先生への質問#1 | オヤジの休日 進展型肺小細胞がん からの今

オヤジの休日 進展型肺小細胞がん からの今

2010年9月進展型肺小細胞癌ステージ4罹患
2015年9月完治宣告を受け、新たな事にチャレンジしたくて仕方なくなり、2016年1月サラリーマンを卒業。

2017年、ブックカフェ栞日を開業し、そこを肺がん患者会 ライオンハート岡山の事務局とし町なかがんサロンとして活動中

まだパールリボンキャラバンネタで引っ張ります(笑)

 

岡山では、会場からの質問にも相当頑張って答えました。

ですが、全部に答えれたわけではなく、残った質問をどうするか?

 

真面目で紳士な先生の心優しい気配りで、残りの質問にも回答を下さる約束をしてくれました。

 

会場でも、そのことはお伝えしましたが、お忙しい先生達なので年越し必須とアナウンスしました。

 

そこを頑張って、今日回答を返して下さったんですね。

 

なので、お約束通り回答をアップしますね。

長文になりますが、お付き合いください。

 

その前に、先生有難うございました。

まるで、公開セカンドオピニオンですね。

こんなに真剣に患者に向き合って下さる先生がいるって有難い事ですね。

不用意な回答は出来ないと思われるものでも真摯に考えて下さり、真面目に答えて下さってますのでとても貴重なブログです。

 

お忙しい中で、回答をいただき有難うございます。

 

Q1)

CT検査で肺のあちこちにスリガラス状の影があり、経過観察半年に1回のCTで影が濃くなった所を手術。10年前に第一回、其の後5年後、其の後4年後と3回手術をしました。残りは半年に1回のCTで経過観察。手術は今後出来ない。其の間影が黒くなるのを待って処置するの繰り返し。
現在の医学では、スリガラス状の時の治療は出来ないのでしょうか?肺は小さくなって今後、影がこくなった時の治療が不安。

A1)

ご質問ありがとうございます。すりガラスの際に治療をできないか?というご質問ですが、単純には技術的には切除や放射線治療は可能です。しかし治療を行う場合は、良い面と悪い面を天秤にかけて行う価値があるかどうかを判断します。外科切除や放射線照射に害がなければあまり悩まずに見えているすりガラスを治療してしまえばよいことになります。しかし実際は、どんどん切除や放射線照射していくと正常な肺が少なくなってしまい、呼吸がうまくできず酸素不足になってしまいます。すりガラス状の陰影は、前癌病変の可能性があり濃くなった場合は癌に進展したと判断して切除をしてきた経緯と推測いたします。残りのすりガラスが今後どのような経過をたどるかは追いかけていかないとわからないのが実情です。癌に進展するかもしれないし、進展せずに数年変化なく経過するかもしれません。とすると、現状は癌になっていない特に悪さもしていないすりガラスの全部を切除、放射線照射など治療していくことは、良い面と悪い面を比較した時に悪い面へ天秤が振れてしまう可能性があります。そのため監視をしながら、経過で対処をするというのが一般的な方針となります。非常に不十分な方法であることは担当の先生も理解され、心苦しく思いながら経過監視、治療されているかと思います。どうかご理解いただければと思います。

 

Q2)

キートルーダを3回している。注意することは何でしょうか?

A2)

ご質問ありがとうございます。キイトルーダなど免疫チェックポイント阻害薬の有害事象がでる時期について、現在はっきりしておりません。
1回で重篤な副作用が出ることもあれば、長期間使用後に副作用が出てくることもあります。また免疫関連有害事象は多岐に渡るため特定のことに絞って注意することも難しいのが現状です。
担当医、看護師さん、薬剤師さんへ体調の変化など適宜報告、相談しながら治療を継続されるのがよいかと思います。

 

Q3)

一般的に云われている食事療法の併用という形は有効でしょうか
肺腺がんステージ4 48歳女子

A3)

食事療法が有効かどうかは科学的には確立していませんが、食事をきちんと摂ることは肺癌治療に限らず非常に重要なことであります。毎日の食事が治療ということで制限されたり、特殊なものになるのは個人的にはあまり好ましいこととは思いません。人生の楽しみとしておいしく食事をされるのがよいかと思います。

 

Q4)

「免疫の暴走は命をうばう」をもっと詳しく知りたいです。

A4)

ご質問ありがとうございます。時間の関係で副作用の説明ができず申し訳ありませんでした。
免疫の暴走として一番身近にあるものとしてアナフィラキシーショックという言葉を聞いたことがあるかもしれません。蜂に刺されて亡くなられる方が毎年いますが、毒で亡くなるのではなく昆虫の体液に対して、人間の免疫が過剰に反応し、暴走した結果、窒息死やショック死を招きます。このことから免疫の暴走は人間の命を奪うことをイメージいただければと思います。免疫はよくもわるくも強い力をもっており、正しく働ければ治癒を期待させる著明な抗がん作用を示す一方で、攻撃する相手を間違えて暴走し人体を破壊すれば致命傷となることもあります。この暴走を完全に予測、また確実にコントロールする方法がないため、慎重に治療、観察していく必要があります。

 

Q5)

先進医療で”周術期カルペリチド静脈内投与による再発抑制療法”というのがあります。どうゆう人が対象となるのでしょうか?
対象の人の場合、手術前にDrより言っていただけるのでしょうか?
非小細胞肺がん(腺がん)Ⅱ期をうかがわれ、抗がん剤をせず胸腔鏡下でオペをしましたが、特に言われなかったので少し後悔しています。
実際は、1Aだったのですが再発率が高いと聞くと不安です。
質問の仕方が良く分からないのかもしれません。

A5)

ご質問ありがとうございます。先進医療にて、特定の病院でのみ投与が行われております。岡大病院を含め岡山大学関連の施設では肺がん術後にカルペリチドの投与を行っておりません。メカニズムからは効果がある可能性がありますが、まだ完全に実証されておらず効果があるのかないのか不確かな治療であり、強く推奨されるものではないと考えております。カルペリチド投与をしなかったらといって悔やむ必要はないと思います。

 

 

質問した人が全てこのブログを見るとは限らないのに、とてもまじめにお答えいただき感動しました。

先生有難うございました。

 

 

 

 

 

 

 

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