いたようにアポーツ現象は「想念がすべてを作っている」ことを考えれば不思議でも何でもありません。
私たちそのものが最高に精緻なアポーツ現象で、それ即ち神の創造力の賜物です。それへの感動、感謝こそ私たちの日々の生活の基盤にしたい、ということがここで私が言いたいことです。
これに比べれば空中から取り出された仏像や宝石の類にはさほどの意味はないように思うのです。
それはそれとして、アポーツはこの世的には興味深い現象ではあります。そこで前回のつづきとして斎藤先生が体験された2つのアポーツ現象を「霊験巡行記」より紹介します。
以下同著よりの転載です。
科学的証拠を持つ最高の霊媒
ラインハート氏との再会
私は十二年前、ラインハート師が来日され、日本心霊科学研究会主催で、アポーツ現象の実験会を東京でされた時、出現したメノウをネクタイピンにして持っていたのでそれをお見せすると、
「あぁ、これは懐かしい石です。この石は私の口から出現した石の一つです。今の私は、あの当時よりは霊性霊能も進歩しています。最近では口からではなく胸から、また体から現われています。」と、最近の降神会の様子などを話し、数メートル先のキリストの写真(キリストの弟であるセントジャメイン伯よりのアポーツ現象による贈物)の前で祈り、忽然とラインハート師の手の上に出現した硝子製のような地球と星の光を象徴した三個のアポーツ品を持って戻り、「はい、これです。今、聖ジャメイン伯とお話をしてきました。(霊的交流) そして、伯爵からこれをいただき(アポーツ現象) これをあなた方に差上げるよう申されました。」
そして、それを私達三人の前に一つずつならべ、
「セントジャメイン伯をご存じですか? セントジャメイン伯はイエス・キリストの弟です。」
「彼は ALCHEMY (錬金術) ならびにAPPORTS(物質化現象、物質引き寄せ現象)に対する私の霊的責任者で、その現象は今、私を通して顕われています。」「 聖ジャメイン伯は、これを彼ならびに私からの贈物として、あなた方に差上げるよう申しておりました。彼は常に私に霊的指示を与えております。この三個のものは、上部は星の象徴であり、アクエリアン時代に昇りくる星の象徴です。下部は地球の象徴であり、アクエリアン時代に昇る太陽のです。これは素晴しい霊的な力を持っているもので、あなた方の霊性との開発と世界平和のために役立ちます。」
「ここにおいでの斎藤氏、丸山氏は神の力を持ち、お二人とも在天の大師によって指名されたる東洋における神癒であります。 なお、神智の導入となる大師の道具であり、あたかも電話器のようなものです。なおまた、セントジャメイン伯から告げられていることは、日本の運命は、あなた方、並びにあなた方の属している五井先生主宰の宗教団体に懸っている、ということです。また、あなたは重大な責任を負わされている方です。しかし、この責任は在天の大師によって委任されたものである。私は、あなた方が未だ見たことも読んだこともない資料を差上げますから、それを日本へお持ち帰りになって、我々の団体並びに日米間に継続的研究と関心の連鎖を作ることを望みます。科学的証拠を持った心霊現象が人々によって論争の余地のない時には、人々はその考え方を変えなければならない非凡な事実に直面するでしょう。」
私たちは、次の部屋に案内され、アポーツ現象によって神々から贈られた沢山の宝石や大きな花瓶や不思議な形をした器などを見せて貰った。
「明日、あなた方を歓迎するため、教会で世界平和に役立つ降神会を開き、あなた方をお招きしたいと思います。セントジャメイン伯並びに他の大師たちから、愛情をこめて 五井先生ならびにお嬢さん、及びあなた方教団の方々に世界平和と幸福をおくります。そして今、あらゆる願望の大霊線が救世の光となって放射されております。五井先生にくれぐれもよろしく。」
私たちは明日のアポーツ降神会の出席を約し帰路についた。
神人一体の神秘な歓迎会
翌日、約束通りラインハート師の主宰されている教会を訪ねていった。前夜泊った相馬さんのお家から、車で約三十分、小高い住宅街の中にある小さな木造の教会だった。中には既に、エジプト、フランス、南米、スペイン、北米各州からラインハート師を慕って、三十余名の人々が集っていた。
私達三人は、聖壇に近い最前列に案内されて着席した。いよいよ待望の世にも珍しいアポーツ降神会が始められた。
