ワクチンをどう考えるか、中村天風師の講演から | Yokoi Hideaki

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現在国や地方自治体が盛んにワクチン接種を薦めています。接種証明を発行して、優遇策を講じてることで更にこれを推進する動きは世界中で起こっています。

 

私はワクチンに懐疑的で、今のところ受ける気は全然ありませんが、打たないと移動できないとか、仕事に差しさわりがある、というような事態になったら、とは思います。よってワクチンに関して悩まれている方も多いと思い、今日はワクチン接種の是非を考える上で参考になる中村天風師のご講演を紹介したいと思います。

 

下はそのご講演が掲載されている天風師の「健康」「治病」「生活」などに関するお話を一冊にまとめた「いつまでも若々しく生きる」です。

 

 

この中の第4章(治病章)に「種痘の害」というお話があります。種痘(しゅとう)は天然痘(てんねんとう)ウィルスを予防する「ワクチン」です。

 

お話の冒頭で師は天然痘の特効薬的ワクチンの「種痘(しゅとう)」に反対して、二度も罰金を取られたエピソードをお話になって、それでも「断固、反対」とされ、その理由を述べられています。

 

天風師が種痘に反対し、罰金をとられたことは、今回のコロナワクチンで未接種者に行動制限をかける動きが世界で広がっている現在の事態と同じとも言えなくはありません。

 

このお話をなさったのは昭和33年。60年以上前ですから、そんな昔の話に科学性があるのか、と疑う人がいるでしょう。しかし医学や科学が進歩し、医者の数も増えているのに病気の数や病人の数は一向に減るどころか、増え続けている理由も考えるべきでしょう。

 

それを考えれば、医学の進歩の方向、現代医学そのものに大きな見当違い、誤りがあるのでないか、という問題意識や疑念がでてきておかしくありません。

 

天風師の主張は60年前ですが、現在の医療の問題点を鋭く突いていらっしゃいます。そこで今日はこのご講演の重要な部分を抜粋し、紹介したいと思いました。ワクチンと共にもう一つこのご講演の中で「霊感」という表現で、天風師がこのような真理を知りえた方法について述べられています。これについても、次回にでもブログにしたいと思っています。

 

なお、本書のまえがきに医学博士で、師のお弟子でもあった島中俊次さんが「天風師はご自分の考えを著作にすることを良しとされなかった」と書かれています。その理由は師が「講演会に来て私の話を聞くのが一番、書物では私の話は伝わらない」とおっしゃっていたからです。

この講演録もその師の語り口が生き生きとして私たちの心に響いてきます。以下、天風師のお話「種痘の害」です。(以下抜粋)

 

私は、植え疱瘡に反対だ。お医者は気にいらないだろうけども、私のほうがもっと気にいらねえことなんだ。(※疱瘡(ほうそう)は天然痘で、天風師は種痘を「植え疱瘡」と表現されていました。以下種痘とします。)

 

なぜかというと、これでもって罰金、二度とられた。一番初めは、いまから三十年前に種痘の強制命令が出たんだ。日にちも覚えてる、昭和三年一月二十二日だ。内務省令によって全国に種痘の強制執行命令が出た。あなた方も行ったろ。しかし私、行かなかったんだ。しかも、私ばかりじゃない、うちじゅう行かなかった。それがために、町会から警察に報告しやがって、罰金とられちゃった。強制種痘だからね。

 

なぜ、真理に目覚めないかと思ったから、しゃくにさわったぜ。だから、丸の内の大日本衛生学会の会館を一晩借りて、「医者だけ集まれ」と言って、医者を集めて、これからあなた方に聞かせるような講演したんだ。

 

そうしたら、高木という博士が私を訴えて、今度は正式裁判を受けて、また罰金とられた。しかし、罰金とられようが、どんな憂き目をみようと、真理は真理だ。真理を言ってりゃ無事だと思ったら大違いよ。

 

(※中略 この後、真理を言ったために牢獄に入れらたり、世間から非難された科学者などのお話をされます。地動説を唱えたガリレオが教会から迫害を受けたのもその代表例です)

 

