ヒラリー・スコット(Hillary Scott/出生名:Hillary Dawn Scott/本名:Hillary Dawn Scott-Tyrrell/1986年4月1日~)は、カントリー・ミュージック・グループ「レディA」 のツイン・リード・ヴォーカリストとして名声を博したアメリカ合衆国のシンガー ソングライター。

 

 

 

1986年4月1日、ヒラリー・ダウン・スコットは、アメリカ合衆国テネシー州ナッシュビルで、カントリーミュージックアーティストのリンダ・デイヴィスとミュージシャンで起業家のラング・スコットの間に生誕。彼女はスコットランド人とネイティブ・アメリカンの子孫である。彼女には、2000年生まれの妹ライリー・ジーンがいる。

 

スコットは幼稚園に向かう途中でホームスクーリングを受けた。

ドネルソン・クリスチャン・アカデミーの小学校と高校に通い、2004年に卒業。

 

両親が母親の音楽キャリアのためにツアーをしていた間、彼女は祖父母と同居。

母親と一緒にクリスマス・ショーのステージに上がった後、彼女は音楽のキャリアを追求することを確信した。

 

14歳の時、スコットはカントリー歌手になることを決意した。また、妹のライリーは彼女より14歳年下である。彼女はこの2つのことから、敬意を表して14という数字のタトゥーを入れている。

 

 

高校卒業後、ヒラリー・スコットはミドル・テネシー州立大学(MTSU)に進んだ。MTSU在職中、スコットはシンガーソングライターのヴィクトリア・ショーと共演し、ある程度の知名度を獲得したが、メジャーレーベルとの契約を取り付けることができなかった。彼女はリアリティ・ショー番組『アメリカン・アイドル』のオーディションを2回受けたが、どちらも審査に残らなかった。

 

 

2006年5月、スコットはナッシュビルのバーでチャールズ・ケリーに遭遇し、彼の音楽をMySpace ページで確認した。スコットは自己紹介し、ケリーの音楽を褒めた。それが彼にデイヴ・ヘイウッドと一緒に曲を書こうという決断をもたらした。彼らが最初に書いた曲は“All We'd Ever Need”であった。この曲はもともとスコットが演奏するために書かれたものであったが、彼女はケリーにデュエットにするべきだと説得した。このことからバンドを結成するに至った。

6月、彼らはバンド名を「レディ・アンテベラム」(Lady Antebellum)に決定した。「アンテベラム」(antebellum)とは「アメリカ南北戦争以前」の意。彼らがテネシー州フランクリンを訪れた時に「アンテベラム・ホーム」と呼ばれる古い家々に感銘を受け、語呂の良かった「レディ」を頭に付けたのがグループ名の由来である。グループの結成ラインナップは、ヒラリー・スコット(Hillary Scott/Vo)、チャールズ・ケリー(Charles Kelley/Vo)、デイヴ・ヘイウッド(Dave Haywood/Cho,G,Pf)。

8月、グループは初めて一緒に演奏した。

 

 

2007年、キャピトル・ナッシュビルとレコード契約を締結。 スコットは、ソロアーティストであるよりもバンドのリード・シンガーである方がステージ上でのプレッシャーを軽減できると語る。

同年、シングル“Love Don't Live Here”で全米デビュー、米音楽誌『ビルボード』(Billboard)の総合シングル・チャート「Billboard Hot 100」(以下「全米」)53位、同誌「カントリー・ソングス」チャート(以下「米カントリー」)3位を記録する。

 

 

2008年4月15日、1stアルバム『Lady Antebellum』で全米アルバム・デビュー、『ビルボード』誌の総合アルバム・チャート「Billboard 200」(以下「全米」)4位、同誌「カントリー・アルバム」チャート(以下「米カントリー」)1位を記録。ここからのシングルは他に、"Lookin' for a Good Time"が全米67位・米カントリー11位・RIAAゴールド、"I Run to You"が全米27位・米カントリー1位・全英118位・RIAA: 2× Platinumを獲得、さらに本アルバムは、第51回グラミー賞にて2部門でノミネートされる。

 

 

 


2009年8月11日、2ndアルバムからの1stリード・シングルとして、タイトル・トラック “Need You Now”をリリース、バンドにとって自己最高の全米2位・全英15位・RIAA 11×プラチナ・BPIダブル・プラチナをはじめ世界各国で大ヒットを記録する。初の受賞となった第52回グラミー賞にて授賞式で本曲の実演も果たす。