当のラインハート師は正面の聖壇に準備されたキャビネットの中へ、半裸の姿になって入り、木製の椅子に腰かけて統一に入った。師は両手を縛り、口には水を含んで絆創膏を貼り、封印のサインまでした。そして、参加者全員によって英語の賛美歌が厳かに唄われ、会場の雰囲気の波動調整が行われた。
そして約三十分程で賛美歌が終った。その時、キャビネットの中に置いてあった三本のメガホンが突然、まるで眼に見えぬ糸に操られるように中空に浮遊し、キャビネットの上空でガラガラとぶつかり合った。それが、神霊側からの開会の合図であった。
「これから、神々との交流が始まります。」中空のメガホンのひとつから、美しい女性の声でひびき、「何か神々にお伺いしたいことはありませんか?」
私は早速発言した。「これから開かれるアポーツ降神会の有様を フラッシュで写真を撮ったり、8ミリで撮影することと、神々のお言葉を録音したいと思いますが如何でしょうか。」
「そのことは許可します。いつもならすべての電灯は消して赤い豆ランプでするのですが、今日は別に、今のままの電灯をつけてアポーツ降神を行います。今回のアポーツ降神会は、世界平和運動に役立つ色々な宝石を皆さんに贈ります。」
中空のメガホンから厳かなセントジャメイン伯の声が私の質問に答えてくれた。
セントジャメイン伯は、ラインハートの背後霊でアポーツ現象やその他心霊能力の指導に当っている霊人で、過去世ではイエス・キリストの弟として生れた方で、当時、双生児は動物の児として虐殺される習慣があったので、キリストの父親がびっくり仰天して、弟の方をポロ切れに包んで国外に逃亡し、そこで育てたのだと伝えられている。
その弟は死後フランスの貴族、セントジャメイン伯として生れ変わり、少年時代より数々の奇跡を現し三十才の時、「私は、これで年齢をストップし、このままで年は取らずに生きつづける。」ろ宣言し 七十八才まで三十才の青年の容姿で生きつづけたと伝えられている。
再び厳かな人の声あり(ラインハートの守護神ケンシントン神父)、
「天にありし如く、地に聖なる世界を出現するために、天の父と地上の聖なるグループと、そのために働く人々との間には祈りが必要です。私達は、聖なる世界におります。そして、親愛なる遠来のお客様をお迎えするに当り、天の父が私達に加って下さることを望みます。ここにおられるお二人の同志の方々は、明けの明星であり、全世界にみ恵みをもたらす平和の光である。日出ずる国、日本から遥々来られた平和の使者であります。平和な世界を人類の上にもたらすことができますように、神のみ恵みが皆様の上にありますように!、世に愛の勝利と平和を導いて下さる聖なる神のみ名において、今日ここに、世界平和のために献身的に尽していらっしゃる日本から来られた兄弟達を心からお迎えしたいと思います。物質が最高のものではなく、全人類の平和こそ地上最高の宝であることを固く信じ、自ら進んで自己の霊性を高めようと精進努力しつつある日本の兄弟たちに助けの手をのべます。今こそ地上の人々は物質に把われ、来るべき救世の霊的大光明を得ようとする力を失いつつあります。これからのアポーツによる神々からの贈物は世界平和運動に役立つものです。これより直ちに聖なる贈物を霊的に引寄せます。」
その神霊の言葉が終ると同時に、キャビネットの幕の中央当りから、バラバラバラと数百個の色とりどりの大小の宝石が燦然たる光を放ちながら聖壇の赤い絨毯の上に落下した。(下写真)
「今日皆様が受けられる神からの贈物の宝石を持って瞑想し、世界平和のためにご使用下さい。皆様が世界平和を祈ることによって皆様の心の中に偉大なる霊力が現われます。在天の大師たちによって世界平和運動のために用意された強力なエネルギーが皆様の祈りの中に偉大なる光波として現われ、全世界の人々の心に大きな影響を及ぼすでしょう。このアポーツにより神々から贈られた、この宝石は物質的目的のために役立つものかは疑問ですが、強力なる霊力を有し、いつどこでも皆さんに、愛と勇気と神秘な霊能力を与えてくれるということを心にとめておいて下さい。今、私は世界平和のために、霊的協力者と共に、全力を捧げます。皆様の上に平和と輝く愛がありますように、神のみ名において。」
私は、大師の霊言によって呼出され、キャビネットの前に進んだ。
