マックスウェル (Maxwell/出生名:Gerald Maxwell Rivera/1973年5月23日~)は、アメリカ合衆国出身のR&B/ネオ・ソウル歌手。
1973年5月23日、ジェラルド・マックスウェル・リベラはニューヨーク市ブルックリンで、ハイチ人の母親とプエルトリコ人の父親の息子として生まれた。母親はハイチの敬虔なバプテストの家庭の育ちだった。
3歳の時、父親が飛行機墜落事故で亡くなった。
マクスウェルはイーストニューヨークのブルックリン地区で育った。
ニューヨーク出身の友人から低価格のカシオキーボードを譲り受けた後、17歳で作曲を始めた。パトリース・ラッシェン、S.O.S.バンド、ローズ・ロイスなど、すでに1980年代初頭のR&B活動のトレードマークである、彼が「ジェリー・カール・ソウル」と表現したもののファンであるマクスウェルは、様々な楽器の演奏を学び始めた。彼によると、1980年代初頭のR&Bには「コンピューター化された楽器とライヴ感の完璧な組み合わせ」が含まれており、ヒップホップがR&Bに影響を与えたため、このジャンルのダイナミクスは後に失われた。恥ずかしがり屋でぎこちないことでクラスメートからの嘲笑に直面したにもかかわらず、彼は進歩し、音楽的能力を伸ばし続けた。また、彼は服にもっとボヘミアンスタイルの外観を採用し、長いもみあげを育て、髪を乱暴に伸ばして髪をとかし、または時々彼の髪を長く細い三つ編みに入れる極端なスタイルを続けた。
1980年代初頭のアーバンR&Bの影響を受けたマクスウェルは急速に進歩し、1991年までにニューヨークシティのクラブシーンで演奏を始めた。マクスウェルは24トラックのレコーディングスタジオにアクセスすることができ、デモテープ用の曲の録音を開始した。デモテープは友人の間で回覧された。デモは評判になり、マンハッタンのナイトクラブ「Nell's」での彼の公式デビューコンサートパフォーマンスは群衆を魅了した。次の2年間で、マクスウェルは300曲以上を書き、録音し、ニューヨーク市中の小さな会場で頻繁に演奏した。マックスウェルのパフォーマンスは引き続き興味を引き、彼についての話題を増やし、彼は彼のショーの1つに参加したバイブ誌の作家から「次の王子」と呼ばれた。
1994年、かなりの評判を得た後、マクスウェルはコロムビアレコードとレコーディング契約を結んだ。彼は家族のプライバシーを尊重して、ミドルネームをモニカとして採用した。
1996年、シングル"Til the Cops Come Knockin'"をリリース。
4月2日、リオン・ウェアやアンプ・フィドラー、ワー・ワー・ワトソン等が参加した1stアルバム『Maxwell's Urban Hang Suite』でコロムビアからデビュー。全米37位・全英39位になり、最終的に200万枚以上を売り上げる。当初はマーヴィン・ゲイのフォロワーとしての要素が大きくクローズアップされたこの1作目からは、"Ascension (Don't Ever Wonder)" が全米36位・R&B8位・アダルトコンテンポラリー(以下「AC」)2位・全英28位になりプラチナ認定を受けたのをはじめ、レオン・ウェアと共作した"Sumthin' Sumthin'"がR&B23位・AC10位・全英27位でゴールド認定を受け、"Suitelady (The Proposal Jam)"もシングルヒットした。
1998年6月23日、2作目アルバム『Embrya』ではソウルの影響にとどまらないアート・ロック的とも評されるアルバムを作り上げる。全米3位・全英11位を記録した本アルバムからのシングルは、"Whenever, Wherever, Whatever"がR&B54位、"This Woman's Work" (Live)が全米58位・R&B16位・全英41位に達した。
2作目以降はソウル以外の影響も咀嚼している。歌詞のテーマは所謂ラブ・マンとして女性を賛美して愛するソウルの伝統に則っているが、バース・コーラス・バースといった古典的な歌唱ではなく、グルーブと反応する歌唱が持ち味である。
1999年、映画『LIFE』のサウンドトラックに"Fortunate"で参加、この曲は全英米4位・R&B1位・AC1位に達し、ゴールド認定を受ける大ヒットになる。
2001年8月14日、3作目アルバム『Now』をリリースすると、初の全米チャート1位を獲得する。本作からのシングルは、"Get to Know Ya"がR&B25位・AC2位、"Lifetime"が全米22位・R&B5位・AC1位、"This Woman's Work"が全米58位・R&B16位・AC2位・全英41位に達した。
2009年7月7日、音楽セールス全般が下降する中で8年ぶりの4作目かつ3連作の1作目『BLACKsummers'night』も全米チャート1位、100万枚を売り上げている。アルバムからのシングルは、"Pretty Wings"が全米33位・R&B1位・AC1位・RIAAゴールド認定を受けた他、"Bad Habits"が全米71位・R&B4位・AC1位、"Cold"がR&B62位、"Fistful of Tears"が全米94位・R&B11位・AC1位になった。
2016年7月1日、アルバム『blackSUMMERS'night』をColumbiaからリリース、全米3位に到達した。アルバムに収録されているシングル“レイク・バイ・ジ・オーシャン”(Lake by the Ocean)が、第59回グラミー賞にて「最優秀R&Bソング賞」を受賞した。他にアルバムからは、"1990x"がR&B28位、"Gods"がR&B46位になった。
2018年、"Shame"をリリース、AC9位。
2021年、次のアルバムからの新曲“OFF”を先行公開、AC1位を獲得した。
2022年春、「blacksummers'night」の第三弾アルバムをリリースし、シリーズ3部作が完結の予定。
(参照)
Wikipedia「マックスウェル (ミュージシャン)」「Maxwell (musician)」
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