東京の端っこ在住。
21才のフリーター兼通信制大学生長女を筆頭に、高3、中3(2024年現在)3人の娘を育てるアラフィフ女子。
特筆すべき点もないありふれた日常を、独断と偏見でぶった斬る???娘たち曰く「見た目はオバさん、心はオジさん。世の中の常識が通用しない、サバイバル系不死身の過激派」らしいです。
お暇なときにちらりと覗きに来ていただければ幸いです。
こんにちは侍ままんです。
昨日、次女の高校の体育祭を観覧して参りました。
率直な感想
思ったよりも感動した
それは多分、出来ない子たちの頑張りを見てしまったから。
次女の高校は専攻が5つある専門高校。1つの専攻で1クラスですので、5つの専攻×3学年で全部で15クラスしかない、都立高校としては極めて小規模な学校といえます。その分一人一人の教育が手厚く、より専門的な教育を受けることができるというのが特徴です。
それでこの専攻の内容というのが実に様々でして、一口で美術高校といっても、次女がいるグラフィックアート科はパソコン業務を専門とした、よりインドアな人物が多くいるクラスです。方や旋盤や溶接を専門とするダイナミックな科があったり、大工さんの木組みや建築の製図を学ぶ緻密な科があったりと、クラスごとにかなり【人間の質】に差がある学校なのです。
つまりクラスごとにカラーが全く異なり、まさに【みんな違ってみんな良い】を体現している環境といえるでしょう。
そんな本校の体育祭は
専攻対抗で行われます。
想像がつきますでしょうか。
次女がいるグラフィックアート科はここうん十年もの間、断トツの最下位を不動のものにしてきました。(笑)
だってグラフィックアートの生徒たちは基本的に、アニメ大好き、ゲーム大好き、お絵描き大好きという【THEオタク】ばかり。太陽の光を浴びたら消えてなくなるレベルの子たちが(笑)大勢いるのです。
それが溶接工と闘わないといけないんですよ
大工の棟梁と綱引きして勝てるはずがないでしょう
そういう前提の体育祭なのです。
そんな状況の中、結果から言いますと今回、なんと準優勝だったの
上から二番目
溶接工にも勝ったんですよ
歴史的な快挙です。
そこには実はプロジェクトXばりの努力がありました。
https://youtu.be/v2SlpjCz7uE?si=q_XaM17pHlnc1GW1
担任のおじいちゃん先生はこの道うん十年の大ベテラン。実はうちの学校はつい最近まで都立高校なのに異動がないという終身雇用方式でした。
授業内容があまりにも特殊だからだと思います。それでも最近は工業高校、商業高校、美術高校の間で異動が行われるようになったみたいで、それはそれで全く畑違いの学校に行くことになるということで先生的には大変みたいです、、、
で、おじいちゃん先生は今年次女たち3年生を送り出したら正規雇用は終了、いわゆる定年退職を迎えるのです。余談ですが来年からきっぱりいなくなるというわけでもなく、非正規雇用みたいな形でお安く働かせられるみたいなことをボヤいていましたけれども、、、
そんな事情がある中
子どもたちは「教員生活最後の贈り物として、先生に最下位以外の結果を贈ろうではないか」立ち上がったというのです。
熱いね~
若いね~
だけれどもよ
思い立ったとて貧弱には変わりなし(笑)
今から体を鍛えられるわけもなく、どうするべきかと頭を使った。
ひとつ思い当たる節として、かつての先輩方はとにかく【勝つ気がなかった】という結論に行き着いたというのです。
「どうせうちらは運動なんかやったこともねえし、体育祭は参加するだけでオッケー」というスタンスでいままで来ていたのは間違いない。
この負け犬根性を見直さねばならぬ
そこで3年生は下級生をとことん教育することにしたという。
「諸君!!我々は今まで本気を出していなかっただけだ!!今こそオタクの底力を見せる時が来たのだ」
そうして今年の1年生は負け犬根性が身につく前、つまり入学して間もないころから体育祭で勝つための英才教育を施されたのだそうです。
プロジェクトX
そういえば春休み中から、体育祭でやるダンスの振りとかを練習しに行ってたもんね。
正直「早くね???」って思ってました。
そしたら「今年は1年生が入ってきたらソッコー教え始めないといけないから、それまでにうちらは完ぺきに仕上げておかないといけないんだ。」と言っていましたよ。
なるほどそういうことだったのね。
そういうわけで、計画はもう去年のうちから始まっていたというわけです。
ね、壮大でしょう???
