私はこれまでの教員生活を通して、様々なことをできる限り数値データ化して分析し、客観的に自分の指導に活かしてきました。
担任をしていたならば、あいさつを自らする子が学級の何%いるのかとか。ちなみに今の学校全体のあいさつデータとしては、学級であと3~4人があいさつできるようになれば100%になるはずです。なぜか無視をする子が1割強います。また、「マイ新聞」という取組を指導した時には、次のような記録を残しています。
今シーズン、この「マイ新聞」の取り組みでは、クラス21人中2人が1500号まで書きました。1400号が1人、1200号1人と4人が1000号を超えました。真っ先に1000号達成した子がこう書いています。
「みなさん、新聞を楽しんでいますか?? 私は最近です。楽しみ始めたのは。たしか800号こして、900号行くちょい前の時でした。自然に楽しくなってきました。自分で書いていて、読み返すと笑っちゃう時があります。なので楽しめばいいのです。
楽しんだだけじゃだめだと思うけれど。でも、私は楽しんでたからここまで行けたんだと思います。」
私が数字にこだわっているからこそ、このような子供の意見になったのです。
数字をどのように分析するかは、これまたこだわって、いろいろなことでやり続けていないと、アイデアも出ないと思います。バレーボール指導でも、子供たちのサーブ成功率や得点率、エース率などを公表しているわけは、目で見ている印象だけだと子供たちへの先入観が入ってしまい、実は頑張っていた子のことを見逃してしまうことを防ごうと思っているのです。
先週、体力調査のデータが学校に届きました。個人票はすでに担任から配られていると思います。勝手ながら、バレー部員全員の個人票は私がコピーして持っています。これを多角的に分析した結果、練習方法を少しいじりました。シャトルランの数字が予想よりも低かったことを受け、練習の最初に行っていたチーム走をやめて、今日は5分間で体育館を何周できるかという数字で競わす取組に変えました。これにより多くの子は、5分間で10周以上、つまり、いつも以上に走ることができました。慣れてきたら10分間走にしていくつもりです。
数字は冷静です。感情的に怒ったり、嘆いたりしません。目の前にある現実を、そのまま見せてくれます。
数字をあやつれる人は、説得力という人の心をつかむ技をもっていると言っていいでしょう。
あ、そういえば、本校の体育担当の教員が、「校長先生、今年も低い数値です。」と申し訳なさそうな表情で学校票をもってきました。しかし、単年度の数字を見ても、本校の体力向上への指導成果は確認できないはずです。そこで私は、昨年度のデータも出して、東京都平均と本校平均の差が、1年間でどう変わったかというデータ分析をしました。その結果、かなりの割合で、昨年度の平均数値よりも今年度の平均数値の方が良くなっていることが分かりました。すぐに職員夕会で、「体育部の先生方の取組のおかげで、本校の体力数値は昨年度よりも向上しました。この調子で、子供たちに運動の日常化が進むよう指導していきましょう。」と語ったわけです。さらに、矢口ブロックの校長たちにも、このデータ整理方法を情報提供し、分析方法を伝授していきました。
数字をどのように扱うかは、とても大きな影響力を駆使することにつながるのです。
さて、今日は新しく、ソフトバレーボール用の支柱追加器とネットを、私の判断で勝手に購入し、体育館の反面は190cmのネットにして、高学年男子・高学年女子・1~2年生+大人の3チームリーグ戦をしてもらいました。数字だけでなく、練習環境を工夫するのも大切です。
反対側コートでは、3~4年生を私が集中指導。レセプションの面の作り方、サイドステップの仕方から指導を始め、続いてランニングレシーブ、3メンと続き、最後はスパイクミートの練習でまとめてみました。
「走り回ってボールを落とさないチーム」というイメージで指導しています。少しだけ、1964年東京五輪金メダル監督の大松さんの指導方法を入れて、子供たちをあえて追い込み指導しています。これまでやらせてきた楽しいレクリェーションバレーボールから、3~4年生チームは、それでは満足できないレベルの高い子供集団に育てようと思っています。4年生を中心にしたこのチームは、10月10日に区の秋季B大会が控えていますが、裏メニューでは、それまでに矢口の5~6年生チームに圧倒的に勝つことをねらって指導しています。ですから、たま~に泣きたくなるほど厳しい練習になる可能性があります。保護者の皆さんは、練習を見ない方が精神的に楽かもしれませんね(笑)。