少し間が空きましたが、今日は少し趣を変えて上のテーマで書いてみたいと思います。
私がこのブログを書いている目的の一つは「西式健康法」「甲田療法」の啓もうですが、今回は「腎臓病 慢性疲労症候群」に絞って書きます。こう思い立ったのにはきっかけがあります。最近大きなニュースになった「公立福生病院」(東京都福生市)の腎臓透析中止問題です。
公立福生病院の透析中止事件
福生病院では透析患者に選択肢の一つとして「透析中止」を提示し、ニュースになった44歳の女性患者だけでなく、二十名以上が同様の選択を選んで亡くなっていたことがマスコミによって大きく取り上げられました。そしてこれは「殺人ではないか」という批判が殺到したわけです。
マスコミによる批判の論調は以下のようなものでした。
「患者はまだ若い、透析治療を受けながら人生を楽しむことができた。命を救うのが医師の使命である」
「透析の中止は死につながる。医師の裁量で患者の命を奪っていいのか。」
「『透析を止めたい』という希望があっても、そのような彼女の精神状態を癒やしてあげるべきだろう」
「透析は患者にとって苦痛で、拘束時間が長く、食事の制限も厳しく、合併症もある、それでも最優先すべきは命を永らえることだろう」などなど…
私は「透析中止」の選択があってもよいと思いますが、その説明には時間がかかるので、ここでは詳しくは触れません。
ただ透析問題に関して賛同できる解説を武田邦彦先生がされていたので、これを紹介して本題に入りたいと思います。
結論的に言えば、武田先生の意見は「患者の命を救おうとする医師の努力は尊いともいえるが、本質的には間違っており、新たな透析患者を増やしてしまっている」ということです。
といっても、このままでは暴論に聞こえるでしょうから、以下に私の補足も含めて武田先生の発言要旨を整理します。
(武田先生 虎ノ門ニュースでの発言要旨)
1970年には殆どなかった透析患者数が90年代には10万人になり、更に現在では40万人に増えた理由を極論すれば、透析機械を売り、高額な透析機械の投資を回収するためのものと考えればわかりやすい。また、治療において患者に処方される薬も長い目で見れば患者を透析に追い込む一因となっている。
透析患者が増えた原因は糖尿病が増えたこと。これが一番大きい。糖尿病を減らすには飽食過食を止めることだ。それは「食」の改善にしかない。重要なのは糖尿病を減らすことだ。
また現代医学の過剰医療を適正化することも透析患者減少への根本対策である。何故なら目先の対症療法でしかない治療行為が長い目で見て透析の増える原因になっているからだ。
医師の努力は多とするが、西洋医学は「死にかけた人を助ける」が中心テーマになっており、患者の健康や救済には役立っていないのが実体だ。何故なら現代医学の治療は概ね人間の免疫系を弱めるものだからだ。現代医学には功績はあるが、むしろ問題の方が多い。
現代の医療システムも問題だ。腎臓病患者に対する通常の治療は一般に高額で、その上、三割の自己負担があるが、人工透析に入った途端に全額国庫負担になる。これが安易な透析治療への移行への動機になっていないだろうか。
確証はないが、人工透析患者は年間500万円の治療費がかかるので、この治療費を目当てにした「患者の売り買い」が行われているという話が昔からある。真偽はともかく、こういったことに本当にメスを入れてほしい。
話は違うが、私は腰痛で40年間苦しんでいた。もちろん西洋医学の最新医療や著名な整形外科医にもお世話になった。しかし全くどうにもならなかった。そしてこの長年の腰痛から救ってくれたのは町の整骨院でのたった15分の治療だった。
このことを医療関係者に話すと誰も「良かったね」と言ってくれない。保険が適用された整骨院での治療に対して「そんな得体のしれない治療への保険適用は間違いだ」といった批判すら寄せられた。現代医学の関係者、医師の少なくない人たちは「自分たちは特別だ」「自分たちだけが正しい」と思いあがっているのではないか。
この整骨院は有名で、大変評判が良く、多くの腰痛患者が救われてる。医師はこの素晴らしい治療例を参考にもしようとせず、「たんなる民間療法」とバカにする空気すらある。この背景には「損得」重視や「医療を自分たちだけの利権にしておきたい」といった意図があるのではないか。
私は科学者だからこういった世間のシステムには興味がない。大事なのは原因の究明とそれによる問題の解決である。今回の問題では「人工透析を減らす」ことが重要なのだ。要は「死にかけている人を救うこと」より「死にかけないようにする」ことが大事なのにこれに取り組んでいる医者は知る限りいない。
クルマを例にすればクルマの故障を直すのが医師。しかし故障をしないクルマの設計を行う人はいないのだ。その両方が機能しないと問題の根本解決にはならない。それには医師、医療関係者が損得勘定抜きに問題の根本解決に取り組むことが必要なのだ。(以上)
武田先生の主張は以下のリンクで視聴出来ます。
故障を直し、同時に設計から改善するのが「西式甲田療法」
