リアルな世界 | 大阪弁天町の漢方薬局「廣田漢方堂薬局」のブログ

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大阪弁天町の漢方薬局「廣田漢方堂薬局」です。

25歳から東洋医学の勉強をし始めて、気づけばもう20年近くの時が経っている。。。

 

ごっつ、早いやん。。。

 

勉強し始めたころは、若造で、何の権威もなかったから、早く40代半ばになって、ええ感じに権威付けできたらな、なんて思ってたけど、実際になったら悲しいしかあらへん。。。

 

年を取るということの意味がこの1年で急激に理解できるほど、谷底を転げ落ちるかのように老いてきつつある。

 

これから先、まだまだ転げ落ちていくのかと思うと、本当に恐ろしい。

 

今まではできることが増えることが当たり前だったけれど、これからはできないことが増えていくのだなと改めて思う。

 

この年代を迎えても、「日々若々しく、アクティブに、まだまだこれから」なんて言っている方たちもいるが、本当にそんなことができるのかと、現実を見ているかと思うのである。

 

そんな中、急に今まで感じたことのない症状が出て来よる。

 

ホント、しょーもない、大したことのない症状なのだが、人よりも気を付けながら、色んな健康に関する知識を身に着けておきながら、きのこたけのこのように出てくる症状に「マジかよ・・・」と嘆きつつ、「あ~これが老化するということか・・・」と実感するわけですわ。

 

漢方家なら、何が何でも漢方で対処したらええかもしれんけど、諦めも大切。

 

これが自分の身体なんだと受け入れること、自分が頑張って、努力していることは、すべての面で「健康」「無症状」につながっているのではないんだということがわかってきて、悲しいのではなく、むしろ、現実を教えてくれていることに感謝しかない。

 

不快症状が増えることに対し、自分がやっていることになんて意味ないやんと嘆き悲しむよりも、それでもなお狩猟のために山歩いたり、趣味の沢登りや空手、釣り軟化しているときにこそ、「これだけ動いてもしんどくならなかったら、それだけでやっててよかった」と思えるだけラッキーだな。

 

それからもう1つ。

 

不快症状が増えてきて、自分が医療系、その中でも漢方業界に身を置きつつ、将来、大病を患ったとしたとき(自分の手に負えない状況に追い込まれたとき)に自分が尊敬したり、崇拝しているその道の先輩に相談するかと考えたとき、「いや、せんやろな」という結論に達した。

 

僕も含め、いろんな同業他者の人たちが、いろんな形で情報を発信しているし、それを目にしたときに「すごいな~」と感心することはあれど、いざ自分が診てもらう立場になったとき、その人を頼るかと言われれば、「否」だ。

 

なんだろうな。

 

漢方は神秘的な世界ではない。

 

治せるものは治せるし、治せないものは治せない。

 

自分でどうすることもできないものは、他の人でもどうすることもできない。

 

何も自分がすごいというのを言いたいのではなくて、何事にも限界がある。

 

東洋医学に身を置き、約20年。

 

幻想ではなく、本当の意味で「リアル」がようやく見えてきた。

 

若いときは夢を追うことも大切だ、でも幻想に囚われるな。

 

常にリアルの中で夢を見て語れ。

 

リアルな世界の中で、「信じるもの」と「信じざるもの」を見極めていけ。

 

自分の経験を通じ、子供たちにはそう教えている。