私のこれから言うようなことは、まず第一番にお医者が参考になさい。少なくとも、五十年、百年の後には、「ああ、やっぱり先覚者として天風さんの言ったことは真理だ」と、気がつくから。何でもね、事がはっきりあらわれると、「えらいなあ」と、こう言う。

 

現に、今度の大東亜戦争のごとき、初めっからしまいまで反対し続けていた私を、会員でさえ、「およしなさいよ、先生。国家が総意識でもって戦ってるときに、先生だけが、この戦いは正義でない、正義でない戦いは、必ず負けるぞ、なんてことをしょっちゅう言ってると、しまいに先生、ろくなことねえから、言わねえほうがいい」…

 

昭和十六年の十二月八日、「朕、米英に戦いを宣す」という詔勅(しょうちょく)を、私、大阪の宿屋で聞いたとき、大声だして泣きました。だれも泣いたものはありませんで、「万歳、万歳、やっつけろ」なんて言うやつが多かった。私はね、あの詔勅を聞きながら、「ああ、これで日本が、皇紀繚乱(りょうらん)たる何千年の国体に傷をつけられるときが来たのか。日本が世界に誇っていた国民の自尊心が傷つけられるんだ。危なくするてぇと、お互い、宿るべき家もなくなるような悲惨な目に遭うぞ」…と思ったが、私の考えにだれも、耳傾けて聞く者はありゃしねえ。

 

神戸で、ちょうど昭和十八年、私が県庁前のあるお料理屋でもって婦人会やったときに、さかんに勝ってる時分で、「万歳、万歳」って喜んでるから、「いまの勝ち戦を永久のものと思うと大違いだ。いま、あなた方が喜んでるような喜びをアメリカが感じて、いまアメリカの感じてるような口惜しさを日本が感じる日が遠くないぞ」と、いさめた。

 

そのとき、会員の人が理屈を言ったよ、「どういう霊感か知らないけれども、そんなめちゃくちゃなことがあるもんか。日本という国は、昔から戦って負けたことのない国であります」

随分むちゃくちゃな理屈を言うやつもあるもんだね。負けたことのない国だから、今度も負けねえと、そんな三段論法が成立するかい。

 

もっとも、そりゃ日本が、私の言ったことの反対に勝ってりゃ、とうの昔、私はもう死刑になってるでしょうけども、やっぱり、私の思ったとおりのような結果になっちゃった、ねえ。

そうしたら、いまになると、「やっぱり先生は先見の明があった」…よういわんわ。

 

もっとも、先見の明があったから、四百三十六人の言論家の中で、私一人がいまだにパージ(公職追放)を受けてないでしょう。みーんな、ほんとにもう余計なおっちょこちょいめ、宗教家までが、「それ、撃て、やあ、攻めろ」と言いやがったもんです。おっちょこちょいが、いろんなこと言いやがって、パージ受けたんだ。私は、反対せんがための反対じゃないもん、間違った戦をしてることを、最初から霊感で知ってたからだ。

 

さて、種痘だ。医者の仲間は、こういうことを考えてる。種痘というものは、英国の外科医のエドワード・ジェンナーという人が発明したもんだと。

ところが、このジェンナーという人は外科医じゃないんであります。髪床屋さんなんだ。昔は散髪屋さんが、けが人を治してた。だから、いまだに散髪屋は赤と青と白の柱を立ててるだろ。あれはね、白が包帯で、赤が血で、青が静脈なの。その名残をとどめて、クルクル回ってるんだ。

 

その当時は、外科医というような医者はなかったわけなんだな。種痘は何もジェンナーが発明したもんじゃない。その昔、ある女の人が、「こうしたらどうかいなぁー」と思って、やけくそでやったのが始まり。なぜかというと、家じゅうみんな、あの天然痘にかかったもんだから、「こんちきしょう、どうせ天然痘にかかるんなら、こっちから天然痘にかかっちまえ」ってんでもって、天然痘にかかってる家族の膿を自分の体にひっつけた。そうしたら、その人間だけ天然痘にならなかったというだけのことだ。

 

