
【これは2008年6月6日(金)の学級通信に書いた記事です】
運動会当日、ある学年のこどもと廊下で立ち話をしました。その子が言うには、
「短距離走で1位か2位だとお父さんにゲームを買ってもらえる。それ以下はダメだって言われたんだ。だから頑張らなくちゃ!!!」
これは“物で釣られた”こどもの姿です。一番良くない子育て方法だと私は思いました。
こういう接し方をすることでこどもはどう育つでしょうか?
おそらく、こんな感じに価値観を形成していくことになるでしょう。
『上位は良くて下位はダメだ』
つまり自分の親から「お前は下位になったらダメな子だ」というレッテルを貼られることになります。その結果、自分の実力を下に見るようになり、自信を失い、冷めた考えをする子になることが容易に想像できます。
『どうせやっても勝てないから』『どうせできないから』という考えを持つように育ちます。これが走ることだけでなく、勉強や仕事でも習慣になるでしょう。
『どうせバカだから』
『めんどくさい』
『苦手だから』
そんな言葉を口にしながら、最初からあきらめる子になる。皆さんの家庭では、まさかこうした会話が出ていないですよね。
自分の実力は、けっこう自分には分からないもので、何に対しても全力投球できれば、いろんなことができるはずなのです。全力投球する経験もないのにあきらめているこどもの多いこと多いこと。
物で釣られたこどもの多くは、難しい課題に対して物を買ってあげるという「外発的な動機付け」で動かされるので、大人が想像している以上に挫折感が大きいのです。
順番も大事かもしれないけど、
「お父さんはおまえが120%の力を出しているかどうかを見たいよ。最後の最後まで全力疾走していたなと感じたら、お父さんが心を込めてプレゼントしてあげる。さて?何をプレゼントしようかな?お前の走る姿を見て感じたものをプレゼントしたいな。どんなプレゼントができるか楽しみだね(笑) なんだかワクワクしてきたなぁ!!!」
こんなふうに言われたら、こどもでも大人でも絶対に嬉しいですよね。
何しろ『親の心』をプレゼントされるのですから。
心に響いたプレゼントは一生忘れない。
物で釣ったプレゼントはすぐ忘れます。
こどもの力を引き出せる賢い親になりましょう。
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