さて今日のテーマの腎臓病、慢性疲労症候群です。以前のブログの中で私が受けた甲田先生の治療体験を紹介し、現代医学では原因不明である慢性疲労症候群も実際は腎臓の故障に原因があることを解説しました。二年前の記事ですが未だに沢山の方がアクセスされています。
「慢性疲労症候群」という病名は一見それらしくはありますが、要は医師が「原因究明」をあきらめたということです。実際私を診断した現代医学の医師の診断は「心因性(ストレス)のものでしょう」で、処方されたのは精神安定剤でした。
私の経験もそうですが、「慢性疲労症候群」と診断されずとも、「隠れ腎臓病=鈍重腎臓」で苦しんでいる方が相当数いらっしゃることは想像に難くありません。腎臓が原因であるのにそれを知らず「原因不明の深刻な体調不良」で苦しんでいる方は少なくないはずです。そして「西式甲田療法」はそういった方にとって大きな朗報になるに違いありません。
腎臓病に対して現代医学は全く無力です。腎臓病だけでなく、殆どの慢性病に対して現代医学は無力であり、有効なのは救急医療の分野や感染症などにほぼ限定されます。
そして武田先生もご指摘のように腎臓病だけでなく疾病治療における種々の対症療法が長い目では病状を深刻化させることは間違いありません。
私の例で言えば幸い服用しませんでしたが、「精神安定剤」などはもってのほかでした。血液をろ過し毒素を排除する腎臓の機能が低下している時に、大量の毒素を放り込むようなものだからです。
また上の番組で武田先生がおっしゃった「『死にかけている人を救うこと』より『死にかけないようにする』のが大事なのに、これに取り組んでいる医者はいない。」には同感です。
しかし私が知る限りただお一人、甲田光雄先生はこの両方に取り組まれ、見事に万余の患者を救われた稀有の方でした。先生の心には損得勘定など皆無でいらしたからです。
そこで、このことを改めて声を大にして伝えたい、また病気や体調不良で苦しまれている方に甲田療法を役立てて頂きたいという思いから、透析問題をきっかけに今日のブログを書くことにしました。
話を進めるに際して、先ず上記の過去ブログから今日のテーマに関係のある私の体験の部分を抜粋します。
ブログテーマ「病や不幸とどう向き合えばよいのか」② 甲田光雄先生と舩井幸雄先生、そして世界平和の祈り
https://ameblo.jp/institutejpn/entry-12323589893.html
(以下 抜粋引用)
驚異の甲田療法、甲田先生の治療
「頭だけ」のモノであった私の西式甲田療法への理解を体で納得できたきっかけは思いもしなかった体の不調でした。既に四十代になっていた私は会社の幹部社員になり、それなりの重責を担うようにもなっていました。
甲田先生は手相もご覧になりそれがよく当たるのですが、観ていただいたときに「責任感が強くて、正しいと思ったことは貫き通す性分やな、良いことやが頑固や」という事をおっしゃって頂いたことがあります。そういう性分が過重なストレスを招いたのでしょうか、春先に引いた風邪をきっかけに、数ヵ月咳が収まらず、当初は倦怠感、咳は収まったものの倦怠感は強い疲労感となり、終には仕事もままならない状態になりました。
この間病院も受診しましたが、確たる原因が解らず、医者の診立ては「心因性」、すなわちストレスによるものということで安定剤等の処方を受けるのみ、薬も少しは試しましたが、一向に症状が良くなるようには思えませんでした。困り果てた私が選んだのは健康センターへの入所でした。既に甲田先生の知遇を得ていた私は直接甲田医院に診察をお願いすることもできましたが、「西式甲田療法の一部とはいえ実践者の私がこんな病気になって、甲田先生に会わせる顔がない」という気持ちが強くあり、直接診察をお願いすることに躊躇があったからです。
フラつく体で健康センターに入所した私は甲田先生の診察を受診しました。私の顔をご覧になって、先生はすぐに異常に気が付かれたのだと思います。診察室に入るなり「どうした?」とお尋ねになりました。私はこの数ヵ月ひどい疲労感に悩まされていること、病院で診断がつかないことをお話ししました。話を聞きながら私の手のひらをご覧になっていた甲田先生が「背中を見せなさい」とおっしゃいました。
背中を向けた私の背を先生は二本の指でなぞられましたが、あるところでぴたりと指を止められて、「腎臓がいかれている」とおっしゃり、机に向かい、サラサラと養生法(甲田先生の処方箋です)を書いてくださりました。さらに一言「心配いらん。一か月で日本晴れになる」というお言葉を頂きました。
この先生のお言葉と処方を頂戴して、長く体の異常に苦しんでいた私は、本当に救われた思いがしました。後で聞きましたが、私の病気は「鈍重腎臓」と呼ばれるもので、検査しても血液や尿に異常が出ないものだったのです。世にいう処の「慢性疲労症候群」は鈍重肝臓や鈍重腎臓がその原因であるということも後に知りました。