それから、これはいいかもしれねえってんでもって、みんな、まねしだして、そしてその百年後、パラレッサンツが、これは祈祷師です、これが、「これはいいからやれよ」と言いだしたのが一般的にはやったんだけど、厳格にいうと、古代蒙昧(もうまい)の時代から野蛮人が既にやってた形跡がある。

 

その時分は、皮膚の皮をバラのとげでもってつっついて穴あけて、そこへ天然痘をわずらってるやつの膿を持ってきて、つけて、それから、いまのやり方と違うところは、断食させて、四日間祈祷をした。これだけが違うだけだ。このほうがいいんだけどもね、本当。祈祷は安心するためにさせるんだが、それと同時に、断食させるところが非常によかったわけだな。

 

あの野蛮時代に一番おっかなかった病が天然痘なんだから、効くとなるといろんな事をやってみたんだ。しかし、天然痘にかかった人間の毒を植えると、実績上、予防のパーセンテージが少ないということが経験的に分かってきた。(しかし)かえってそういう毒を植えつけたばかりに、天然痘にかかって余計早く死んじゃったやつが続出したんだ。

 

そこで、髪床屋のジェンナーが、天然痘にかかっている人間の膿汁を牛にまず塗りつけて、牛を天然痘にかけといて、牛の体にできたうみを、今度は人間の体に植えるという方法をやりだした。これを交互反射というんです、間に一つ媒介物がある。それから今日にいたるまで、天然痘を防ぐのは種痘が一番いいんだということになった。

 

言いかえりゃ、あんた方でも常識的にこう考えてるだろう、野蛮時代に人が恐ろしがった天然痘が、現在、こういうふうに少なくなっちゃったのは、種痘のおかげだと。医者はみんなそう思ってる。恐らく、私ぐらいなもんじゃないかな、早くから「違うぜ」と思ったのは。

 

違う事実があっても、違うと思わない、あなた方は。戦時中、天然痘のはやった年、樺太からきた天然痘だけは、種痘で防げなかったという事実があったことを、大抵な人は気がつかずにいるんであります。あの時分、ごく一部の医者だけが、樺太から来た天然痘だけはだめだ、ということを知っていた。

 

いかがです?、これから申し上げるけど、私は天然痘を種痘で防げると、無条件に是認しない大きな理由を持ち合わせているのでありますから、聞いてください。罰金、二度もとられたんだ。大した罰金じゃない。しかし、当時の罰金としては多かったよ。二度目のときは、二十五円とられた。

 

ドイツにねえ、こういう事実がある。西暦1870年と71年、2年続きで非常に天然痘が流行した。いいかい、百万人がこれに侵されて、死んだ者が十二万人。一割二分だな。しかも、天然痘にかかった百万人の九割六分までは、この新しい種痘をした人たちばかり。

 

それから、死んだ者、これは、ことごとく天然痘にかかる少し前に、政府の強制命令で種痘をした者ばかりなんです。これに対して医者のほうでは、「種痘が効くまでに一週間、十日あるんだ。その一週間、十日経過しないうちに天然痘にかかると、種痘も効かないだろう」と、こういうふうなことを言うんです。

 

それまではそういうことは考えてなくて、種痘をしたらすぐ防げると思ったのが、やっぱり一週間、十日は期間がいるということになっちゃった、種痘したばかりのやつがバタバタ死んでいくものだから。絶対的な予防薬ならば、そこに効き目のあらわれるタイムを必要とするという理由は成り立たないのであります。

 

といっても、理由を知らない人は、「そういったって、天風さん、現に種痘が世界的に行われるようになったら、天然痘が減ってきたじゃねえか。それはどういうふうに弁解するんだ」と、きっと聞ますよ。

 

なるほどねえ、一面の事実だけ見りゃ、そういう言い条も真理のように思われますかもしれませんな。種痘が工夫された時分から、天然痘は事実的に確かに減ってきました。

しかし、ここなんだ。なお広く世界の実際を見てみると、減少したのは、あにあえて種痘という特別な予防薬ができた天然痘ばかりじやないという点に気づかなきやいけない。

 

