友部 正人（ともべ まさと/本名：小野正人/1950年5月25日～）は、日本のフォークシンガー、詩人。
1950年5月25日、小野正人は、東京都下の吉祥寺に生まれる。父親は、青森県出身者。
小学校入学と同時に札幌へ転居。その後は、各地を転々として育つ。
愛知県立熱田高等学校へ進学。
高校時代、友人らとビートルズのコピーバンドを結成、ギターが得意でなかったためベースなどを担当する。
その後、ボブ・ディランの“ライク・ア・ローリング・ストーン”を聴き、衝撃を受けソングライティングにのめり込むようになる。
高校卒業と同時に家を飛び出し、ウッディ・ガスリー、レッドベリーらが汽車の中で行ったという、人々の感情を歌うスタイルを日本でやりたいという思いから、路上で歌い始める。
やがて学生運動に参加するようになり、火炎瓶を投げ、鑑別所に入れられてしまう。
1960年代末、名古屋市から大阪市に移住。西岡恭蔵、大塚まさじらと出会い、高田渡を通して喫茶店に通い古書店で詩集を読む生活をする。
1969年、京都フォークキャンプに参加。
1971年、中津川フォークジャンボリーに参加し、シバ、岩井宏、いとうたかお、山本コウタローらと、武蔵野タンポポ団のセッションに参加。
1972年1月25日、LP(アルバム)『大阪へやって来た』でURCレコードからデビュー。“まちは裸ですわりこんでいる”収録。
※表題曲はライヴ音源
4月25日、EP(シングル)“一本道”／“まちは裸ですわりこんでいる”をベルウッド・レコードから発売。
7月15日、シングル“もう春だね”／“乾杯”をURCレコードから発売。音源はスタジオ・レコーディングされたものではなく、A面B面とも1972年5月に大阪市天王寺公園野外音楽堂で開催されたライブ「春一番」での音源を収録されたもの。
1973年1月25日、代表作と言われるアルバム『にんじん』を発売。“乾杯”、“一本道”、“西の空に陽が落ちて”収録。
10月、アルバム『また見つけたよ』をCBS・ソニーから発売。“反復”収録。収録曲“なんて酸っぱい雨だ”の歌詞にあった「黒んぼさん」という言葉がネックとなり、CBS・ソニーからは再発されなかった。
同年、美輪明宏にコンサートへのゲスト出演を依頼し、共演を果たす。
その後、半年間アメリカを放浪。
1975年3月、帰国後、坂本龍一がピアノで参加したアルバム『誰もぼくの絵を描けないだろう』を発売。“ひとり部屋に居て ”、“おしゃべりなカラス”収録。収録曲“長いうで”の歌詞中にある「4つ足」が問題になり、CBS・ソニーから再発されなかった。
1976年8月21日、スカイドッグ・ブルースバンドをバックにレコーディングしたアルバム『どうして旅に出なかったんだ』を発売、“はじめぼくはひとりだった”収録。収録曲“びっこのポーの最後”のタイトルと歌詞に差別的表現があるとして回収の憂き目に遭う。“ちびっこのポーの最後”に改題して乗り切ろうとしたが、駄目だったと述懐したことがあるが、真偽は不明。
その後、しばらくメジャーレーベルから離れる。
1980年4月、アルバム『なんでもない日には』をキューブから自主リリース。“ぼくは君を探しに来たんだ”収録。
1981年、“びっこのポーの最後”の新録版を含む『どうして旅に出なかったんだ』を『1976』と改題して自主リリース。
6・7月、NHK『みんなのうた』に「友部正人、森の木児童合唱団」名義で“お地蔵さんロンド”が放送。
1983年、シングル“月夜の盗賊たち”／“雪の砂漠”をジャパンレコードから発売し、メジャー復帰。
6月、アルバム『ポカラ』をジャパンレコードから発売。“月夜の盗賊たち”、“雪の砂漠”収録。
1984年4月、アルバム『カンテ・グランデ』をリリース。
1987年2月10日、アルバム『6月の雨の夜、チルチルミチルは』をテイトムセンから発売。
1989年7月21日、アルバム『夕日は昇る』をMidi Inc.から発売。収録曲“戦死”にシーナ＆ザ・ロケッツの鮎川誠がギターで参加。
1990年に入ると、ニューヨーク市に頻繁に行くようになり、デイヴ・ヴァン・ロンクにギターを習う。
また、ポエトリー・リーディングや『北海道新聞』の夕刊連載などでエッセイを発表するなど、活動の幅を広げる。
1991年2月21日、シングル“グッドモーニングブルース”と、アルバム『ライオンのいる場所』を同時発売。
1992年3月5日、たまとのセッション・アルバム『けらいのひとりもいない王様』を「友部正人＆たま」名義でリリース。たまのメンバーであった知久寿焼は、高校生の頃から友部宅に出入りしていた。
5月21日、アルバム『遠い国の日時計』を発売。