そして、その練習はダンスにとどまらず大縄跳びやムカデ競争、リレーなど、公園などに集まってかなり長期に渡って真面目に行われていたそうです。
知らなかった、、、
その結果の準優勝だったわけです。
特に最後のクラス対抗リレーは伝説的でした。
とにかくグラフィックアート科には男子が5人くらいしかいなくて、その子たちも決して足が速いほうじゃないわけ。
他の科だとクラスの半分くらいが男子のところもあったり、俊足の男子がいるところもあるんですよ。
そんな中リレーのアンカーには、とりあえずクラスで一番足が速いとされるサカモト(仮)が選ばれたわけです。(あえて呼び捨てにさせて)サカモトは自分でも特に足が速いわけじゃないのを知ってるから、本当はアンカーなんかやりたくなかったんだって。たぶん今までの人生でもやったことないはずなのよ、アンカーなんか。
でももう今のクラスにあっては、現実問題サカモトよりも足の速い人間はいないんです。サカモトがやるしかないんですよ
このときのサカモトの心境を考えただけで泣けるよね。
だが、サカモトは決意した。
プロジェクトX
それで作戦としてはサカモトにつなぐまでに、とにかく2位との差を半周くらいつけて1位をキープすること。他のクラスはアンカーに最速の男子をそろえているのです。だがしかしアンカー以外はそこまで大差がない。そう踏んだ彼らは先行逃げ切りの作戦を立てました。
それで本番。
うまいこと半周とはいかないまでも、1/4周ほど大きく差をつけてサカモトにバトンが渡ったのです。みんなは叫びました。「行け~~サカモトぉぉぉぉぉ」それは絶叫に近かったと思います。サカモトも渾身の力を込めて走ったに違いない。だがしかし、しばらくしてサカモトの後を追ってきた男子はスーパーカー並みに速かったぐんぐん差は縮まっていく。「サカモトぉぉぉぉぉ頑張れぇぇぇぇぇ」みんなは叫んだ
ゴール前3メートル地点、ついにサカモトは抜かれて2位となりました。
それでも2位よ
みんなは大喜びだったよね。
「サカモトよくやった~~~」
長期に渡る
オタクたちの革命は大成功でした。
もしもこのリレーで1位を取れていたら奇跡の優勝を手にできていたかもしれない。でもそんなことはどうでもいいんです。オレたちはできる限りの努力をして、最下位を脱出したんだそれで十分です。
オタクだって
やれば出来るんだ
出来ないことは恥ずべきことじゃない。
問題なのは、やろうとしないことだ。
ここでこの曲を聴いて
もはやサカモトのテーマ曲(笑)
【I dont' want to miss a thing】
https://youtu.be/qdX6XrDOOrM?si=5Y9a72FdG9lAvJ3U
あきらめなければ
試合は終わりじゃない
【運動音痴の運動会】
まさかこんなに感動するとは思いませんでした
青春っていいよね
ただ心配なのは金曜日にやるはずだった体育祭を水曜日にやったから、
翌日は普通に授業が行われるそうです。
突然実習の提出があるんだって。(笑)
大丈夫かな
やっぱり基本は虚弱体質だから(笑)
頑張れみんな
人生は甘くない
感動をありがとう
そして授業もちゃんと受けてね
オマケ
https://ameblo.jp/inside-field-soulfull/entry-12853987599.html
次女のオリジナル体操ですが、開会式ではラジオ体操第一、閉会式では屈伸やアキレス腱など定番の整理体操となりました。
予行ではちょっとオリジナルを入れてみたんだけど、あまりにグダグダになったので(笑)やめたそうです。
東京に来て以来、極力目立たぬように生きてきた次女ですが『みんなの前に立つのも別に平気になってきた』と仰いました。
昔はブレックススタジアム3000人の前でへそ出して踊っていたんだけどね
みんなこうして
大人になって行くんだ