格別新しい治療法を持ち合わせてないペストのごときも、またコレラのごときも、だんだん、だんだん減ってきているのであります。これは一体どういうわけだ、ということを考えられませんか。私は、それを考えた。真剣に考えてみりゃ、すぐ判断がつくはずだ。

 

何らの特別な治療法を持たないペストやコレラまでが、天然痘に対して種痘ができたころから、だんだん下火になったという理由は、現象的にはきわめて不思議でしょう。そうすると、そそっかしいやつは、「ははぁ、天然痘に対する種痘は、天然痘ばかりを減らすんでなく、ペストやコレラまで減らしちまうのか」というふうに考えますが、その考え方はあまりにも独断的な、軽はずみな考え方ですよ。

 

ほかに何らかの原因がありはせずやと、私は一生懸命に研究したんだ。そうして、ついに断固として信念し得る一大理由を発見したのであります。それをあなた方に参考に話したい。

守る、守らないは、あなた方の勝手や。ヒョイと私の言うことを守ると、これからも罰金とられるかもしれないよ。

 

ペストやコレラの減少した理由は、天然痘の疱瘡のためじゃない。じゃあ、どういうわけだと言うとね、結論的に言やあ、こうなんだ。文化が進歩するにしたがい、世界民族の実際生活の上に、相当の衛生的設備や条件というものが整いだしたがためなんであります。下水や汚物の排水方法や、住宅内の空気の流通や光線の投射、その他、生活上の方法が次第、次第に完全になったがために、自然と、野蛮時代の民族がかかった悪疫が減少しちゃったんだ。

 

南洋のキューバ島に、まだスペインがあそこを持ってた時代、イエローフィーバーが非常に流行った。黄色くなって、黄疸みたいになって死んじまう黄熱病ってやつ。ところが、米国がキューバを占領するにいたって、米国人、キューバの島に上がってみて、汚えのに驚いちゃったんだねぇ。

 

そこで、半年にわたって大掃除やって、すべての衛生設備を完全にした。そうしたらどうだ、世界一、黄熱病の猖獗(しょうけつ=勢いさかんな)流行地といわれているキューバ島に、黄熱病がなくなっちゃった。こういう一大事実から考えてみると、天然痘も、種痘のような治療法のために減少したという結論は少し眉唾(まゆつば)じゃないかい。

 

なお一つ、ここに注意深く考えたいことは、文明人の間に、野蛮人の中に絶対なかった結核病や癌や花柳病(性病)というようなものが、しかも熱烈に流行しだしてきている兆候についてだ。なかったんですよ、こんなものは、野蛮時代に。ペスト、コレラ、あるいは天然痘がさかんに流行しているときには、結核や癌や、それからいま言ったような、命とりの病ともいうべき悪疫はない。梅毒なんてものは、これはいまから、そうね、千五、六百年前まではなかったんだ。

 

私はこう言ったんだ、「梅毒が、こういうふうにさかんになってきたのも、疱瘡をする人間が多くなって、やがて疱瘡をした人間の体の中に、癌や結核や花柳病にかかる素質が余計つくられちゃったからだ」と。これは、お医者でもびっくりするだろう。これが一番、罰金をとられる点だった。

 

私がひとこと言ったら、それでもって、「ふらち千万!」‥‥と二十五円とられちゃった。

だってね、私がそういうことを言った確信のある理由は、体が非常に丈夫な人間ほど、種痘をすると、花柳病と同様の膿庖(のうほう)が体に生じるのであります。ちょうど、花柳病の初期に皮膚面へ発生する膿庖と同様の膿庖ができる。もちろん、中に花柳病的なばい菌はありませんけども。

 

それからもう一つ考えなきやならないのは、種痘を小さいときした女性は、どうも乳の出が悪いんであります。女の胸に乳房が二つある。これは何のためにあるのか。男が慰むためにあるんじゃない。さりとて、あそこにお椀みたいなのをかぶせるためにあるんじゃない。

乳房が二つ存在してるのは、どんなにえらい男でも、まねしようと思ってもまねのできない、子を養うしずくがここから出るためなのね。

 

