S先生の指導モデルの柱は、「視写」「音読」「一読総合法による読解」です。この指導法について私は大田区立徳持小学校の教員時代に、当時のT校長先生から指導していただき、授業で使ってきた経験があります。まだ20代の若手教師だった私は、校長先生にお願いして「若手授業勉強会」を毎週木曜日に開き、国語の授業法を教えていただいたわけです。
今回は、S先生指導モデルの「視写」ついての記事になります。
S先生が主催している研究会では、児童の視写スピードに基準を設けているそうです。分速で何文字書ければ望ましいレベルかという基準です。
低学年・・・分速20字
中学年・・・分速25字
高学年・・・分速30字
これがS先生から私たちに示された基準です。
数字で表すと明確だなと私は感じています。国語という教科はその専門性からどうしても曖昧なものを評価しなくてはならない場面がありますが、この視写力に関しては上記のような基準値を持っていれば、はっきりした「目標」ができます。小学校の6年間を通してくり返し視写に取り組んでいけば、かなりの能力が身につくはずです。
こうした能力が子どもたちの読解力を高めるという考えをS先生は体験的・検証的にお持ちなのです。
昨日、私の学級の子どもたちがどの程度の視写力がついているのかを確かめるために、400字づめ原稿用紙に目一杯、視写をしてもらいました。与えた時間は13分間。分速30字で書いていくと390字になりますから、400字原稿用紙を書き終われば高学年基準を上回ります。
「用意ドン」で書き始めた子どもたちは真剣そのもの。教室には鉛筆のコツコツ、サッサという音しか聞こえなくなくなりました。教室が集中力に包まれた状態です。国語の授業の始めに視写をさせるというS先生の指導法は、こうした集中力に「スイッチを入れる」働きがあると私も感じています。
13分間で、26人(2人欠席)の子どもたちの中で6人が余裕で書き終わりました。この6人には「自分の書き取る能力は高学年を超えるレベルだと思っていていいよ。」と伝えました。
中学年レベルは分速25字ですから、310字を書けていれば合格ラインです。ほとんどの子はこのレベルを超えていました。
放課後、隣のクラスの担任と話したところ、「私のクラスもけっこう書けます。」と言っていました。この成果については、国語の授業だけでない裏付けがあります。
「書く」ということに対して抵抗感をなくすために、4月当初よりA4サイズの用紙で「マイ新聞」を書くという取り組みを学年でしてきました。私のクラスでは、9月終盤のこの時点で、合計7000号という枚数を書いてきました。28人で7000号。一人平均250号です。これだけの数を書いてくれば、やはり書く能力は高まっていると判断することができると思います。
1組も2組も本当によく頑張っている4年生です。
私たち教員も子どもたちに負けないように、もっともっと指導法を学び、力を伸ばしてあげたいと思います。
「子どもたちが頑張れば先生も頑張る、先生が頑張れば、また子どもたちも頑張る」
そんな相乗効果が生まれるように、私たちの学年は進んでいこうと思います。
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