ちなみに、背骨をなぞられた甲田先生の診断は、体の各部と脊椎が密接に関係しているという西先生の研究、発見によったものです。同様に足首など足の部位と体の諸器官の関係も西先生は細部にわたって研究されました。それは非常に精緻な研究であり、実証的な真理の発見でもありました。西式健康法の六大法則はこういった西先生の研究の成果なのです。
(中略)
養生法の実践を初めて二週間目ぐらいからでしょうか、メキメキ回復していることが実感できるようになりました。さらに日に日に体調はよくなり、先生の「一月で日本晴れ」というお言葉通り、四週目にはこれまで経験がないまさに五月晴れのような健康状態になっていました。(引用終わり)
甲田先生の腎臓病治療
同様の体験は枚挙にいとまがありません。
写真の「健康の科学」は甲田先生を慕う方や甲田医院の患者さんたちが西式甲田療法を学ぶために設立された「八尾健康会館 友の会」の会誌の創刊号です。発行は1979年1月15日とあります。
会員でなかった私がこの会誌を持っているのは甲田先生のご逝去後、手元の会誌全号を奥様が送って下さったからです。創刊号の構成は全8ページで写真表紙の甲田先生の巻頭言、体験談や甲田先生の著書の紹介、甲田医院だよりなどからなっています。
後日この会誌は内容も充実し、より分厚くなりますが、この創刊号でも大半を占めているのは腎臓病克服の体験談です。その中から一つを取り上げその要旨を以下に紹介します。
Kさんの体験手記
手記のタイトルは「長いトンネルに出口が見えてきた」というものです。Kさんはこの手記を書かれた3年前に腎臓病の為に半年の入院生活を送り、その後も3ヶ月、2ヶ月と入院を繰り返す慢性腎炎の若い女性患者さんでした。
手記では入院中の食事の回数が多いことを内容や回数(なんと1日6回)を具体的に紹介し、内臓が休まることがなかったのでないか、と述懐されています。また薬も1回5錠を1日3回服用していたそうです。
入院は長くなっても、顔色は一層悪くなり、見舞いの両親が大変心配したそうです。良かったことといえば「検査で自分の病気の進行度合いを知ること」くらいで、「不治の病」は変わらず、一進一退の毎日、医師からは「出来るだけ動かず、安静に保つように」という指導で修学旅行にも参加できず、前途を悲観し、暗い毎日を送っていたと書かれています。
そんな彼女が慢性腎炎を克服するきっかけになったのが甲田先生との出会いでした。ある会で甲田先生の講演に接する機会があり、甲田先生が「腎炎は足から来ており、喉にも原因があり、それぞれそこに痛みや症状があらわれる」とお話しされたのを聞いて、「自分にぴったり当てはまる」事に驚き、さっそく甲田先生の診察を受け、入院することになりました。
甲田医院では薬の処方や注射などは一切ありません。病院への入院中1日計6回食べていた食事は朝食抜きの2回になり、その上、安静でなく、1日12回の毛管運動、裸療法、温冷浴や2度の断食(延べ7日)も実行し、熱心に指示通りの治療に取り組みました。
その結果の手記をそのまま転載して紹介します。(以下引用 原文ママ)
「もう治らないのだ」と宣言され、諦らめていた腎臓病! 前は検査すると尿が牛乳のようになったということですが、今では蚤白は殆どおりていません。顔色もだんだんよくなってきました。信じられない位つかれにくくなり、動きやすくなりました。尿の量や回数もふえました。以前のようにスローモーションな歩き方でなく、速く歩けるようになり、久しぶりに会う知人や友達なども驚いてしまうほどです。
私の体は鈍行列車かもしれないけれど、くらやみの長いトンネルの出口から光がみえてきました。この健康法をまじめにやれば健康になれるんだという、自信と希望と光がわいてきました。おなじ病の人で、あきらめていた結婚もし、無事子供を産んだ人にもあって、ますます気持がはればれしました。
そして少食であることが如何にだいじなことであるかもわかりました。もうすぐ三度目の断食です。がんばります。そして私は腎炎の子供を守る会のたくさんの皆さんに、この事実を知らせてあげたい。
甲田療法で私がこんなによくなったことを…、治らないといわれていたのに、こんなによくなったことを…。
足くびや、ひざがいたいというと、内科、整形外科、神経科とまわりまわって、レントゲンも異常なしで、心理テストまでやらされてノイローゼ扱いされてきたけれど、その足首を治すが一番肝腎と毛管運動や脚絆(きゃはん)療法をがんばって、少食をまもり、ここまで治ってきたことを…。どうして、こんな素晴らしい療法が病院ではつかわれないのでしょう。(甲田医院の患者さんたちが立ち上げた)「腎臓病を克服する会」や「健康会館友の会」で、はげましあっていけることは、ほんとうに心強いとうれしく思います。(以上引用終わり)
Kさんのように甲田先生のご指導によって不治の腎臓病を克服、改善された患者さんはたくさんいらっしゃいます。
ちなみに私はご生前の甲田先生から色々なものを頂戴したのですが、その一つに大量の新品タオルがありました。タオルは慢性腎炎の韓国人の少年からの甲田医院へのお礼の品で、不治の病から救って下さった甲田先生に感謝の気持ちを伝えたいと自分の名前と感謝の言葉を刺しゅうし、甲田医院に送られたものでした。
