胃の不調関連 | 大阪弁天町の漢方薬局「廣田漢方堂薬局」のブログ

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胃腸関連の疾患、特に機能性ディスペプシアの女性で症状が長期に及んだり、深刻な状況に陥ったりしている方は本当に治しにくい。

 

本当に食べられなくなり、体重が激減し、30数キロと骨と皮のような状態になった方からの漢方相談もあるが、こういう症例は何をしても無効である。

 

というより、改善した例がない・・・(涙)

 

過去、どれだけ多方面から症状を考え、様々な方策を取り、服用方剤はもちろんのこと、用法・用量など、考えられる限りの手をつくしても何の変化も出てこない。。。

 

考えるに胃腸機能が著しく減弱し、漢方を消化吸収し、患部に薬効を巡らせる力がなくなっているのではないか・・・

 

いずれにせよ、このような状態になっている方の漢方相談は、何をしても効果を発揮できないことから時間と費用、労力の無駄になること必須なので、受け付けない方針を取っている。

 

どうしてもという場合には、漢方よりも鍼灸の方がよいように思う。

 

 

 

 

もう1つの例では、中年の女性に多いのだが、これまた消化不良や胃もたれ、膨満感などの不具合を訴えるのだが、その根本には、慢性的に運動不足によるインナーマッスルの筋力低下に伴う内臓下垂(胃下垂)タイプ。

 

この場合は、胃腸障害が出ている原因が自身の筋力不足にあるので、それを是正し、内臓を正しい位置に戻すような習慣を身に付けない限り、漢方でどうのこうのできるレベルにない。

 

漢方をいくら使ったところで、内臓下垂から各臓器が圧迫され、清浄機能を発揮できない状態に陥っているのに対し、理気や補気、利水や滋陰、活血化瘀などをしたところで、内臓が垂れたままでは意味をなさない。

 

こういうタイプの女性は、胃の調子が悪くなってきたくらいから、下腹が出てきた気がして、胃の調子が悪くなってきたからこんな体型になってしまったのかと思うと仰られるのだが、「そうではなく、加齢に伴う筋力低下が顕著となり、内臓を支えることができなくなって内臓が垂れて前に出てきた故に下腹が出てきているのですよ」と説明するのだが、自身でそれらを改善するための筋力トレーニングをする人はほとんどいない。

 

それよりもなぜか、食べられないから体がだるい、しんどいと言って、横になる生活から抜け出すことができず、ますます状態が悪くなるような生活習慣を続けようとする。

 

 

 

更に他の例では食べ過ぎ。

胃腸症状は漢方でうまくコントロールできているのだが、ちょっとした油断で暴飲暴食をしてしまい、その都度、胃の不調が再燃して、漢方の調節を毎度余儀なくされる。食べたものや食べる量によって、出現する症状の比重が異なるため、それらを是正するための微調節はホント難しい。

 

でも本人は、食べることが楽しみで食べられることに喜びを感じているので止められない。

喉元過ぎれば熱さを忘れるとはよく言ったもので、不調から解放されると途端に羽目を外したくなるのは人間の性か・・・

 

 

 

自分自身も飲酒過多がたたって胃腸の不調が出たりしたときには、「あかん!飲酒量減らさな!」と思うのだが、一旦飲んでしまうと止められないのよね・・・。

 

そんなことを続けてたら、どんどんおかしくなってきて、ついに重い腰を上げて飲酒量を減らし、胃腸をいたわるようにしている。

 

 

胃の不調は本当に辛いので、そうならないように普段から気を付けておきたいし、もし仮に起こったときには放置せず、すぐに医療に頼ったほうがいいように思う。

 

治らなかったら、本当に本当に辛そうなのが気の毒で仕方がない。。。