アダム・レヴィーン(Adam Noah Levine/1979年3月18日~)は、アメリカ合衆国のシンガー・ソングライター、ギタリスト、「マルーン5」のヴォーカル担当。

 

 

アダム・ノア・レヴィーンは、ロサンゼルスで、小売チェーンM.フレドリックの創設者であるフレドリック・レヴィーンと、入学カウンセラーであるパッツィ(旧姓ノア)・レヴィーンの間に生まれた。彼には兄弟マイケル、2人の姉妹(サムとリザレバイン)、そして義理の姉妹ジュリア・バルトルフミルンがいる。

父と母方の祖父はユダヤ人で、母方の祖母はプロテスタントだった。

 

7歳の時、両親は離婚、成長してからは、平日を母親と、週末を父親と過ごしたが、

音楽にあふれた環境に育った。特に強い影響を受けたのは、母親パッツイィのアイドルだったサイモン&ガーファンクル、フリートウッドマック、ビートルズであった。


1994年、LAのブレントウッド・スクール(Brentwood School)に通う。そこで出会った仲間とバンド「カーラズ・フラワーズ」(Kara's Flowers)を結成。メンバーは、アダム・レヴィーン(Vo,G)、ジェシー・カーマイケル(Key,G)、ミッキー・マデン(B)、ライアン・デューシック(Ds)の4人。

 

1995年9月16日にLAの伝統的なライヴハウスに出演。地元で評判を呼ぶようになった彼らは、あるライヴでグリーン・デイのメジャー・デビュー後のアルバムを手掛けたプロデューサーのロブ・カヴァロ(Rob Cavallo)と出会う。彼の後押しもあり、ワーナー・ミュージック・グループのリプリーズ・レコードと契約を交わし、カヴァロのプロデュースでアルバムを制作。アルバムには元ジェリーフィッシュのロジャー・マニングやベックの父デヴィッド・キャンベルも参加した。

 

 

1997年7月22日に1stシングル“ソープ・ディスコ”(Soap Disco)をリリース。

 

8月19日、アルバム『フォース・ワールド』(The Fourth World)をリリース(日本では10月5日にシングル・アルバム同時発売でデビューした)。

 

その後、リール・ビッグ・フィッシュやゴールドフィンガーとツアーを催行。

この頃、米国の人気TVドラマ『ビバリーヒルズ青春白書』に劇中バンドとして出演。

しかし、アルバムは商業的成功を収めることができず、発売後半年で廃盤となる。

 

 

1999年、所属レコード会社を去る。

バンド活動が停滞したため、ミッキーとライアンはカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)へ、アダムとジェシーはニューヨーク州ロング・アイランドのファイブ・タウンズ・カレッジ(Five Towns College)へ通う。この期間にリズム・アンド・ブルーズ(R&B)やソウルミュージック等の音楽にも触れ、ロックとR&B、ソウルを融合させたオリジナル・サウンドを見出すことになった。

その後、アダムとジェシーは大学を中退して西海岸へ戻り、ミッキーやライアンとともにバンド活動を再開。

 

 

2001年4月、作成したデモ・テープが、当時ニューヨークで新たに設立されたレーベル「オクトーン・レコード」(Octone Records)に注目され、レーベルの契約者第1号となる。

その直後、バンド「スクエア」(Square)で活動していた友人のジェイムス・ヴァレンタイン(G,Cho)をアダムが勧誘し、ジェシーがキーボードに専念。バンド名を「マルーン5」(Maroon 5)と改めた。由来は「トップ・シークレット」とのこと。

 

 

2002年6月25日、1stアルバム『ソングズ・アバウト・ジェーン』(Songs About Jane)をリリース。当初は注目されなかったが、“スウィーテスト・グッドバイ”(Sweetest Goodbye)が映画『ラブ・アクチュアリー』サウンドトラックに収録され、バンドとしてはミシェル・ブランチやジョン・メイヤー、マッチボックス・トゥエンティなどの前座を務める等、次第に話題となっていった。チャート動向は、2003年8月16日付Billboard 200(以下「全米」)92位から翌年9月4日に6位まで上昇。発売後2年以上経てのTOP10入りは音楽セールス集計機関(エーシーニールセン)の集計史上、最も長い時間をかけてTOP10入りしたアルバムとなった。アルバムからのシングルは"ディス・ラヴ"(This Love)が全米5位・全英3位、“シー・ウィル・ビィ・ラヴド”(She Will Be Loved)が全米5位・全英4位、“サンデイ・モーニング”(Sunday Morning)が全米31位全英27位など。

