後工程の事を考えて仕事をしよう | 事件は物流現場で起こっている

事件は物流現場で起こっている

30数年、物流の現場で働いてきました。その時に思ったこと、考えたこと、感じたこと、をつらつらと書いていきます。年寄りの戯言です。

私が現場作業で常に気をつけたことのその2です。

「後工程の事を考えて仕事をする」です。

後工程とは自分の責任範囲の仕事/作業の後に作業する工程や人を指します。

 

私の仕事は物流倉庫の現場作業です。出荷のため出来上がった荷物を配送業者に渡します。その先には荷物を受け取るお客様(企業であれ、個人消費者であれ)がいらっしゃいます。

配送業者やお客様が後工程の人になります。

 

配送業者に対しては、例えばですが、次のようなことを気にします。

・荷物の大きさは適当か?1箱にしようとして過剰に大きかったり重かったりしていないか?

・送り状は配送業者と取り決めた場所(天面か短側面か長側面か)に、かつ見やすい位置(左上か右上か)に貼ってあるか?

・配送業者が持ち帰り、発送店で荷卸しやすいような仕分け(サイズごとだったり方面別だったり)をしてあるか?

時間やリソース(作業人員)の制約はあり、常に全てのことが出来る訳ではありませんが、気にしながら作業をします。

 

現場内の出荷作業であれば入荷→棚入れ→ピッキング→出荷検品→梱包の段階がある訳です。

あなたは入荷した商品を棚入する作業をしています。商品をピッキング用棚の間口に入れるのが仕事だから、と言って次工程であるピッキング作業を考えないで作業していませんか?

私は下記のようなことを気にします。

・ピッキング者が取り出し易いように入れているか?

・先入先出しが出来るように、元あった商品を手前に寄せ、棚入する商品は一番奥に入れているか?

 

ピッキング者が取り出し易いようにする、ことにつきます。具体的にはどのようなことか、と言うと

・商品を間口にギュウギュウに詰めて入れてないか?

・商品名、品番が見えるように入れているか?

・裏表に入れたり、上下逆さまに入れていないか?

もっともっとあるかもしれません。

 

ついでにもう一例。

あなたはピッキングをしています。次工程は出荷検品の担当者です。出荷検品者はあなたがピッキングした商品をオリコンから1点1点取り出し、商品についているJANコードをスキャンします。

こんな事を考えてピッキングしていますね?

・取り出し易いようにオリコンの中に商品を並べて入れる。商品の形状によって並べ方も変える。

・バーコード(JANコード)が上から見えように入れる。

・同一SKUの商品が複数個あったら、出来るだけ離れないように入れる。

・重い商品、大きな商品は下側に入れる。他の商品が潰れないように。

では何を気にすれば良いか、どうやって決めるのでしょうか?

簡単です。

あなたが次工程の作業者(例えば出荷検品担当)になったと思って下さい。

このピッキングされたオリコンの商品状態をみて、どう思いますか?

「こりゃ、ひどい」と唸りますか?

「作業しやすくて助かる」と思わず微笑みますか?

少なくとも「こりゃ、ひどい」と思うようなやり方をしないようにピッキングしよう、と考えれば良いだけです。

 

「相手の立場に立って考える、行動する。」

単純です。

これは物流や倉庫現場だけですることではありません。

どんな作業、生活においても必要な心がけではないでしょうか。

といいつつ、全ての場面で実行するのは簡単ではないでしょう。

心がけていくことがまず第一歩です。