「この宝石の中から、あなたの好きな宝石を取りなさい。」
私の眼の前には、世にも珍しい色とりどりの数百個の宝石が眼もまばゆいばかりにキラキラと輝いていた。
私は、いつものように「五井先生、お願いします。」と心に念じ、眼を閉じて、自然に指先に当ったブルーの小さな石を拾い上げて、「この石を頂いて、よろしいですか。」と聞いてみた。
「おお、あなたは、あなたにとって一番良い石を選びました。その石は、世界平和とあなた自身の霊性の進歩のために、聖ジャメイン、レディラシャ、並びに私(ケンシントン神父)からの贈物です。 今、あなたの守護霊ハギヤマスターと共に、あなたを祝福しますから前へ進みなさい。」
「この宝石は、あなた個人の進歩と第三の眼が開かれるために贈られたものです。それは、あなたが世界平和運動と人類愛に貢献しているからです。」
私は心からお礼を述べて引下がろうとした。
「ちょっとお待ち下さい。 今、他にあなたに贈物がありますから、そこに掛けてお待ち下さい。」
私は、いわれるままに、キャビネットの前に腰を掛けて祈りながら待った。
神様から贈られた宝石の謎
その時、私の眼の前のキャビネットの幕の中央あたりから、ピカリと光を放ち、ピンポン玉より少し大きいぐらいで菱形にダイヤカットされた美しい宝石が現れた。
「それを拾って皆に見せなさい。」
私は感激をもって、その燦然と輝く大きな宝石を拾い上げて皆に示した。ウワーッと異様な声と拍手が会場一杯に湧き上った。
「この宝石は、セントジャメイン伯と我々が、シャンバラからの贈物として、あなたに贈ることを提案し、天において、地球を守っている九人の神々と共に協議して決定したものです。この宝石はシャンバラにある釈尊の像の第三の眼を取り出し加工したものです。そして、この宝石は世界平和のプログラムの内の一つとして、役割を定められたものです。この宝石の溝に、レコードの溝に音楽が吹き込まれているように、世界平和建設の中心民族として選ばれた日本民族の歴史が、すべて霊的(音声文学描写方式) 刻みこまれています。この宝石があなたに贈られたことは、あなたが世界平和運動と人類愛運動に偉大な貢献をしたからです。」
私はこの素晴しい立派な宝石は、私などにはもったい、五井先生にお土産に差上げたいと思うが如何ですか、と聞いてみた。
「その考えは、よく理解出来るが、五井先生のためには、もう既に差上げてある。その宝石は今、先生の机の上にあります。五井先生に差上げた緑色の宝石は、日本民族の運命を調整して救済する強力な力を持った宝石です。あなたに差上げた宝石は、世界平和運動のため、あなたに強力な霊的力を与えるために差上げたものですから、その宝石は、あなたが所持しなければいけません。また、あなたが五井先生のお嬢様のためにお土産にしたいと言っていた鎖のついた藤の美しい宝石は、いつの日か、あなたのために入手の扉が開かれるようにと大師も望まれております。」
それから、丸山さんにも私と同じぐらいの大きさで丸山家の歴史が刻まれているものが贈られた。その他出席者全員に次々と宝石が与えられた。
「全人類の平和のために、これらの宝石をここに霊的に顕現した仕事に参加出来たことは非常に喜ばしいことであり、神聖なことでありました。そして、東方からのお客様である日本の兄弟と共に本日ここに働くことができたことは大変嬉しいことでした。偉大なる賛美の光明をもってあなた方を祝福します。そして、世界平和の仕事と霊力に対する学問的見解とあなた方の説明、忍耐、愛、そして絶えざる努力を望みます。日の出が彼等の上に、そして、今日ここに集っていらっしゃる皆様に神のみ恵みがもたらされますように、聖なる天の父からの愛が、この上なく輝きますように、皆様に幸あれ。」
奇蹟の数々と感激の内に現代の最高の奇蹟といわれているアポーツ降神会は終了した。
参加者は、誰も彼も、今日の素晴しい奇蹟の続出に異常な興奮を示していた。
そして私達に対する出席者の態度が、来た時と帰る時とはまるで変ってしまった。
名刺をくれという者、サインを求める者、何かを訴える者、まるで人気タレントかお伽話の中の王子様にでもなったような有様で、私達は大ぜいの人々にもみくちゃにされ、嬉しい悲鳴を上げた。
そんな訳で、私達は異常な感激と興奮のるつぼの中から、やっと解放され、沢山の外国人同志の方々に見送られて帰路についた。