 

 

 

 

 

 

2003年7月23日、日本盤をリリース。2004年7月にはボーナス・トラック3曲を追加収録した『ソングス・アバウト・ジェーン スペシャル・エディション』も発売した。

 

 

2004年9・10月、初来日公演を実施。

9月22日には来日記念盤『1.22.03.ACOUSTIC』をリリースした。

12月、ノエビア「ブルー・アイス」シリーズCMソングに“シー・ウィル・ビィ・ラヴド”が起用、2005年にはトヨタ自動車「ヴィッツ」CMソングに“サンデイ・モーニング”が起用され、同年7月6日には“サンデイ・モーニング”がシングルリリースされた。

ロング・ヒットとなった『ソングズ・アバウト・ジェーン』はトータル・セールス1,000万枚を記録し、バンドは『第47回グラミー賞』最優秀新人賞などを受賞した。


 

2005年はアダム単独の活動が活発な年となった。

7月2日、LIVE 8でスティービー・ワンダーと彼の曲“涙をとどけて”(Signed, Sealed, Delivered I'm Yours)をデュエット、この時の映像がDVD『LIVE 8』に収録されている。 同年に発表のイン・ヤン・ツインズのアルバム『U.S.A.:ユナイテッド・ステイツ・オブ・アトランタ』(U.S.A.:United State Of Atlanta)収録曲“リヴ・アゲイン”(Live Again)にヴォーカルで参加。

同年、カニエ・ウェストがリリースしたアルバム『レイト・レジストレーション』(Late Registration)からの3rdシングル「ハード・エム・セイ」(Heard 'Em Say)にヴォーカルで参加。

また、ミシェル・ゴンドリー監督のミュージック・ビデオに警備員役で出演した。

アリシア・キーズと『MTVアンプラグド』でストーンズの“ワイルド・ホーセス”(Wild Horses)を歌唱し共演。この音源は彼女のアルバム『アンプラグド』(Unplugged)に収録された。

 

 

2006年9月、2年半程前からライヴ活動を離脱していたドラム担当のライアンが脱退を表明。以前からサポート・ドラマーだったマット・フリン(Matt Flynn)が正規メンバーになった。

同年、スライ&ザ・ファミリー・ストーンのトリビュート・アルバム『ディファレント・ストロークス・バイ・ディファレント・フォークス』(Different Strokes By Different Folks)で“エヴリデイ・ピープル”(Everyday People)をカヴァーした。

 

 

2007年3月27日、新作アルバムから1枚目のシングル“メイクス・ミー・ワンダー” (Makes Me Wonder)を先行発売、全米84位から始まり、3週目64位、4週目にジャンプアップで1位を獲得、バンド初の全米No.1獲得シングルとなる。これは2002年にケリー・クラークソンが“ア・モーメント・ライク・ディス”(A Moment Like This)で達成した52位から1位となる当時の記録を更新(その後2008年に更新された)。

 

5月22日(日本盤は5月16日)、2ndアルバム『イット・ウォント・ビー・スーン・ビフォー・ロング』(It Won't Be Soon Before Long)をリリース、全米チャート初登場1位を獲得した(発売1週目の売り上げ43万枚の内、約10万2,000件はデジタル・セールス(以下「DS」)であり、リンキン・パークが『ミニッツ・トゥ・ミッドナイト』で打ち立てた8万4,000件の記録を更新、当時の週間DSの最高記録を樹立)。米国のiTunes Storeでは同年の年間ダウンロード・アルバム・チャート1位になった。収録曲“グッドナイト・グッドナイト”(Goodnight Goodnight)は米国TVドラマ『CSI:ニューヨーク』第5シーズン第2話「死者の書」(Page Turner)にメンバーが出演し劇中で披露した。また、“イフ・アイ・ネヴァー・シー・ユア・フェイス・アゲイン”(If I Never See Your Face Again)はリアーナとデュエットしたバージョンもリリースしている。他のシングルは、“ウェイク・アップ・コール”(Wake Up Call)が全米19位・全英33位、“ウォント・ゴー・ホーム・ウィズアウト・ユー”

