仲良くなると絡んでくる人がいる。知り合って付き合い始めた頃は良い人なのに、一緒に暮らしたり、結婚したりすると、不機嫌になり、文句ばかり言い始める。やることなすことにケチをつけるので、相手になればケンカになる。
『親の毒・親の呪縛』(大和書房・二〇〇六年)という対談本の中にも、こうした例が出てくる。
原田純氏は、毎日のように父親に怒鳴られ、ぶたれ、出ていけ、死ね、と罵声を浴びせられ続け、殴りあいのケンカまでして育った。そして大人になると、男を修羅場へ導こうとし始める。ケンカになるよう、無意識に自分で仕向ける。殴ったり殴られたり、怒鳴ったり怒鳴られたりしないと愛が感じられなかったという。父娘関係の再現である。
対談相手の心理学者・岸田秀氏は、親から解放されていない人は、親との問題を恋愛にもちこむ。歪んだ親子関係は恋愛において反復される、と答える。
悪いことに、原田氏のように自身の傾向を自覚している人は少ない。まして他人が変えることはほぼ不可能だ。本人が自覚して家族関係を見直し、自分が変わるべく努力し始めて、やっとスタート地点である。そこから克服するまでの長い道のりが始まる。
修羅場を求めるのは極端な例かもしれないが、機嫌が悪い、文句を言う、ケチをつける、絡む等の態度を取る人は多い。しかしこうした態度を示すのは、関係が深まってからだ。その前に見抜ければ、無用なトラブルは避けられるのだが……。
冷静になって相手をよく見れば必ずヒントはある。しかし、恋愛で気分が高揚した状態で気づくのは、極めて難しい。



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