男女の関係はなぜうまくいかないのか(19) | シロナガスクジラのブログ

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人工知能研究者の黒川伊保子氏が書いた一連のトリセツ本(『夫婦のトリセツ』その他)は、夫婦関係や親子関係を改善したいと悩む人にとって、バイブルのような存在だ。

 

そもそも男と女でものの見方や、コミュニケーションの仕方が異なることは、なんとなくみんな気づいている。互いに「どうしてそんなこと言うの?」などと疑問に思っているが、違いを理解して、上手く行動しようとする人はほとんどいない。

 

それを具体的に表したのが、著者の言う「共感する女性脳」と「問題解決を目指す男性脳」だ。自分が言うことに共感してもらいたくて話している女性に、多くの男性が「そうだよね」とか「大変だったね」とは言わないで、いきなりアドバイスをしてしまう。だから男女が会話すると、たいてい話がかみ合わないで両者ともイライラするか、一方が不満を抱き、他方が自己満足する結果になる。

 

私自身も別れた妻に言われたことが忘れられない。結婚してすぐに「あなたの意見は要らない。話を聞いてほしいだけ」と言われたのだ。それまで適切な解決策を提示するのが夫の務めだと信じていた自分にとって、まさに目からウロコの体験だった。

 

こうした違いも、異性の兄弟姉妹がいる人には、自然とわかるのかもしれない。残念ながら、男兄弟しかいない私には、まったく理解できていなかった。若い頃にこういうことを教えてくれる大人がいれば、もっと女性にモテたのにと思ってしまうが、今はこのトリセツシリーズが助けになるだろう。もちろん理解しても、実行できるかどうかは別問題だが。