先に紹介したようにKさんの手記が掲載された健康の科学の初号は1979年のものです。その後ざっと40年が経過していますが、腎臓病に根本治療の手立てがないことに変わりはありません。そして、その根本治療の手立ては西式甲田療法の中にはっきり示されているのです。
これについて甲田先生がお話になった内容を「健康の科学」(1985年5月15日号)から紹介したいと思います。同年の甲田先生の講演録です。
(以下 健康の科学1985年5月15日号より転載)
甲田先生ご講話 「腎臓病は足の故障に着目せよ」
今、流感が流行っていますが、先日も八尾医師会の席上である医師が、「今日一日だけで五十人近くの流感の患者さんが来院した」と報告されていました。やはり普通は、風邪をひくと注射や抗生物質を求めてゆくのですねえ。ところで、抗生物質や副腎皮質ホルモン剤などを使用する人の尿を調べますと若い健康そうな者でも細菌が多数混っています。
元来尿は無菌の状態であるものなのです。だから現代人の体質がそれだけ悪くなっているという証拠です。それにまた、流感の後では必ずといっていいほど腎臓病が増えてきます。これを裏返せば、腎臓病を減らそうと思えば風邪をひく人を少なくしなければならないということになります。風邪をひくと腎臓に大きな負担をかけるのです。それでは風邪はどうすれば予防できるのでしょう。
☆足の故障に注意
俗説に「馬鹿は風邪をひかない」といわれますが、真実は「足に故障のないものは風邪をひかない」のであります。もう少し詳しく述べますと、一般に足に故障を持つ人は後で説明しますキングポットの法則により、喉に炎症を持っています。そしてこうした人達が風邪をひきますと、その喉の炎症部に溶血性連鎖状球菌(溶連菌)などが付着、増殖します。
そうしますと、溶連菌から多くの毒素が排出され、この毒素が腎臓を剌激してIGAという抗体を誘発し、ここに免疫反応が起ります。つまり、毒素が抗原となり、IGAが抗体として反応し、結果として尿に蛋白や赤血球が混って出てくるというのです。ですから慢性腎炎の大部分の方は、風邪をひく毎に病状が悪化したり、好転していた容態もぶり返すといったことになります。
さて、足の故障と腎臓に着目された先覚者として有名なのは、スペイン生まれでイギリスの医師ツルエタ教授ですが、彼は1947年に「腎臓の血液循環に関する研究」という論文を発表しました。それによりますと、第二次大戦下にロンドンが空襲を受けた際に、破壊された瓦礫(かれき)に足をはさまれた多くの市民がそのまま数時間救助されずにいますと、その人々の腎臓機能が極度に悪化して死に至る例が多かったとのことです。
このことに関心を待ったツルエタ医師は、オックスフォード大学のナッツフィールド研究所で、四人の同僚と共に犬の後肢を止血するという実験を行ったのです。即ち、後肢を止血器で挾んで後肢の血液循環を止めてしまい、さらに血管内に墨汁を注入して血液循環の変化を観察したのです。そうしましたところ、後肢の血管がけいれんを起して縮んでしまったのです。
と同時に腎臓の糸球体の血管も縮んできたのです。糸球体とは腎臓の周囲の部分、即ち皮質に分布し、尿をろ過する働きを司る大切な組織なのですが、これがその機能を果たせなくなってゆくのです。こうなってきましたら、止血された犬にムクミが現われます。三日、四日と日数を経る内にムクミは増々ひどくなります。
ツルエタ教授は第六日目に一部の犬から止血器をはずして、水を与えてやりました。そうしますと大のムクミは急速に解消されてもと通りになってきました。しかし一方、止血器をつけたままで継続した犬のほうは遂に死に至ったのです。この実験では同時に、ムクんだ犬の血圧も測定されましたが、案の定高くなっておりました。
これはどういうことかと申しますと、腎臓皮質の血流が悪くなった場合にそこからレニンというホルモンが分泌されるのです。このレニンは肝臓を刺激して、肝臓の中にあるアンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンにと変化させるのです。そして、アンジオテンシンは血圧を上昇させる作用がありますので、高血圧へと移行する訳なのです。
以上の報告からも判ります通り、脚の正常な血液循環が障害されますと腎臓は悪影響を被り、血圧も高くなってしまうのです。それにまた風邪もひき易くなると報告されております。結局、足の故障が思わぬ病気へと発展してゆくのです。
☆足の故障は万病のもと
それではここで、足の故障からどういう波紋が起こるかをもう少し説明致します。皆さん、鉄橋の構造を思い浮べて下さい。(図1)この図でO印のところには、力学的に最も歪力がかかってゆくのです。
これをキングポットの法則と申しますが、人間の場合には二本足で直立しますので、この鉄橋を90度回転させたような形で重力の影響を被ります。(図2)