1993年3月25日、前年の1992年、デビュー20周年記念コンサート(日仏会館2日間)のライヴ録音した3枚組ライヴ・アルバム『僕の展覧会』を発売。演奏はグルーヴァーズ(藤井一彦、高橋・BOB・敏彦、藤井ヤスチカ)、水谷紹、リクオ、知久寿焼、駒沢裕城、三宅伸治、ロケット・マツ、河口修二。 オリジナルアルバム未収録曲は、“別れの歌”、“もう春だね”、“熱くならない魂を持つ人はかわいそうだ”、“絵はがき”、“いっぱい飲み屋の唄”。カヴァー曲は“グッドナイト・アイリーン”、“ラブ・ミー・テンダー”、“ブリング・イット・オン・ホーム・トゥー・ミー”。
※画像の音源は、収録音源とは異なる。
1994年6月21日、「友部正人&矢野誠」名義でコラボレーション・アルバム『雲のタクシー』をミディクリエイティブから発売。
11月21日、アルバム『奇跡の果実』を発売。“朝は詩人”収録。
1996年9月26日、アルバム『夢がかなう10月』を発売。“月の船”収録。
1999年2月1日、アルバム『読みかけの本』を発売。“愛はぼくのとっておきの色”収録。
2000年1月19日、アルバム『no media 1』を発売。友部正人プロデュースによる、ミュージシャンの自作詩の朗読オムニバスアルバム。音楽は使用せずに朗読している。参加者は、真島昌利、知久寿焼、高田渡、山口洋、オグラ、宮沢和史、水谷紹、宍戸幸司、遠藤ミチロウ、仲井戸麗市、友部正人。
9月27日、アルバム『no media 2』を発売。詩の朗読アルバム第二弾。前回同様音楽は使用していない。参加者は、田辺マモル、山川ノリオ、松本隆、真島昌利、原マスミ、片桐麻美、スラチャイ・ジャンティマトーン、知久寿焼、フランク・クリスチャン、三宅伸治、サヨコ、友部正人。
2001年11月28日、アルバム『休みの日』を発売。
同年、ニューヨーク・シティ・マラソンに初出場、以降ほぼ毎年出走しており、66歳で参加した2016年は3時間23分29秒、72歳で参加した2022年は4時間17分36秒で完走するなど、高齢になっても健脚を保っている。
2004年5月8日、アルバム『何かを思いつくのを待っている』を発売。
2005年11月9日、アルバム『Speak Japanese, Amarican』を発売。
2008年3月5日、アルバム『歯車とスモークド・サーモン』を発売。
2009年6月6日、ふちがみとふなととのユニット「LDK」名義でアルバム『二つの午後』をLDKから発売。
2010年2月7日、三宅伸治と共同でコラボ・アルバム『ロックンロールやってます』を発表。
9月17日、アルバム『クレーン』をTM Office（友部正人オフィス）から発売。
2013年5月3日、アルバム『ぼくの田舎』を発売。
2016年、それまでマラソン練習を続けながら、所有するアパートがあるニューヨークと日本とを往復する生活を愉しんでいたが、この年にNYのアパートを引き払い日本に定住。その様子をWeb日記に書いている。
9月17日、アルバム『ブルックリンからの帰り道』を発売。
2017年、三宅伸治の恒例ライヴ「真夏の夢 どっぷりと3days 磔磔」に友部と鮎川がゲスト出演、この時初めて「3KINGS」を名乗る。こうして以前から交流のあった、日本におけるフォークの王様こと友部正人(歌,ギター＆ハーモニカ)、ロックの王様・鮎川誠(歌とギター,ベースM6)、ブギーの王様・三宅伸治(歌,ギター＆足板)が集まり、バンド「3 KINGS」を結成した。
2018年、スリーキングスはライヴツアー（東京ー名古屋ー大阪―鹿児島―熊本ー福岡）を実施。
同年、スリーキングスの結成一周年を記念して、京都磔磔にて祝一周年ライヴを開催。
同年、1stアルバム『３KINGS SING THE BLUES』を発表。スリーキングス・レコ発ツアー（岡山ー鳥取ー横浜ー甲府ー東京）を実施。
7月28日、友部の初期CBSソニー時代のアルバム『また見つけたよ』、『誰もぼくの絵を描けないだろう』が、SHOW BOATから紙ジャケット仕様CDで再販。
2019年、スリーキングス2ndアルバム『王様のノイズ』をリリース、レコ発ツアー （札幌ー函館ーいわき・水戸ー東京ー四国・九州ー高山・金沢 etc）を実施。
2020年8月7日、2019年ツアーの宮崎・ウェザーキングにおけるフル・ライヴ映像をDVD化した『暴走列車』をリリース。新曲“暴走列車”を含む全18曲に、2枚組DVDボーナストラックとして選りすぐった6曲のライヴ映像も含めた、全24曲収録。
9月11日、アルバム『あの橋を渡る』を発売。
12月12日、エッセイ集『歌を探して 友部正人自選エッセイ集』をちくま文庫より発売。
(参照)
Wikipedia「友部正人」
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