私は、今日ぐらい深く五井先生の偉大さを感じさせられたことはなかった。また五井先生の弟子となったことの誇りと自信と感激を、これ程までに強烈に味わされたこともなかった。
それだけに、国際的な責任を強く痛感し、より以上に精進努力と謙虚に留意せねばならぬことを反省させられた。
宝石の不思議な霊力
やがて帰国し、五井先生にその宝石をお見せした時「これは素晴しいものですよ。」とおっしゃって、柏手をお打ちになり、お浄めをして下さった。これで、ほんとうに世界平和のために役立つ宝石になったと思った。
同志の村田さんにお見せすると、「斎藤さん、この宝石は不思議な力を持っている世にも珍しい宝石ですよ。私がこれを持って統一したら、私はこの宝石の溝から中へ入っていったのです。入ってみると、そこには七色に輝く光の道がありました。エスカレーターのような、その光の道に乗ると、物凄いスピードで走り出し、アッと思う間に、光明燦然と輝く壮麗なシャンバラの入口についたのです。ここから入って行けば、この宝石に記録されている日本民族の秘められた太古の歴史が、世界平和運動の先達として選ばれた聖なる歴史の話が解明出来るのだと、分ったのですが、今回はその時間がなかったので、とりあえず、それだけ調べて引き返してきました。いずれ、又ゆっくりして貸して下さい。一度はっきりと調べて見たいと思っております。」と約束されているが、その後、もう数年の歳月が流れて行ったが、この調査は延々になっている。
この宝石の謎を解く人は、村田先生以外にないと思い、あせらず期待している
その後、私はこの宝石を持って十数ヶ国の国々を巡ってきて、この宝石は古代の聖者方との交流の媒体となる、太古時代と現代とをつなぐアンテナのような役割も持っていることを発見した。
エジプトのカイロに行った時だった。午前二時半頃、ホテルの部屋へ数人の白衣の霊人が現われ、私を一万年前に建設されたギゼの巨大なピラミットの謎の部屋へ案内してくれた。私はそこで古代の聖者方と共に暁の祈りをしたことがあった。
又、イタリアのフローレンスへ行き、世界で第三番目に大きい、ミケランジェロによって建設されたという大教会に行った時、ミケランジェロが葬られている祭壇の前でガイドさんの説明を周りの人々に混って、ぼんやり聞いていた時、私はまるで夢遊病者のようになって、その祭壇の対面にある祭壇の前へ連れて行かれてしまった。
ハッと我に返って、その祭壇を見直したら英語で、フラアンジェリコと刻印されていた。それは、今、私に仏画をかかせている背後霊の一人であり、キリスト教徒で、ルネッサンス時代の有名な聖画家であった。
その後、広島県の本村にある二万二千四百年前建設されたという世界最古のピラミッドの遺跡を訪ねた時、それを建設した古代の聖者達が出現した。
又、それから数年後、イザナミの命の御陵のある比婆山へ登り、その巨大石の前で祈った時も、その巨石の割目から三人の古代人が出現し、私を二万数千年前の世界の部落へ導いて、古代の天皇制を物語る、五人の王子の不思議な物語を神楽舞にした、壮大なドラマを見せてもらったこともあった。
その他千三百年前の役の行者時代の霊的再現等々………。
そのような体験を通し、この宝石はどこにでもあるような単なる宝石ではなく、記録円盤のような神秘な歴史内蔵した不思議な宝石なのだ、と知った。
又、昨年、福岡市での錬成会に出席した時、博多の有名宝石商だという会員がこの宝石を見て、「これは、宝石商の常識では地球上の宝石としては考えられない不思議な石です。一番地球上でこの宝石に似ているものとすればオパールでしょうね、でもオパールではありませんね。オパールで、こんな大きな石があったら、それこそ大変な価格ですよ。」
私は、この宝石の入手からして、それを専門家が見れば当然な判断であると思った。
それにしても不思議なことに、アポーツなどの心霊現象で出現した宝石類は皆、どこかに傷が入っているのである。だから宝石としては価値がないのである。私の宝石も同じように小さな傷がある。このようなことは、神の特別なご配慮によるものと考えられた。(転載おわり)
もう一つ、アポーツ現象に関するエピソードは五井先生の会の長崎支部、名古屋支部設立の功労者に関して斎藤先生が書かれたものです。
これも以下に転載します。
名古屋支部と長崎支部の誕生、発足までの経緯
