高齢女性の胸水に | 大阪弁天町の漢方薬局「廣田漢方堂薬局」のブログ

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80代後半の女性

 

年齢に伴って腎機能が低下し、BUNやクレアチニンの数値が異常値を示し、そのための漢方を処方していた。

 

尿はしっかり出ているとのことだが、痰の絡んだ咳が出るとのことで、内科を受診したところ、胸水が溜まっていると言われ、入院した方がいいのではと提案された。

 

そこでいつも腎機能を診てもらっている医師に改めて診察してもらったところ、腎機能の低下は今に始まったわけでもないし、数値が悪化しているわけでもないから、様子を見てもよいのではないかと言われ、利尿剤を処方された。

 

しかし当人は利尿剤は利用したくないという。

 

そこで漢方で何とかならないかと相談があった。

 

腎機能低下の予防に、数種類の漢方や中草薬を組み合わせて処方していたが、胸にたまった水を抜くために一部を微調節。

 

80代後半と高齢であり、体重も身長のわりに少なく、食事量が少ない、体力が乏しいなどの状況から、処方の1つであった補中丸を中止。

 

その代わりに、利水剤が配合された補気建中湯に変方。

 

補気建中湯だけでは胸水からくる咳を止める力が弱い可能性を踏まえ、肺気の利水をさらに強化すべく、越婢加朮湯+桔梗石膏をごく少量加える。

 

これを服用すること7日間。

 

咳はほとんど出なくなり、息苦しさも軽減しているという報告を受けた。

 

しばらく同処方を使用し、このまま安定的になるかを観察していくことになった。