大阪弁天町の漢方薬局「廣田漢方堂薬局」のブログ

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【廣田漢方堂からのお知らせ】
剥脱性口唇炎


当店では、これまで数十例の剥脱性口唇炎の治療実績から、当店独自の漢方理論を構築し、より効率よく剥脱性口唇炎の治療することができます。

剥脱性口唇炎



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開業し始めたころの不妊症の漢方相談は、比較的病理分析が簡単なものが多かった。

 

当店では体外受精のサポートを得意としているが、以前の不妊症相談では、他の漢方薬局でもよく言われる「卵の質」「子宮内環境」の改善については、全体と局所に分けた場合、「局所」を主にした弁証にて結果が出ることが多かった。

 

つまり、その人が持つ体質や体調(頭痛や肩こり、胃腸症状など、不妊症とは関係なさそうな不快症状)はあまり考慮せず、年齢および体外受精や顕微授精での採卵方法とその結果、移植方法とその結果に焦点を合わせ、さらに月経の状態(基礎体温の二層性・量・色・質など)の状態から、改善すべきポイントを導き出し、そこに集中的に作用する漢方薬を用いればよい症例が多かった。

 

しかしながら、最近の症例では、何度採卵しても卵が育たないというケースや卵は採れるものの、何度移植しても陰性に終わるといった西洋医学的な治療に反応しない方からの相談が多くなってきた。

 

こういう難しい症例では、上述のような局所的な所見、つまり生殖器の五行を調えるに主眼を置いた弁証論治では、ほとんど効果がなく、このような状況においては、いかに全体的な側面から「不妊状態」を見つめ、どうすればその状況を改善できるのかを考えていく必要がある。

 

例えば、40代の女性で、某クリニックにてオーグメント療法までしたにもかかわらず、何度移植しても着床反応が出ない症例では・・・

 

元々の体質としてアトピー性皮膚炎があり、傷の治りが遅い、傷跡が残りやすいなどの状態があり、顔色がやや萎黄で声に張りがなかったりした。

本人は特に日常生活において疲労感を感じやすかったり、食欲不振などがあったりといった不快症状はないということであったが、脈や舌、腹診などから、全体における五行の歪みを明らかにし、採卵期・休憩期・移植期にそれぞれ適切だと思われる処方を組み立てていった。

 

そうしたところ、採卵期では前周期、卵が採れなかったのだが、1つだけ受精卵ができ、無事に凍結ができるようになった。その後、次周期に移植が決定し、全体を通して子宮内膜環境が整うように漢方薬を数種類使用した結果、人生で初めて妊娠陽性反応が出たという報告を受けた。

 

血液検査によるHCG濃度は3桁あったということであるので、しっかりと着床していることがわかり、本人は人生初の妊娠陽性に涙を流して喜んでいた。

 

また別の症例では30代後半の女性が、病院にて長らく当帰芍薬散が処方されており、結婚後、全く妊娠する気配がなかったが、不妊症治療に踏み切る勇気がなく、検査すら受けていないということだった。

 

不妊症治療を受ける前に、漢方で体調を整えておきたいと相談に訪れたが、この方の場合は内臓が非常に冷えている状況があり、そのために気血津液が全く巡っていないと思われた。

 

そこで一般的には不妊症にはあまり使用されない附子理中湯を使った結果、わずか2か月で妊娠。

 

その他にも30代後半の女性で、ホルモン剤を使用しても卵がほとんど成長せず、その代わりにFSHだけが高くなったり、低くなったりして安定しない症例に対し、これまでショウキT1や鹿茸製剤など、あらゆるタイプの漢方を使ってもうまくいかなかった症例に対し、FSHの分泌機能を向上させ、ホルモン剤に対する卵巣の反応率を改善するとされる中草薬が配合された、たった2味で構成される漢方製剤を使用したところ、今回はホルモン剤にしっかりと反応し、卵が採卵できたりしている。

 

昔には、到底考えられなかった難しい症例が増えているということは、その分、当店の信頼度が高まっているということに他ならないが、その難易度が高くなっているにもかからわず、いつまでも昔のやり方に執着してしまっていては、一向に腕は上がらない。

 

大切なことは、「進化し続けること」であり、きちんと昔ながらのやり方で十分に対応できるレベルか否かを相談の最中に見極めることである。

 

ブログ等で僕が応対した不妊症相談者の妊娠報告例をいちいち挙げ出すときりがないので、すべてを記事にはしていないが、こういう難しい問題をクリアできた時、臨床家として少し誇りに思うのであった。