つまり、たとえば右足趾のつけ根に故障を起こしますと(モルトン氏病-図3参照)、左足首に故障(ソーレル氏病)を起こし易くなり、更に右膝関節、S字状結腸、肝臓、左胸下部、右胸部、左肩、右扁桃腺、左頭部へと影響を及ぼし、その部分に故障を惹き起こす素地を作っているのです。例外もありますが、やはり。基礎がしっかりしていない建物と同じで、足がしっかりしていなければ上へ上へとジグザグに影響してゆくのです。
従いまして、腎臓病や扁桃腺炎、頭痛や便秘といった病気に罹りましても、各々の症状を抑えるため、局所的な処置のみを施すだけでは不充分でして、足の故障(図3、部位とその発見者)も治してかからなければ再度症状がぶり返すこととなるのです。この点が案外現代医学の盲点となっています。
それにまた、病気というには不適当ですが不妊の原因のひとつに足の故障があります。不妊症の原因としては輸卵管の閉塞やホルモン異常で排卵が障害されるといった生体機能に関与した場合もありますが、そのようにはっきりした原因が見出されない場合も多いのです。
こうした人達は、私の臨床経験からしまして、たいてい足に故障を持っています。即ち、足に故障がありますと体温が昇り、常時微熱を持つことになるのです。その為に彼女達は慢性的にビタミンC不足に陥っており、出血し易い状態になっています。従って結果的に、卵の着床が妨げられがちとなり、受精のチャンスが少なくなっているのです。
皆さん方の中にも、歯ぐきから出血したり皮下出血をよく起こす人がおられるでしょうが、そうした人はいくら柿茶や生野菜を摂ってビタミンCを補給しているといっても、足の故障が原因で就寝中に体温が上昇して汗をかき、結局ビタミンCを浪費していることになるのです。一度、ご自分の足に故障があるかどうか確かめてみて下さい。
それには同じ目方の濡れタオルを二本用意して下さい。このタオルを就寝時に各々両膝に載せて休んで下さい。朝起きて、両方のタオルの目方を比較します。もし膝に故障があれば、そこに炎症が存在しますので、そちら側のタオルは乾いて軽くなっております。
☆現代人はアキレス腱が縮みつつある
さて、東京工科大学の平沢弥一郎教授といえば足の研究では第一人者ですが、先生の長年の研究によりますと、自分が使用している履き物の裏側でどの部分がよく減っているかによって、自分の病気または弱点が判るそうです。(図4は西先生の研究を参考までに掲げておきました。)
さらに先生のご研究によりますと、現代人にはアキレス腱の縮みがみられ、足にかかる重心の移動が進行しているそうです。即ち図5のように、原始人の足にかかる重心は腫(かかと)から60%に位置していたのが、次第に後退して腫の方へ寄り、1960年の日本人の平均は47%の位置にまで移っているので す。体操の選手など鍛練した人では50~60%くらいです。そして1980年には40%になり、このままでゆきますと、2000年には33%になるだろうと予想されています。
更に進んで遂に30%の位置にまで重心が後へ移動すると、足は上体を支えられず、人類は滅亡するだろうと警告されているのです。それはともかく、重心が後方へ移ればそれだけ衝撃が上体へ直接伝わり、悪影響があるものです。一部の識者は、「これからの人類は男でもハイヒールの履き物を使用せねばならない」と言っているのです。
もっとも、アキレス腱の縮む根本原因は過食にあります。ですから、重心の後退を防ぐには食べ過ぎたり、甘いものやアルコールを慎まないといけません。それにまた、矯正法として前歯一枚だけの後方へ傾斜した「傾斜下駄」を一日30分程度履いて、アキレス腱を伸ばす練習をしたらよいのです。皆さん、一度ご自分のアキレス腱を指で思いっきり強くつまんでみて下さい。痛いようですと縮んでいる証拠です。
☆腎臓病の自覚症状
さて、話を腎臓病へと進めましょう。先日ある人から手紙が届きました。それによりますと、この女性は大の甘党ですが健康のためにと毎日ジョギングを欠かさなかったそうです。ところが、数ヶ月前から身体が何となくだるくてムクミが感じられたそうです。その後、ムクミはひどくなる一方で、極端な時は一日に3キログラムも4キログラムも体重が増加するし、しんどさも尋常ではなくなってきたのです。
たまりかねて病院で色々と検査して貰ったのですが、検査の結果には何の異常も認められません。けれど彼女にしてみれば、これ程のつらい思いをしているのだからどこか悪い箇所がある筈だと思い、その旨を医者に訴えたところ、遂に神経症扱いをされてしまい憤懣やるかた無いやら、情無い思いで帰ったというのです。
さて、皆さんこういう人はしばしば見受けられることなのですが、彼女は本当に異常がなかったのでしょうか。私の考えではやはり、腎臓が弱っていると思います。甘いものの過食で足に故障を起こした上、ジョギングで益々足を悪化させ、その為に腎臓がやられてくるのです。
果して、彼女を診察してみますと私の手には腎臓部に異常反応が感じられたのです。このように、検査数値には異常が見られないが問題のある腎臓病というのが在りまして、本人も病名がさっぱり判らないで一生を終えてしまうということはよくあるものなのです。