ところが、これ、乳が出ないとなったらどうなるの。ただ、何ら役に立たない、いたずらにある存在となりゃせんか、これは。英国で…まだ種痘の話が続くんだよ、羊の中に天然痘が流行したときに、羊に種痘をやった。ところが、種痘を施した雌羊の乳がピッタととまっちゃった。これは、関係があると私は思った。

 

迂閉なことは言えやしねえ、僕はね。かりそめにも、こうやってしゃべってることは、いちいち責任があるんだもの。というようなことを、かれこれ、かれこれ総合的に考えると、どうも天然痘の予防に対する種痘というものは、たとえ全世界の医者がそうした見地に立脚してやっていてもだ、私は断固として、「よくない」と言い張りたいんであります。

 

言い張りたいんじゃなく、言い張ってんだ。しかし、これはやがて時が解決するでしょう、ねえ。五十年、百年たって、天風が言ったことがうそか本当か、もうその時分にはあなた方は生きてないかもしれないけど、私の言ってることはすべて文献に残ってるから。「天風というやつは大うそつきだった」とか、「いいかげんなことを言ってた」とか、「いや、本当だった」とかいうことは、そのときわかるだろうと思う。

 

別に、そう思われたいという野心はありゃしねえ。私はただ、思うがゆえに思うと、こう言ってるだけなんだ。しかも、私は考えて言ってるんじゃないんだ。私が言ってることはすべて霊感であります。こうして講演しながら、フー、とあなた方の顔を見るときだって、私、「ああ、あそこにあの人がいるから、あの人を見よう」とか、「この人がいるからこの人を見よう」といって見てるんじゃないんですよ。

 

天が私を向かせるほうを向いてるだけなんです。ですから、「なんで先生、今夜、私ばかり見るんだ」と思ったら、神様に聞きなさい。私にはわからねえから。私がこうやってしゃべってることだって、いつも同じようなことばっかり言ってやしねえ。そのとき、パッパッパっと出る言葉、それは霊感的な言葉ですよ。

 

とにかく、種痘に反応中毒(副反応、副作用)があるということは否定できない。仮に千歩、万歩も譲って、天然痘におよそ効き目があるとしてもですよ、私はないと思ってるんだけど、あるとしても、反応中毒があることを否定することはできない。

 

いや、これは種痘ばかりじゃないよ。チフスやジフテリアや狸紅熱(しょうこうねつ)などの治療に、やはり天然痘に対する種痘と同じような病毒を用いる、いわゆる血清療法というものがあります。そうなんだよ。あなた方、チフスの予防だとか何とかといって、注射させられてるだろ。あれチフス菌、植えてんのよ、種痘と同じように、注射で。だから、熱が出てくるだろ。

 

血清療法は、つまり手っ取り早く、一歩先んじてその病にかかっておくというやり方だ、そうすることによって、その病を免疫し得るという学術的な決定がそうさせてるわけだ。

しかし、なるほど、免疫するかもしれない、また、免疫し得るであろうパーセンテージが多いかもしれないけれど、その病毒からくる反応中毒は、とうてい免れ得ることはない。

 

だから、かれこれ、そういう議論にとらわれて、狭い人生に情けなく生きるよりも、一歩進んでだ、天風哲学によって自然法則に順応して、体の中の老廃物の排泄をさかんにして、その機械的障害を排除する。

 

そして、特に精神態度のごときも常に積極的にして、もういかなる場合があろうが、病があったときでも、ないときでも、この自然治癒能力を、こらもうグングン旺盛(おうせい)にすりゃ、免疫もへったくれもねえじゃねえか。病にかからないですむんだもん、ねえ。これが天風哲学の健康に対する保全法であると同時に、病の治療に対する信念なんだ。

 

それを棚の上に置いちゃっといて、ただもう、こういうやり方がいい、ああいうやり方がいいと、薬だ、注射だと、それで病を治そうとすると、いつまでたったって治りゃせんで。

一つの病が治ったって、さっきも言ったとおり、借金返して、やれ安心だと思ったら、今度は借りてきた高利貸のほうからの催促が矢のようでもって、倍、苦しむ。

 