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突発的に出現する蕁麻疹は、中医学では「風」の仕業という考え方がある。

 

そして祛風薬が配合された漢方薬がよく使われるようだが、当店ではあまり祛風薬の配合された漢方薬を蕁麻疹に使うことはない。

 

確かに突発的に出現する蕁麻疹では「風」の関与が明らかに存在することは臨床で幾度も経験している。

 

ただしこの「風」はあくまでも二次的病理産物であり、一次病理を根本的に解決すると自然に消滅することが多い。

 

例えば20代の女性で、慢性蕁麻疹で悩まされている方では、突発的に広範囲に蕁麻疹が出現し、数時間で消失することを繰り返し、出現する場所は一定しないという状況だった。

 

これだけを読めば、当然、この蕁麻疹には「風」の性質があると考えられる。

 

しかしながら、蕁麻疹の状態は、赤く充血し、熱感を帯び、患部は浮腫を起こし、圧迫すると血色は抜けるという血熱から気分熱の発生、そこからの湿邪の停滞および熱からの風の発生が創造できる病態であった。

 

そこで三物黄芩湯をベースにして血熱を清し、気分熱を石膏・知母で清するようにしたところ、蕁麻疹はすぐに落ち着き、ほとんどでなくなった。

 

ここでは祛風薬は一切使用していない。

 

このような例からも、蕁麻疹については風の関与があるものの、それはあくまでも二次的な病理産物に過ぎず、根本的な病因をキチンと解決すれば、問題なく症状を治すことは可能ということがわかる。

 

抗アレルギー剤やステロイドがあまり効果を示さない蕁麻疹を漢方にて治療するのは非常に難しい側面があるが、しっかりと状況を把握して、末端の病理に惑わされないようにすれば、おのずと改善することは十分に可能だと考える。

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最近、機能性ディスペプシアを患っている方からの相談が多い。

 

多くの場合、症状は食欲不振・嘔吐・胸部の灼熱感・えずきであり、ありとあらゆる検査をしても何の異常もないとのこと。

 

西洋医学では、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬のアコファイドが処方されるようだが、漢方相談に来るような方は、それらの薬剤で一向に改善する気配がないとのこと。

 

これまでの経験では、機能性ディスペプシアと診断された方々の体質において、病名処方は通用しないと確信している。

 

何故なら、全員が上述のような共通する症状を持っていながらも、使用する方剤が全く異なるからである。

 

使用する方剤が全く異なるということは、「証」が異なるということになる。

 

医系漢方では、これらの病態に対して六君子湯や安中散、四逆散などが用いられるようであるが、廣田漢方堂ではこれらの処方を機能性ディスペプシアに使用した経験はない。

 

過去、40代の男性では、血痺虚労として捉え、小建中湯で完全緩解まで持ち込んだ例や30代女性で延年半夏湯など呉茱萸含有製剤で完全緩解まで持ち込んだ例がある。

 

最近も30代女性の機能性ディスペプシアに対し、当初は柴陥湯などを使用し、嘔吐や胸部の灼熱感は消失したものの、起床時の気持ち悪さ(えづく感覚)がどうしても残り、日によっては極端に食欲が落ちるという症状が取れきれなかった。

 

この方には詳細な弁証論治の結果及び、舌診から痰熱であることは間違いないということを確信していたため、柴陥湯から竹茹温胆湯へと処方を組み換え、痰熱によって胃陰が焼灼され、消化液分泌が円滑にいかないことによって、極端な食欲低下が起こるとし、胃陰を滋陰する漢方を少量使用することとした。

 

そうしたところ、機能性ディスペプシアの症状は雲散霧消。

 

起床時のえづく感覚、食欲不振、胃もたれ、胸部の灼熱感など、西洋医学的治療では全く改善しなかった症状が一気になくなり、気持ちよく食事が摂れるようになったとのこと。

 

機能性ディスペプシアに関しては、フィットする方剤を探すのに、生薬単位で考えないといけない(もともと胃腸の状態が良くないので、消化不良を起こすような生薬が使えない)こともあり、時間がかかるが、当店に相談に訪れた方に関しては、ほとんど改善することができているので、この疾患においても漢方が大いに効果を発揮すると考えている。

 

ただし、先ほども述べたように、機能性ディスペプシアは病名処方が一切通じないため、問診と舌診などから虚実・寒熱はもちろん、病態を引き起こしている病位などを明らかにする必要がある。

 

この中でも特に舌診が重要になるので、詳しく舌を観察することを怠ってはいけない。

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