2点差に勝てない・・・・・ | 一歩一歩 前に前に(小学生バレーボールチーム 矢口タートルズVC)

一歩一歩 前に前に(小学生バレーボールチーム 矢口タートルズVC)

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心の問題なのでしょうか。
3月から今までのこのチームは、最後の2点差で負けた試合。なんと10連敗なのです。
ここまで接戦をものにできないチームも、指導者経験30年にして初めてです。
「逆転の徳持」とか「接戦に負けない辰巳」と自称していた過去のチームとは違う。(今の自分の指導が良くないのか?)
都大会初出場を目の前にして、最後の最後でサーブミス、スパイクミスをして負けてしまう。
相手が点を取っているのではない。自分たちのミスで負けてしまう。
こんなに残念なことってないと思いませんか。

今日の2点差負けをした大切な3セットすべて、サーブミスで負けました。
21-20でサーブミス。
18-18でサーブミス。
19-20でサーブミス。
もっとふりかえれば、一次予選の時の1セット目も勝っていたのに、18-13でサーブミス、20-17でスパイクミスを2連続。21-21でサーブミス。これらのミスのうち、1本でも決めていれば、勝っていたのに。

この子供たちのメンタルトレーニングを本気で考えなければならないと大反省する今大会でした。

原因のひとつには、親子バレーボール活動という子供にとっての「逃げ道」があることがあげられます。
以下のことは初めて公表します。
我チームは、いつも親が身近に居すぎて、すぐに答えを口にしてしまうこと。子供たちが意思決定をする前に、「こうしなさい」「ああしなさい」と指示を出してしまうこと。子供可愛さでほっておけないこと。こうしたことが子供の精神的自律を阻害するかしないかの非常に微妙な状況にあると感じています。
私は子供たちにあえて失敗をさせて、そこで深く考えさせ、自力で立ち上がらせ、経験を深めたいという思いがあるのですが、子供自身が答えを出す前に、大人の皆さんが先に答えを言ってしまうことがよくあります。実はこれが子供たちのメンタル面の成長を阻害しています。子供たちの思考、試行錯誤をさまたげています。練習中に私が基本的なこと以外はあまり教えない、指示を出さないのがなぜなのかを大人の皆さんは考えていただけると幸いです。

教育界の指導者(大人)への戒め(励まし)の言葉があります。
ウイリアム・ウォードの箴言です。

平凡な教師は指示をする。
良い教師は説明する。
優秀な教師は模範を示す。
最高の教師は子供の心に火を付ける。

大人の子供に対する接し方のレベル規準です。
もっと厳しい言葉に変えてみます。

最低な大人は「指示ばかりする」・・・・・「~しなさい」「ボールを拾いなさい」「声を出しなさい」が口癖。そのことになかなか気づかない。
少しだけレベルがあがった大人は、どうしてそうなのか分かりやすく「説明する」・・・・・「声を出すのは~だからだよ」説明できるのは日々の自己研鑽をしているからこそ。
優秀な大人は「模範を示す」・・・・・「サーブを安定させるには、トスを同じ場所にあげられたらミスしないよ」「スパイクは手首を返すスナップショットができればミスしないよ」
最高の大人は子供の心に火を付ける。・・・・・多くの大人がここに至れば、チームの力は信じられないほど上がるでしょう。ひとつの例として、今回の大会を通して、大人の皆さんの応援の声は、まさに子供の心に火を付けるものだったと感じます。他チームの方からも、矢口の応援はすごく変わったと言われています。

このウイリアム・ウィードの箴言は、私が現職の教員を評価する基準ともなっています。
「静かにしなさい」「しっかり並びなさい」「こちらを見なさい」・・・このような言葉が教員から聞かれたら、超マイナス評価をします。なんとレベルの低い教員だろうと判断します。
「このように言っているのは、このような理由があるからだよ」と語りかける教員は、少しレベルの高い教員。
最高レベルは、教員(大人)が何もしなくても、子供たちが自分の判断で行動している状態。そのレベルまで、子供たちを育てていいくまでにはかなりの指導力が必要です。実はそういうことを分かっている教員も、世の中には多くいるわけではありません。
今、教員と言いましたが、これを「大人」と言いかえてもよいでしょう。子供の心に火を付けるような親になれるといいですね。最近のスポーツ界では、卓球の張本父がそういう存在なのではないでしょうか。幼い我が子の心に火を付けたからこそ、兄・妹ともに15歳くらいで世界トップ10に入る実力を示しています。しかも、学習面も日本のトップレベルです。張本父が指導している様子を見ると、やはり助言はしても、ほとんど「指示」はしていないことが分かります。

私が都大会に導いてきた過去の子供たちは、そういう自律したレベルで試合をしていたのです。私が「こうしなさい」と言わなくても、作戦だって自分たちで立てていた。学校生活の中でも「学校生活では自分自身の心を鍛えることができるよ」という私の指導をしっかり理解して、「先生、委員会の委員長はバレー部員全員取りました。」「運動会のリレー選手をになりました。選手になれなかった子は応援団長になりました。」と報告してきたことが何度もありました。ある年には、委員会委員長全員がバレー部員という年もありました。矢口タートルズの子供たちは、指導者としては指導が徹底できていなくて申し訳ありませんが、まだまだそこまで行っていませんね。学校生活でも出るべきところで、必ず引いてしまいます。何度も言いますが、24時間自分を鍛えるという感覚が子供たちに育たないと、私の指導するチームでは結果が出ません。

今大会の試合では、子供たちは相手がまったく見えていませんでした。試合の相手との試合ではなく、ボールと試合をしているような感じです。その根拠は、今回の予選を通じて、サーブ成功率がチームで75%という最悪の数値に出ています。4本打ったら1本はミスしているという信じられないほどの低いレベルです。少なくともこの数値が80%を超えていれば、あの2点差負けにはならずに勝ち抜けていたことでしょう。

ほんのわずかの練習のゆるみが、このような残念な結果となってしまいました。
明日からは、次の目標に向けてスタートしましょう。
まずやることは、新しい下級生部員をバレーボール大好き人間に育ててあげることです。
7月に「アンダー10大会」があります。
タートルズは、1~3年生メンバーで出場します。そのチーム作りも始める予定です。