それよりは、私がここでもって説いてるような心の持ち方、心の使い方、同時に、日常生活法をだ、厳密に守ってごらんよ。病にならなきゃ、薬を飲む必要ないんだぜ。ところが、日本人はね、不思議な民族だ。病にならないでも、薬飲むね。

 

持薬、用心薬…なんだ、あれ、一体。何のことはない、どろぼうに入られないように戸締まりをする必要があるとか、火事にならないように火災予防の手段を講じておく必要があるとかっていうのと、まるで同じ議論でもって、病にかからないために、病にかかる前に薬を飲んどくほうがいいだろうと思う、そこに大きな矛盾が発見されない?

 

どろぼうの用心に戸締まりをよくするとか、火事にならないように火の用心する、これはいいよ。けど、病用心というのはどういうわけなんだ、これは。それより、かからないような体をつくっちまうほうがいい。

 

それをもう医者から、「おまえは心臓が悪いよ」とか、「おまえね、どうも右の胸に曇りがある」とか、「どうも癌の疑いがある」なんていわれたら、すぐ青菜に塩みたいにペチャンコになっちゃう。安心どころか、安心の上へ「不」の字つけてるんだ。治る病だって、治りゃしねえ。さっきも言ったとおり、病がわからないで、のんきにやってるやつは、医者がびっくりするような病でも治っちまうんだ。(抜粋おわり)

 

以上が前述の天風師の講演録の第4章にある「種痘の害」の抜粋です。

この終盤でお話になっている結論はおよそ以下の趣旨でしょう。

 

天風哲学の心身統一法、また生活法や治病法によって、体の中の老廃物の排泄をさかんにし、精神態度を常に積極的にして、自然治癒能力を旺盛(おうせい)にすれば、病にかからないですむ(予防)し、現在の病も乗り越える(治病)ことが出来る。

 

それ以外の手立ては問題の先送りであり、新たな病の原因を作ってしまうことになる。要は借金を返すために、より高利な借金を借りてきて一時しのぎにするようなものなのだ。

 

このブログで紹介している西式健康法の創始者、西勝造先生も甲田療法の甲田光雄先生もこの天風師の主張と同じことを仰っています。冒頭述べたように医学が進歩し、薬の数が増え、新たな治療法が出てきても、病気と病人の数が増え続けている事態に根本的な問題意識を持たねばなりません。

 

この天風師のお話の中に祈祷師が種痘と同じようなことをし、さらに4日間、断食と祈祷を行って効果があったということが紹介されていました。天風師は特に断食させたことが非常に良かった、とおっしゃっていますが、断食と共に祈祷という形で「良くなる」という安心感を持つことを良しとされた点も、「必ず良くなる」という信念持つことを重視した西式甲田療法と共通しています。

 

よく考えれば、コロナは「風邪」の一種です。風邪の治療法を発見したら、間違いなくノーベル賞だと昔から言われていました。長年これを追い続けても発見できなかったのです。

逆に言えば「特効薬的な治療法はない」ということでないでしょうか。またインフルエンザワクチンの接種を進めても、インフルエンザが根絶できない理由も同様に考えるべきでしょう。

 

ちなみにインフルエンザがこのところ激減している理由はウィルス干渉、一度に同種のウィルス性疾患は互いに干渉して流行らない、ことが理由です。

 

コロナ対策の決め手については甲田先生の講演録から以前のブログで書きました。沢山の方に読んでもらいましたが、コロナ対策はここに尽きます。未読の方は以下を一読いただければと思います。

 

 

今日のお話は以上にして、次回は天風師が真理を知りえた「霊感」について書きたいと思います。

 

2022年3月3日追記

天風師は早い時期から薬害について警鐘を鳴らされていました。今回のコロナのmRNAワクチンは従来のワクチン以上に危険であるという元衆議院議員の松田学さんと大阪市立大学の名誉教授、井上正康先生の対談が以下にアップロードされています。

いまだに以前のこのブログを読まれる方が多いようなので、ご参考まで、共有します。