(Won't Go Home Without You)が全米48位・全英44位。

 

 

 

 

 

6月には2度目の日本公演を東京・大阪のZeppで開催した。

8月、収録曲の“ウォント・ゴー・ホーム・ウィズアウト・ユー”がトヨタ自動車「ヴィッツ」CMソングに起用された。

11月21日、“ウォント・ゴー・ホーム・ウィズアウト・ユー”をシングルカット、ジョン・レノンとオノ・ヨーコによる“ハッピー・クリスマス(戦争は終った)”(Happy Christmas [War Is Over])のカヴァーをカップリングした。

 

同年、アダムはナターシャ・ベディングフィールドのアルバム『N.B.』収録の“セイ・イット・アゲイン”(Say It Again)を共作、バッキング・ヴォーカルも担当した。 

 

 

2008年3月に再び日本公演を開催し、日本武道館の追加公演を含む5公演を行った。

12月、リミックス・アルバム『ベスト・リミックス: コール・アンド・レスポンス』(Call And Response: The Remix Album)をリリースした。

 

 

2009年、アダムはK'Naanの『トルバドゥール 〜チャンピオン・アルバム』(TROUBADOUR - CHAMPION EDITION)収録の「バン・バン feat.アダム・レヴィーン」(Bang Bang feat. Adam Levine)に参加。 

 

 

2010年、アダムはスラッシュのソロ・アルバム『スラッシュ』に「ゴッテン」(Gotten)で参加した。同年、ファッション・ブランド「<222>」を立ち上げた。 

6月22日、次のアルバムからの先行シングル“ミザリー”(Misery)を配信リリース、全米14位・全英30位にチャートインした。

 

9月21日(日本では9月15日)、3rdアルバム『ハンズ・オール・オーヴァー』(Hands All Over)をリリース、日本独自企画のCDシングル“コンパクト・ベスト マルーン5”も同時リリースした。

※『ハンズ・オール・オーヴァー』日本盤はジャケット写真のトリミングが異なる。

 

シングル“ウォント・ゴー・ホーム・ウィズアウト・ユー”はアサヒビール「アサヒスタイルフリー」CMソングに起用された。収録曲“アウト・オブ・グッバイズ”(Out Of Goodbyes)にはレディ・アンテベラムが参加している。アルバムは全米初登場2位、オリコンでは初登場3位を記録した。また、全国のCDショップ店員の投票で選ばれる『第3回CDショップ大賞』洋楽賞を受賞した。

 

 

2011年、東日本大震災被災者へ向けてバンドを代表しアダムがメッセージを寄せた。

5月、日本公演を開催し、日本武道館の追加公演を含む5公演が行われた。

6月21日、4月に放送開始のオランダ発タレントオーディション番組『ザ・ヴォイス』アメリカ版で、アダムとクリスティーナ・アギレラが番組審査員として共演。そこでコラボレーション曲“ムーブス・ライク・ジャガー”(Moves Like Jagger feat. Christina Aguilera)を初披露し、直後にリリースした。シングルは全米初登場8位、9月には1位となり、18ヶ国でチャート1位を獲得した。また、『ハンズ・オール・オーヴァー』にボーナス・トラックとしても追加収録し、日本ではさらにリミックス・バージョン1曲を加えた『ハンズ・オール・オーヴァー+2』として再発売した。

 

同年、ジム・クラス・ヒーローズの曲「ステレオ・ハーツ feat. アダム・レヴィーン」(Stereo Hearts feat. Adam Levine)に参加[。また、この年からオーディション番組『ザ・ヴォイス』の審査員を務め、コーチも兼任している。 

 

 

2012年3月、キーボードのジェシーが、音楽的追求と休暇に時間を費やすため、バンドから一時離脱することを発表。臨時メンバーとしてツアーミュージシャンのPJ・モートン(PJ Morton)を加えて制作中だった次作アルバムの作業を続行した。

