試合した相手のチームには、この試合のことを記事にすること、申し訳ありません。悪意はありません。我がチームの子供たちの頑張りを記録しておきたいだけです。お許しください。
東京新聞杯混合の部予選。残念ながら予選敗退が決まり、今日は敗者同士の交流試合。子供たちに少しでも多く試合をさせてあげたいという東京都の小学生バレーボール指導者の配慮で、このような交流試合を行っています。
都大会に向けた矢口タートルズの6年生4人の、最後の試合となりますので、当然6年生の4人は固定ポジションで3試合通しました。6年生には「好きなように試合しなさい」という指示を出しました。
私の指導するチームには、次の約束事があります。
「21-0でセットを取った時は、チーム全員に監督賞をあげる。監督賞は豪華な美味しいものと決まっている」
バレーボールで21-0というゲームは、めったにないことです。どれだけ実力差があっても、何らかのミスが出て、1~2点は取られるものです。サーブも20~21本連続でノーミスをしないといけません。21-0というのは極めて難しいことです。
今日の3試合目、キャプテンのサーブが効果的に決まり、11-0になりました。ここで給水タイム。そこで私から全員に伝えたことは、
「矢口タートルズの約束事として、21-0で勝ったら私が豪華な美味しいものを、チーム全員にプレゼントすることになっているって、知ってる?」
この一言で、チーム全員にものすごい緊張感が入り、そして「絶対に0点で終わらせる」という集中力も持続することにつながりました。結果、1セット目は21ー0で勝ち、子供たちは豪華美味しいものゲットして大喜び。
2セット目、サーブを打ち続けていたキャプテンに、またサーブを任せては面白くないので、サーブ順2番目の男子エースからサーブをスタートするスターティングメンバーに変えました。つまりこの子が21点連続でサーブを打ち続ければ、2セット目も21-0で勝ち、次の豪華美味しいものプレゼントをゲットすることができるわけです。これは緊張かなり高いですね。男子エースは2セットの前には(できるかな?)という表情をしていました。そして考えましたね。いつもは相手のレシーブをたたき出すために思い切り打っていたジャンピングフローターサーブを、コントロール重視に変えて、点数を重ねていきました。
11-0。給水タイム。普通はもう安心する状況ですが、2つめの豪華美味しいプレゼントがかかっているため、チーム全員の緊張感はマックス。
「1本返しでこっちに来たボールもしっかりつないでミスしないよ。」
と子供たち同士で話している。
あと10点で21-0の完封が見えてきた。
こちらのスパイクがネットインしたり、ああ危ないと思うような、自分たちのコートに落ちそうなボールも何とかつなぎ、とうとう20-0。最後は女子エースのスパイクが決まり、21-0。やってくれました。完全試合。42-0。私の30年を超えるバレーボール指導者人生で初めての完封です。
試合後、保護者会には、子供も大人も関係なく、全員で「バイキング料理を楽しむ会」を企画しましょうと提案しました。もちろん全額、私からのプレゼントです。ご家族の皆様には、あなたのお家にいる小学生バレーボーラーからの、最高のプレゼントと思ってください。
都大会には出られませんでしたが、それ以上に人生の記憶に残してほしい、6年生の最高の締めくくりでした。