2010年1月11日、2枚目のリード・シングル"American Honey"をリリース、全米25位・米カントリー1位・RIAAプラチナをマーク。

 

1月26日、2ndアルバム『Need You Now』をリリース、発売初週に48万1千枚の初動を記録する。これはスーザン・ボイルが初週売上70万1千枚を記録した前年11月以降において最大のアルバム初動であり、カントリー・アルバムとしてはテイラー・スウィフト『フィアレス』が初週セールス59万2千枚を記録した2008年11月以降で最大のアルバム初動でもある。2週目に20万9千枚、3週にも20万8千枚売れ、同年米国で最初に売上100万枚を突破したアルバムとなり、4週全米1位、全英も8位を記録する。ここからは他に、"Our Kind of Love"が全米51位・米カントリー1位、"Hello World"が全米58位・米カントリー6位に入った。

 

 

 

5月、インターナショナル・デビュー。日本でこのアルバムには『ニード・ユー・ナウ ~いま君を愛してる』という邦題がついている。

8月17日、EP『iTunes Session』をリリース、全米17位・米カントリー3位。

10月12日、EP『A Merry Little Christmas』をリリース。全米12位・米カントリー4位・「ホリデー・アルバム」チャート1位。

 

 

2011年2月13日に開かれた第53回グラミー賞では6部門にノミネートされ、5部門(Best Country Album, Record of the Year, Song of the Year, Best Country Performance by a Duo or Group with Vocal,Best Country Song)で受賞した。
5月5日、次作アルバムからのリード・シングルとして、スコットも曲作りに共作で加わった“ジャスト・ア・キス~幸せの予感” (Just a Kiss)をリリース、全米7位・米カントリー1位を記録。同曲は同年10月から2012年3月までテレビ東京系列で2年半ぶりに復活した『水曜ミステリー9』のEDテーマに起用された。

 

9月13日、3rdアルバム『夢の貴婦人』(Own the Night)をリリース、全米1位・全英4位。ここからは他に、"We Owned the Night"が全米31位・米カントリー1位・RIAAゴールド、"Dancin' Away with My Heart"が全米46位・米カントリー2位・RIAAゴールド、"Wanted You More"が全米34位・米カントリー20位をマークした。

 

 

 

 

 

2012年10月22日、クリスマス・アルバム『On This Winter's Night』をリリース、全米8位・米カントリー2位・全英56位を記録した。

 

 

11月27日、ボックス・セット『Need You Now/ Own the Night』をリリース、全英80位・英カントリ―1位。

 

 

2013年5月6日、4thアルバム『Golden』をリリース、全米1位・全英7位をマーク。   ここからは、 "Downtown"が全米29位・米カントリー2位・RIAAプラチナ、 "Goodbye Town"が全米80位・米カントリー22位、"Compass"が全米46位・米カントリー6位・RIAAゴールドを獲得した。

 

 

 

 

 

2014年9月30日、5thアルバム『747』をリリース、全米2位・米カントリー2位・全英12位・英カントリ―1位をマークした。ここからは、"Bartender"が全米31位・米カントリー4位・RIAAプラチナ。

 

 

 

2017年6月9日、6thアルバム『Heart Break』をリリース、全米4位・米カントリー1位・全英14位・英カントリ―2位。ここからは、"You Look Good"が全米59位・米カントリー8位。

 

 

 

2019年11月15日、7thアルバム『Ocean』をリリース、全米11位・米カントリー2位・全英29位・英カントリ―1位。ここからは、"What If I Never Get Over You"が全米40位・米カントリー5位・RIAAプラチナ、“Champagne Night"が全米33位・米カントリー7位・RIAAプラチナ。

 

 

 

 

2020年6月11日、バンド名を「レディ・A」(Lady A)に改名することを発表した。旧バンド名の由来である南北戦争は南部の州が奴隷制の維持を目的にそれを廃止しようとする北部の州と戦った背景があり、アンテベラムには奴隷制を含む南部の文化を懐かしむという響きを持っていた。だが、同年アメリカで起きたジョージ・フロイドの死をきっかけとした人種差別への抗議デモを受けて改名に至った。

 

 

2021年10月22日、8thアルバム『What a Song Can Do』をリリース、全米135位・米カントリー12位・英カントリ―1位。ここからは、"Like a Lady"が全米85位・米カントリー20位をマークした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(参照)

Wikipedia「Hillary Scott」「レディA」「Lady A」

 

 

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