4月、ウィズ・カリファをフィーチャーしたアルバムからの先行シングル“ペイフォン feat.ウィズ・カリファ”(Payphone feat. Wiz Khalifa)を配信リリース、全米2位を記録した。英国では、バンド初の全英No.1獲得曲となった。また、“ワン・モア・ナイト”(One More Night)が全米9週連続1位を獲得した。

 

 

6月26日(日本盤は6月20日)、4thアルバム『オーヴァーエクスポーズド』(Overexposed)発売。全米・全英ともに初登場2位を記録、オリコン5位を記録した。また、国際レコード・ビデオ製作者連盟(IFPI)発表の「2012年の世界的ベストセラーアルバム」第10位となり、『iTunes Best of 2012』Pop ベストアルバム部門も受賞した。

 

10月2日には、日本武道館で一夜限りの日本公演を開催した。

同年、自らのレコードレーベル「222 Records」を設立。マシュー・モリソンと契約した。

同年秋からアメリカのFXで放送された『アメリカン・ホラー・ストーリー』第2シーズンに役者として出演[。50セントの曲“マイ・ライフ feat.エミネム&アダム・レヴィーン”(My Life feat.Eminem & Adam Levine)に参加した。 

 

 

2013年、ザ・ロンリー・アイランドの曲“YOLO”にケンドリック・ラマーと参加。『ピープル』誌が選ぶ「最もセクシーな男性」に選ばれた。

 

 

2014年3月、アサヒビール「アサヒスタイルフリー」CMソングに“デイライト”(Daylight)が起用。

 

5月、レコードレーベルをインタースコープ・レコードへ移籍、新作アルバムではバンドから一時離脱していたジェシーが復帰している。

6月には先行シングル“マップス”(Maps)を配信リリース、全米6位・全英2位。

 

同年夏公開の映画『はじまりのうた』(Begin Again)で銀幕デビュー(日本公開は2015年)。アダムの曲も収録された映画のサウンドトラック『はじまりのうた -オリジナル・サウンドトラック』(Begin Again - Music From And Inspired By The Original Motion Picture)をインタースコープ・レコードと新たにディストリビューション契約した自らのレーベル「222/Interscope」からリリースした(日本盤は2015年発売)。また、レギュラー出演している『ザ・ヴォイス』により、ティーン・チョイス・アワードのテレビ部門「Choice TV Reality Personality, Male」を受賞。

9月2日(日本盤は9月3日)、5thアルバム『V(ファイヴ)』をリリース、メンバーはプロモーション活動のため来日した。シングル“アニマルズ”(Animals)が全米3位・全英27位 “シュガー”(Sugar)が全米2位・全英7位、"This Summer's Gonna Hurt like a MotherFucker"が全米23位・全英40位。

 

 

 

 

2015年9月2日に横浜アリーナで日本公演を開催。

9月25日にはキャリア初のベスト・アルバム『シングルス』(Singles)をリリース。

 

 

2016年10月12日、先行シングル第一弾"Don't Wanna Know" (featuring Kendrick Lamar)をリリース、全米6位・全英5位。

 

 

2017年8月13日、2017ティーンチョイスアワードでバンドはディケイドアワードを受賞した。

8月30日、SZAと共演した先行シングル“ワット・ラヴァーズ・ドゥ”(What Lovers Do ft. SZA)をリリース、全米9位・全英12位。

 

111月3日、マルーン5は、1999年のSF映画『マトリックス』に因んで名付けられた6thスタジオアルバム『レッド・ピル・ブルース』(Red Pill Blues)をリリース、全米2位に達した。

 

 

2018年5月30日、アルバムからのリカット“ガールズ・ライク・ユー”(Girls Like You)が全米1位・全英7位の大ヒットとなる。

 

 

2019年9月20日、マルーン5は“Memories”を発売し、全米2位・全英5位に達した。

 

 

2020年7月24日、マルーン5はシングル“Nobody's Love”を発表した。

 

12月16日、レヴィンは7枚目のスタジオアルバムが2021年にリリース予定であることを表明。

 

 

2021年3月3日、米国のラッパーMegan Thee Stallionとのリードシングル“Beautiful Mistakes”をリリースした。

 

 

 

 

 

 

(参照)

Wikipedia「アダム・レヴィ―ン」「マルーン5」「Adam Levine」「 Maroon 5」