このことは、井上の「褒めの技術」のメタファーとして使っています。
褒められれば人間は成長します。
褒められて嫌な思いをする人はそんなに多くはないと思います。
なのですが、実はそうでもないケースも教育現場にはあると思うのです。
どの先輩教師もみ~んな、「子どもを褒めましょう」と言います。私自身も職員室に「褒めのアスリートになりましょう」という掲示をして若手を啓発しているくらいです。
しかししかし! しかしです!
『褒めるタイミング』には細心の注意を払わなくてはなりません。タイミングの悪い「褒め言葉」は子ども達にとって「嫌み」に聞こえる場合があります。低学年はまだまだ客観的な見方ができませんからそうでもありませんが、高学年の場合は心に落ちないタイミングの悪い褒め言葉は「嫌み」です。
例えば、教師がお説教じみた話をしている最中は、子ども達のセルフイメージはかなり下がっていることが想像できます。できればこのお説教話をすぐにでも終わらせてほしいと思うでしょう。そんな話の中で、
「君たちは本当はもっと良くできるはずだ。」
とか、
「隠れた力がいっぱいあると思う。」
という類の話をしたって、大半の子どもは嫌みに聞こえているでしょう。
井上の褒めの技術は「常に獲物を狙っているチーターや大ワシ」のようなものです。
年がら年中、四方八方、五感をフル回転させて、人の行動をキャッチする「アンテナ」をはりめぐらせています。極端なアンテナ例をあげると、「足音」「声の響き」「目の色」「後ろ姿」という所まで感じ取ろうとしています。
ある子が何らかの行動やつぶやきをした瞬間をキャッチして、絶妙のタイミングでできるだけ自然に、しかも大げさに褒めることを心がけています。それが「よし!」とか「OK!」のひと言である場合もあり、切々と解説をすることもあり、子ども達が投げてくる一球一球に応じたバッティングでヒットを飛ばしていこうとしています。
「褒めのリーディングヒッター」を目指しているわけです。



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