長崎支部は昭和三十八年秋、長崎市小曽根町にお住いの小曽根治郎さんによって設立されたのであるが、それまでにはいろいろな経緯があった。小曽根家は、最近「龍馬はゆく」「勝海舟」などのテレビ映画で一躍有名になった長崎市市史を飾る素封家である。
長崎支部設立の三年程前に、名古屋市に本店を持つ住友軽金属KK社長(現在会長) 田中季雄さんのご好意で、同社の寮を拝借して、そこで名古屋支部が発足したのである。
その時は、住友軽金属KK社長夫人文子さんが東京の自宅からわざわざ出席し、その姉に当る名古屋市在住の弥富よし子さんが世話役となり、四、五人の白光誌友が集まり、私が講師として招かれ、ささやかながらも名古屋支部が誕生したのであった。
その田中社長夫人は長の小曽根治郎さんの二女に当り、弥富さんは長女である。
田中社長は、五井先生とは、過去世からなにかとご縁が深いらしく、五井先生にお会いする以前には、五井先生の前生であるといわれている「役の行者」の信者で、その信徒会の東京地方の信徒代表をされていた。
本会入会後は、日本一流の実業家が集って組織された「五井会」の創立者であり、幹部であった。
心霊現象により十二体の仏像を授かる
田中さんは財界でも辣腕家として有名であるが一面、優れた霊能力もお持ちの方である。
ある日のこと、社用で旅行中、夜行列車の寝台車の空間を八大龍王が乱舞する壮烈な光景を霊視し、その神示の根源をつきとめねばと発心し、訪ね訪ねて、役の行者の行場として有名な、滝自体が龍神のご本体であるといわれている那智の滝に行き、那智権現に詣で、そこで不思議にも、古代の名作と思われる金泥の観音像をアポーツ現象で授かった。
田中夫妻は、そんな訳で心霊現象には特別の関心を持っておられたので、田中家には自然にいろいろな霊能者が出入するようになった。特に、当時浅草に住んでいたアポーツ現象で評判の高い影山さんも時々訪れて来ていた。
下、田中家に授ったアポーツ現象による仏像
影山さんが訪れるたびに、いろいろなアポーツ現象が現れ、十数体の仏像や宝石などが出現した。ある時など、当時、学習院在学中の二女(昌美先生と同窓生)と、慶応大学在学中の長男さんの目前のテーブルの上に、大きな音を立て高さ三十センチの木製の普賢菩薩の像が出現した。
びっくりして、よく見ると、まだ顔の部分がのっぺりして眼も鼻も口も出来てない。おやおや、これは未完成の仏像かと思って見詰めていると、不思議にも眼が出来、鼻が現れ、口が出来た。 スーッと赤い光が走ったと思ったら口に赤い紅がさされた。次にキラリ閃光がめいたと思った瞬間、第三の眼の当りにダイヤらしき宝石が出現した。
けれども、まだ台座の方が雲のように、もくもくとし形が出来ていなかったが、そのもやもやが次第に消えるとと、そこに美しい像の彫刻が現われ、その仏像は完成された。
アポーツ現象など、縷々父母から話は聞いていた二人だった。父母は、きっと誤魔化されているに違いないと思っていた姉弟も、眼の前に見せられた、世にも不思議な心霊現象に感嘆した。田中家には、今も十二体の大小の仏像が大切に保管されている。
又、長崎の小曽根さん夫妻のダイヤモンド婚と、田中さん夫妻の金婚式を田中さんのお宅で行なった時、その翌朝、一階の仏壇や戸棚にあった十二体の仏像が、お祝いに贈られた銀盆の上に、大きさ順に整列して二階の床間に出現していた。霊現象には馴れっこになっていた家人も、これには全く驚きましたと語っていた。
(転載おわり)
以上が、斎藤先生が体験された物質化現象にまつわるお話でした。
エピソード中に斎藤先生がフィレンツェにある教会でのお話がありました。ミケランジェロが葬られている祭壇の対面に先生の背後霊「フラアンジェリコ」が葬られた祭壇があった、というお話ですが、先のブログで紹介した斎藤先生の仏画は背後霊(の応援)によって書かれたものなのでしょう。
(下 伊東、松月院の斎藤先生画による観音菩薩図)
このお話も興味深いですが、私たちも気が付かないうちに様々な指導霊、守護霊の応援を頂いて日々生活していることに気づかねばならないというのが、私が今日のブログで述べたいところです。
私たちの人生も奇跡で満ちていることを知り、守護の神霊への感謝を日々の習慣にしたいものです。
世界人類が平和でありますように
守護霊様、守護神様、ありがとうございます。