吉本ばななは『隆明だもの』の姉との対談で、母親の前夫(吉本隆明の友人)の息子と会った話をしている。前夫の息子は成功者だったようで、その家族のことを「セレブでした。某国で事業を始めてすごく成功して、牧場ももってらっしゃると。びっくりしました。そしてやはり良い人たちでした」と語っている。
結局のところ妻(恋人)を奪った方と奪われた方、どっちがいいかなんて誰にもわからない。本人がこれでよかったと思うしかない。同棲相手を小林秀雄に取られた中原中也は、悔しがって悲しんだが、そのおかげでああした恋の詩が書けた。
吉本ばななも「きっと私たちのお母さんとAさん、暗いご夫婦だったんでしょうね」と、母親と前夫との関係を想像している。そしてnoteに母親の虐待のせいで、自分は物語の中に逃げたと書いている。
吉本隆明の友人も、そのときは屈辱を感じただろうが、妻を奪われたからこそ平穏な暮らしができたのかもしれない。一方の吉本家では、ハルノ宵子と吉本ばななというアダルトチルドレン姉妹が、才能を開花させることになる。