こうした類の病いを不全腎臓、若しくは鈍重腎臓(注 慢性疲労症候群)と呼んでいます。それでは少し鈍重腎臓の自覚症状について述べてみます。
①非常に疲れ易い。その疲れの特徴といいますと、午前中はまだいいが午後になれば立っていられずに、とにかく横にならずにはいられない。また夜更かしは平気でも朝起きられない。
②寝姿はうつ伏せが多い。この姿勢は腎臓にとっては楽なので無意識にそのようになる。裏を返せば、仰向けの姿勢で朝まで寝られるようにならなければいけない訳です。もし外出後に余り疲れているようですと、五分程うつ伏せになり腎臓微振動を行い、コップ一杯の水を飲んでおけば回復は早い。(注 腎臓微振動のやり方=うつぶせになり、誰かに手のひらで背中の腎臓部を小刻みに振動させてもらう。補助者がいなければ自分でやる。その場合は微振動するマッサージ機などを使っても良いと思います。)
③起床時に顔や手が腫れぼったいが、午後にはムクミは脚に回る。従って朝にスンナリ履けた靴を夕方には置きにくい。
④腰がいつも重だるい。
⑤喉がいつもすっきりせず、よく咳払いをする。
⑥目が疲れ易く、長く読書など出来ない。
以上のような症状が自覚されれば一応腎臓に赤信号が灯ったと思って下さい。
☆具体的対策 その1―「足」
それでは腎臓病の対策についてお話します。今までの話で足の故障と腎臓との関係をお判り頂けたと思いますが、従って腎臓病の方はあまり歩いたり、スポーツをして足脚を使うことを避ける方が良いのです。実際、腎臓病では権威でいらっしゃる大阪の住友病院の山本先生の治療法では、患者さんを絶対歩かせないのです。治るまでは半年でも一年でも風呂にも入らせない徹底ぶりなのです。
このように長期にわたる絶対安静を続けますと腎臓は快方に向います。ところが一つ困ったことかあるのです。それは、余りに長期のベッド生活のため、脚の筋肉がすっかり落ちてしまい、すぐには歩けなくなることです。これが泣き所になっています。
そこで私は、このジレンマを解決する方法、即ち脚の筋肉を衰えさせずにしかも足脚に負荷をかけず、足の故障も治る治療法として、西式健康法の毛管運動を推賞したいのです。これを朝晩熱心に実行されますと、血液循環も良くなり、神経麻庫も解消されるなど、余得もある優れた治療法なのです。
ただし、一つだけ注意しておかなければなりません。といいますのは、腎臓病の方が毛管運動を行う際には必ず足枠(足首を固定する直角の副木)をはめて下さい。そうでないと足首がグラつきまして、却って足の故障を悪化させることになるからです。こうした足枠毛管運動を一回1~2分として、一日12回くらい行ってゆけば良いのです。少し余談になりますが、毛管運動も長年行っていますと左右の脚を同じような調子で微振動させられるようになります。
ところが初めのうちは左右がアンバランスな振れ方になっていることが多いものです。この原因は脚の神経の麻庫によるものですが、振り難い側の脚にこの麻庫が存在する訳です。こうした足脚の持主で問題になるのは、両脚で操作を行う自動車や単車の運転です。つまり、神経麻庫のある側の脚はどうしても脳からの指令に対して反応が鈍いので、ペダル操作が遅くなり勝ちなのです。ですから、毛管運動をしてみて左右の脚がアンバランスな人は、余程自覚して運転しないと大事故を起こす危険があるということです。
私が運転免許の試験官でしたら、運転技能と共に毛管運動も科目にして判定したいですねえ。警察でも、免許更新の際には眼の検査と共に毛管運動を課して貰いたいものです。そして、不合格者には合掌合泄運動をさせて左右の神経のバランスを整えさせるものです。
さて、加えて脚の故障治療法には脚絆(きゃはん)療法があります。皆さん、ちょっと自分のふくらはぎを押してみて下さい。もし痛みが感じられるようでしたら、そこの部分に脚静脈炎があるのです。従って下肢の血流が悪くなり、痔を初めとして腎臓やリウマチ、関節炎等様々な疾患を招くことになります。そのため、この脚静脈炎を治しておかねばなりません。それには、脚絆療法が有効なのです。
☆具体的対策その2―「皮膚、背骨」
次に、腎臓病の方々は腎臓機能低下により尿酸が体内に溜まり易く、コレミーという老廃物を作ってしまいます。コレミーが産生されますと、肋間神経痛だとか五十肩などの痛みとなって現われます。
そこで、とりあえず痛みを軽減するために、全く塩分を摂らない食事法を一日行ってみたり、七掛湿布法(注 局部の痛みに有効とされる湿布法)を行います。さらに、腎臓で完全にろ過できず血液中に溜まり易い尿素窒素、クレアチニンを尿や皮膚から排泄させるようにして下さい。
そのために、温冷浴や裸療法を実行し、生水をせっせと飲むように心掛けねばなりません。温冷浴や裸療法を実行しますと、余得として皮膚が鍛えられて風邪をひかなくなったり、酸性に傾きがちな腎臓病の体液を理想的な弱アルカリ性に保つこともできるので、欠かさないようにしたいものです。
また余談になりますが、一般に、「自分の身体から一体どれだけ多くの毒素が排泄されているのか」という認識は薄いものです。特にガンや重症の腎臓病、肺結核など進行した病気をお持ちの方々から発散される臭気はきついものです。たとえば、皆さんがご自分で一晩寝ていた布団の中に寵っている空気を瓶に集めるとしましょうか。そしてこの瓶の中に、十姉妹(じゅうしまつ=小鳥)を放ってみて下さい。可哀そうに小鳥は死んでしまいます。それくらい強い毒性を示すものが皆さん方の皮膚から排泄されているのです。
さらに次には、腎臓を悪くされる方は大概頸椎の9番、10番に狂いがありますので、これを矯正しておく必要があります。即ち、平床のような硬い寝床に休み、金魚運動を行えばよろしいのです。
もし、喉に炎症を起していれば、からし湿布を施し、足首に炎症や痛みを感じるのであれば里芋湿布をあてがいます。また、足のムクミがひどくなった時には足首以下の温冷交互浴や脚湯法を駆使すれば軽くなり、疲労回復ともなるのです。なにもわざわざ利尿剤や消炎剤を使うことはありません。
☆具体的対策その3―「栄養」
最後に栄養の問題に少し触れたいと思います。腎臓病といえばムクミが代表的な症状のひとつですが、このムクミを怖れて水の飲み方を制限したり、塩分を減らしたりする方が多いようです。しかしながら、余りに極端な減塩も考えものです。
といいますのも、減塩に伴って胃の活動が鈍くなり、食欲が衰えてきますし、また足首の故障を助長させることにもなるからなのです。一方、水のほうですが、これはその飲み方に注意をすればいいのです。即ち、腎臓機能が最も活発になってくる午前中に照準を合わせて、その機能を補助すべく水や柿茶を補給するのがポイントです。
ただしこの際に朝食は絶対に摂らないで頂きます。朝食を食べて水を飲みますとムクミとなって現われてきます。例えば同じ五合の水を午前中に飲むとしましても、朝食を摂った方と摂らない方には差が出来てくるのです。即ち、前者では尿として四合しか出ないで差引一合分の水が身体に残ってムクミの原因となりますが、後者におきましては六合の排尿がみられ、却って身体の中の水分を一合分減らす結果となり、ムクミが取られるのです。従って、腎臓を悪くされている方は朝食を抜いて水を飲みさえすれば、案に反してムクミが軽減してくることになるのです。
そして、日常の食事におきましては生野菜や玄米といった自然で良好な食品を選び、しかも少食を守って頂きます。副食としまして、腎臓の働きを助けるべく黒豆、黒胡麻、昆布、黒ブドウ等々です。特に黒豆の煮汁を作っておき、疲れがみえてくる夕方頃に飲むのはいいことです。もっとも余り多く食べては逆効果ですので、あくまで薬だと思って少量食べることです。
腎臓病も軽度のうちは、以上のように少食に徹し、断食療法や生菜食療法を応用してゆけば案外簡単に好転してくるものです。ただ、病状も相当進行して尿素窒素が50㎎/dl以上にも高くなり、クレアチニンも50㎎/dl以上となりますと、一筋縄では参りませんので、少食にすることも危険です。
やはり、蛋白質摂取量を考慮しながら、一日に約1600~1800カロリーは必要とされます。また、血中にカリウム値が高くなってくれば、生野菜や果物もいけませんので生菜食療法を行うことも慎まないといけません。
一般に、腎臓病の患者さんは余り笑うということがありません。しかし、嘆き悲しんだり怒ったりしますと、体液は益々酸性化しますので、できるだけ気持ちを朗らかに持つように努めて下さい。患者さんを囲んで、家族全員でお多福の面でも冠って暫く生活をしてみるのはどうでしょう。患者さんに笑顔が見られるようになればしめたものですが………。
こうした結果、病状が好転してきたからといって、やはり甘いものやアルコール、邪食に舞い戻ったのではズルズルと後退しますから、よくよく注意して下さい。要するに足首の故障が完全に治るまでは、口を慎むことが大切です。大体、身体に良いものは利いてくるのが仲々遅くて、悪いものほどてきめんに影響が出るものなのです。
ですから、いくら熱心に足枠毛管運動を行ったり、足首に芋湿布を貼ってみても、少量のケーキや大福餅を食べたがために再び足首が痛み出してくるなどといったことはしばしば見受けられることです。従って、じっくりと正しい食事で少食の習慣を確実に身につけてゆくことが最も大切なことなのです。(以上転載引用 終わり)
甲田療法の具体的処方(養生法)
以上甲田先生の腎臓病に関する1985年の講演の記録を紹介しましたが、お話の対象は割に深刻な腎臓病ですから種々の療法についてのお話があり、西式健康法や甲田療法の知識がない方には理解、実行が難しいでしょう。そこで過去私が頂いた養生法をベースに具体的な改善法について私の体験を踏まえた日常の取り組み例を簡単に紹介したいと思います。
腎臓病の方はもちろん原因不明の疲労感がある慢性疲労症候群、鈍重腎臓にも高い効果があると思います。
甲田先生から頂いた養生法
①朝食抜き
講演の中にもありましたが、朝食抜きは非常に重要です。西先生も朝食抜きは西式健康法に入る入口であり、最も重要なものであるとおっしゃっています。また前夜の夕食から16時間の時間を空けて昼食とするのが理想です。
②青汁
青汁は原則5種類以上の野菜(葉野菜と根菜 香りの強いネギ、ニラなどは除く)とリンゴ、ミカンなど柑橘系(バナナやトマトなどは使いません)の果物をジューサーやミキサーでジュースやスムージーにしたものを午前中、午後の2回、各180cc飲みます。ちなみに私は360cc以上を目安に午前中にジュースで飲むことを日課にしています。少量の塩を加えることも忘れないようにしましょう。
③生水の飲用
養生法で私は1日3リッターの生水(柿茶ふくむ)の飲用を指導されました。通常は3リッターにこだわる必要はありませんが、生水の飲用は西式健康法の基本ですから意識的に取り組みます。特に午前中の飲用が重要です。朝起きたらまず500ccの水を飲用する習慣をつけます。排便促進の効果もあります。
④食事
主食は玄米にします。基本1回の食事にお茶碗一杯程度、副食は1回につき豆腐200gを目安にします。甲田先生の講演の中にある黒豆は腎臓機能の改善に高い効果がありますから、黒豆の煮物を煮汁とともに副食としても良いと思います。白身の焼き魚や煮魚を副食に加えることも深刻な症状でないかぎり構いません。養生法のキヌゴシゴマは練りごまの事です。間食はせず二食主義に徹します。
⑤温冷浴
温冷浴を正式に行うには井戸水程度の温度の冷水と温水(湯)の2つの湯舟が必要になりますから、普通は冷水シャワーを代用します。温冷浴は慣れれば快適ですが、実行が難しい場合はその分毛管運動に熱心に取り組みましょう。入浴前と入浴後に冷水を浴びるのも簡便法です。
⑥裸療法
重篤な場合や時間に余裕があれば別ですが、本格的な裸療法の実行は大変です。私が行っている簡便法はパンツだけになり、西式健康法の体操や身支度などを20分程度行うというものです。窓を開けて新鮮な空気を取り入れながら行います。
⑦健康体操
養生法には金魚運動(1日3回 各2分)、毛管運動(1日6回 各2分)、合掌合せき(1日3回 各100回)の指示があります。他の背腹運動、膝立金魚運動、蹴り上げについては×マークがあり、私はやらずともよいということでした。養生法で指示いただいた3つの運動はいまも習慣にしています。
また森美智代さんからの腰痛対策のアドバイスである膝立金魚運動(1日300回)や五井昌久先生が薦められた真向法(まっこうほう)も朝夕の習慣にしています。
それぞれの体操についてはネットで調べるか、森さんの下の著作にありますから手に入れてお読みください。
このご本は自宅での断食法の解説書で、各種の体操、体験談も掲載されており、西式甲田療法の入門書として最適です。
⑧スイマグ(ミルマグ)
養生法には朝フタ2杯の量を180ccの水で薄めて飲用とあります。スイマグは自然な排便をうながす下剤です。宿便の排泄やきれいな腸内環境には不可欠なものなので、これもそれぞれの体質、体調に合わせて習慣化することをお勧めします。
⑨板の上に寝て木枕をする
これについても上の森さんの本の中で解説されています。ネットで調べても良いでしょう。私はこれがどうしても出来ず薄い敷布団を敷いて寝ています。
⑩脚絆療法
脚を木綿の布できつく縛る療法ですが、これも実行は正直大変です。重篤な場合は有効です。
以上、養生法に記載の項目を私の体験や習慣を踏まえて簡単に解説しましたが、これらの項目を原則通りに実行するのは休業や入院でもしない限り、大変です。だから甲田先生ご存命中は甲田医院への入院を勧められていました。
よって、よほど深刻な状況でない限り、個人個人の生活に合わせては習慣にできそうなものをやりよいように工夫して行えば良いと思います。要は習慣化がポイントです。
自身の体験から特に重要だと思っているのは上の①②③④⑦⑧です。繰り返しますが、症状が重篤な場合は原則どおりの実践が必要です。
余談ですが、特別な場合を除き塩は精製塩でない自然の上質なものを積極的にとるのがお薦めです。塩の過剰摂取が問題になるのは質の悪い塩の場合です。また柿茶飲用も西式健康法の基本ですが、手に入れるのが大変な方はビタミンCの豊富な食材をとることや錠剤で代用しても良いでしょう。
長くなりましたので最後に今日のテーマの「腎臓病」についての甲田先生のご著作を紹介したいと思います。私の手元にある1980年刊行のご本です。2002年に改訂されたようです。
追記)森美智代さんの断食道場「あわあわ」(三重県名張市)で定期的に勉強会をしています。参加希望あれば森鍼灸院にお問い合わせください。森鍼灸院⇒http://www004.upp.so-net.ne.jp/mori-harikyu/eigyou.htm
今日の記事がお役に立てば幸いです。
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